2017年7月10日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #085

※動画は後日投稿します。

085
千載・巻十二
Senzai(waka)-shu, vol.12
love
恋の歌とてよめる──俊恵法師
a verse of love
夜もすがら
もの思ふ頃は
明けやらで
閨のひまさへ
つれなかりけり
よもすがら
ものおもうころは
あけやらで
ねやのひまさえ
つれなかりけり
Yomosugara
Mono omou koro wa
Ake yarade
Neya no hima sae
Tsurena kari keri.
一晩中、つれない人を思って嘆いているこのごろは、夜もなかなか明けてくれず、光のささない寝屋の隙間までが冷たく思えることだ
All through the never-ending night
I lie awake and think;
In vain I look to try and see
The daybreak’s feeble blink
Peep through the shutter’s chink.
真夜中の闇さえも冷淡に感じられる
作者が女性の立場に立って詠んだ恋歌である。もの思いにふける夜は、朝までの時間がことさら長く感じられ、朝の光の差し込んでこない寝屋の隙間さえもつれなく感じられるという。この「隙間がつれない」というのは作者独自の表現。
俊恵は自坊の歌林苑で道因《歌082》、藤原清輔《歌084》、讃岐《歌092》らと度々歌合を催した。この歌もその際の一首である。
This priest was the son of the author of verse No. 74. He describes in this poem a sleepless night, when he looks in vain to catch the first glimpse of daybreak through the joints of the sliding screens, that form the walls of a Japanese house.
[But in the picture, as will be noticed, one of the sliding screens is removed, in order to show the priest within.]
俊恵法師 しゅんえほうし THE PRIEST SHUN-YE
通称は大夫公(1113生まれ)。源俊頼(みなもとのとしより)《歌074》の子で東大寺の僧。
歌人として知られ、自宅を「歌林苑(かりんえん)」と呼び、歌会をひらいた。俊成《歌083》、清輔《歌084》、実定などと親交があり、鴨長明の歌の師である。中古36歌仙の一人で、著書に『歌苑抄』『歌撰合』などがあり、家集に『林葉和歌集』がある。勅撰歌は『詞花集』などに84首ある。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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