2017年7月2日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #078


078
金葉・巻四
Kin-yo(waka)-shu, vol.4
winter
関路千鳥と云へることをよめる──源兼昌
hearing plovers on the way to Suma.
淡路島
通ふ千鳥の
鳴く声に
幾夜寝覚めぬ
須磨の関守
あわじしま
かようちどりの
なくこえに
いくよねざめぬ
すまのせきもり
Awaji shima
Kayou chidori no
Naku koe ni
Iku yo nezamenu
Suma no seki-mori.
淡路島から通う千鳥がもの悲しく鳴く声に、幾夜目を覚ましたことだろうか、この須磨の関の番人は
Between Awaji and the shore
The birds scream in their flight;
Full oft they’ve made the Suma Guard
Toss through a sleepless night,
Until the morning light.
旅の孤独を歌枕にのせて詠む
作者は冬に須磨の関辺りを旅して宿をとり、そこでもの悲しく鳴く千鳥の声を聞いたのだという。須磨の関は、この歌のころにはもう廃止されていたが、『源氏物語』須磨の巻を思い起こさせる、寂しげなイメージがある地として定着した歌枕になっていた。その地でもの悲しげな鳴き声を聞くという、いかにも余情をさそう状況に、孤独なわが身と遠い昔の関守を重ね合わせている。
The writer was the son of Kanesuke, and died about the year 1112. Chidori are snipe or plovers, but here are apparently meant for seagulls. Awaji is a large island in the Inland Sea, near Kobe, and Suma is a point on the mainland in the Province of Settsu, immediately opposite.
源兼昌 みなもとのかねまさ KANEMASA MINAMOTO
生没年未詳。美濃守俊輔(としすけ)の次男で、従五位下・皇后宮少進から大進にすすみ、のち出家した。
永久4(1116)年の「堀河院次郎百首」や大治3(1128)の「住吉歌合」(兼昌入道)の作者である。勅撰歌は「金葉集」などに7首はいっている。

金葉和歌集(きんようわかしゅう)

第5番目の勅撰集。源俊頼(としより)《歌074》撰。白河法皇の下命。1124(天治元)年の初度本、翌年の二度本とも返却され、三奏本は26年かその翌年に草稿として奏覧され、そのまま受納されたという。書名は優れた和歌の集の意。四季・賀・別離・・恋上下・雑上下の10巻。代表歌人は源経信・源俊頼・藤原公実(きんざね)・藤原顕季(あきすえ)ら。「古今集」以来の伝統から脱した新鮮な歌風を特色とする。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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