2017年7月18日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #092

※動画は後日投稿します。

092
千載・巻十二
Senzai(waka)-shu, vol.12
love
寄レ石恋(いしによするこい)と云へる心をよめる──二条院讃岐
given theme of love referring stones.
我袖は
潮干に見えぬ
沖の石の
人こそ知らね
乾く間もなし
わがそでは
しおひにみえぬ
おきのいしの
ひとこそしらね
かわくまもなし
Waga sode wa
Shiohi ni mienu
Oki no ishi no
Hito koso shirane
Kawaku ma mo nashi.
私の着物の袖は涙に濡れて、引き潮のときにも見えない沖の石のように、誰も知らないけれど、乾く間もないのです
My sleeve is wet with floods of tears
As here I sit and cry;
Tis wetter than a low-tide rock,
No one, howe’er he try,
Can find a spot that’s dry!
沖の石を詠む斬新さ
詞書(ことばがき)には「寄レ石恋(いしによするこい)と云へる心をよめる」とある。つまり石を詠み込んだ恋歌という題のもとに詠まれた歌である。たとえ瀬が引いても姿を現すことのない沖の石を引き合いに出して、常に浪の下にある=乾くことがないとした構成が独特である。この歌の巧みさと鮮烈な印象から、作者は「沖の石の讃岐」と呼ばれたという。また、女流歌人として定家からも高い評価を受けていたといわれる。
The Lady Sanuki was one of the Minamoto family, and lived at the Court of the Emperor Nijo, who reigned A.D. 1159-1165. She was the dauther of the retired Emperor Goshirakawa, and died A.D. 1165.
二条院讃岐 にじょういんのさぬき SANUKI, IN ATTENDANCE ON THE RITIRED EMPEROR NIJO
生没年未詳、11411217頃の人。源三位頼政(げんさんみよりまさ)の娘。二条天皇に仕えた女官で讃岐といった。二条天皇は、後白河天皇の第一皇子で、保元3(1158)年16歳で即位、永万元(1165)年7月に33歳で崩御した。天皇崩御後、藤原重頼(ふじわらのしげより)と結婚、後鳥羽院《歌099》の中宮宜秋門院(ぎしゅうもんいん)に仕え、のち出家した。歌林苑にも出入りした。
藤原定家が高く評価した女流歌人で、「千載集」のころにはすでに高名であった。家集に「二条院讃岐集」がある。勅撰歌は「千載集」などに69首。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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