2017年7月14日金曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #088

※動画は後日投稿します。

088
千載・巻十三
Senzai(waka)-shu, vol.13
love
「摂政(兼実のこと)右大臣の時家の歌合に旅宿逢レ恋(りょしゅくのこいにあう)」と云へる心を詠める──皇嘉門院別当
at a verse competition of given theme of love at traveling place at Minister’s house.
難波江の
芦のかり寝の
一夜ゆゑ
身をつくしてや
恋ひわたるべき
なにわえの
あしのかりねの
ひとよゆえ
みをつくしてや
こいわたるべき
Naniwa e no
Ashi no karine no
Hito yo yue
Mi wo tsukushite ya
Koi wataru beki.
難波江の葦の刈り根の一節のような、短い一夜の仮寝のために、この身を捧げてあなたをずっと恋し続けることになるのでしょうか
I’ve seen thee but a few short hours;
As short, they seemed to me,
As bamboo reeds at Naniwa;
But tide-stakes in the sea
Can’t gauge my love for thee.
一夜限りの恋物語
「旅宿逢恋」の題で詠まれた。かつて貿易港であった難波を旅と連想させる歌枕として取り入れている。難波は遊女のいる地としても知られており、そこから旅の男性との一夜限りの契りという背景も加えた。一晩という限られた逢瀬ゆえに鮮明に心に残り、一生それをかかえて生きていかなければならないのかと嘆く女心を切なく歌った。
技巧の面でも序詞・縁語・掛詞を駆使して奥行きのある歌に仕上げている。
This verse was written some time in the twelfth century; and Naniwa is the ancient name of Osaka.
There are several double meanings in this verse; line 2 and 3 can mean either ‘one section of a reed cut off between the joints’, or ‘one night’s sleep as short as a reed’. In the fourth line also, miotsukushi means a tide-gauge, as explained in the note to verse No. 20, but the whole line, taken as printed, reads, ‘How can I be already tired of thee!’ The contrasthere is between the length of only one section of a short reed and the long stake set up to measure the rise and fall of the tide.
[The illustration seems to show the lady to whom the verse was addressed.]
皇嘉門院別当 こうかもんいんのべっとう AN OFFICIAL OF THE DOWAGER EMPRESS KWOKA
生没年未詳。太皇太后亮源俊隆(みなもとのとしたか)の娘と伝えられ、崇徳天皇《歌077》の皇后、皇嘉門院(聖子・せいし)に仕えた。安元元(1175)年や治承3(1179)年の九条兼実の家の「右大臣家歌合」に加わっていたこと、のちに尼になったことが知られる。
勅撰歌は「千載集」などに9首ある。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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