2016年7月13日水曜日

黄昏の世界遺産 5

グランド・キャニオンの夕陽 Sunset on Grand Canyon



赤茶けた大地と切り立った断崖、先住民には聖地と崇められ、冒険者たちからは「魔の谷」と恐れられた、グランド・キャニオンは、アメリカ南西部、アリゾナ州北部におよそ450kmにわたって広がる、世界最大の渓谷です。
コロラド川の急流がおよそ1億年の時をかけ、平原を侵食することで、このような景観が生まれました。
川に削られて現われた地層は、およそ20億年前のものだといわれています。

グランド・キャニオン国立公園の入り口付近、デザートビューにある展望台からは、大自然の造る雄大な姿を見渡すことができます。

地球の歴史を刻む大地に沈む夕陽のBGMは、Ben Tissot 氏作曲「Slow Motion」(Bensound.com)。

では、この世界遺産の詳細を見ることにしましょうか。



グランド・キャニオン国立公園《アメリカ》
Grand Canyon National Park《The United States》

http://whc.unesco.org/sites/75.htm

登録種別:自然遺産
登録基準:(vii) もっともすばらしい自然的現象、または、ひときわすぐれた自然美をもつ地域、及び、美的な重要性を含むもの;(viii) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの〔生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、或は重要な地形的、または、自然地理的特性などを含む〕;(ix) 陸上、淡水、沿岸、及び、海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生物学的、生理学的プロセスを示す顕著な見本であるもの:(x) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの〔科学上、または、保全上の観点から、すぐれて普遍的価値をもつ絶滅の恐れのある主が存在するものを含む〕
登録年:1979

グランド・キャニオン国立公園は、アリゾナ州北西部のココニノ郡とモハーヴェ郡にまたがる。コロラド川がコロラド高原の一部であるカイバブ高原とココニノ高原を侵食して形成したマーブル峡谷からグランド・ウォッシュ崖までの長さ450km、最大幅30km、深さ1,500mの壮大な大峡谷。世界遺産の登録面積は、493,077haである。全体的には赤茶けて見えるが日の出と日の入りの景色は荘厳で美しい。断崖絶壁の谷底を流れるコロラド川の両岸の約1億年前に隆起した地層は最古層で20億年前の先カンブリア紀、表層部で2.5億年前の二畳紀のものといわれる。貝類の化石から太古に海底であったことがわかる。紀元前500年頃から農耕を営んでいた先住民族の居住跡も見られる。大空を悠々と弧を描くイヌワシ、オオタカ、ハヤブサの雄姿が印象的。グランド・キャニオンは、1540年にスペインのカルデナス隊が発見した。また、グランド・キャニオンは、アメリカの大自然の象徴であり、世界七不思議の一つとしても有名。
     ──『世界遺産事典 1007全物件プロフィール 2015改訂版』(シンクタンクせとうち総合研究機構)

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