2017年1月28日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #011



011
古今・巻九
Kokin(waka)-shu, vol. 9
覉旅
travel
隠岐国に流されける時に船に乗りて出(いで)立つとて京なる人の許(もと)に遣はしける──小野篁朝臣
send a message when about to sail for reletation
わたの原
八十島かけて
漕ぎ出でぬと
人には告げよ
海人の釣り舟
わたのはら
やそしまかけて
こぎいでぬと
ひとにはつげよ
あまのつりぶね
Wata no hara
Yasosihima kakete
Kogi idenu to
Hito ni wa tsugeyo
Ama no tsuri-bune.
はるかに広がる海原を、多くの島々目指して舟を漕ぎ出したと、恋しい京の人には伝えてくれ、漁師の釣舟よ
Oh! Fishers I your little boats,
Quick! Tell my men, I pray,
They’ll find me at Yasoshima,
I’m being rowed away
Far off across the bay.
決意と不安と無念さと
承和(じょうわ)元(834)年、篁は遣唐副使に任命され、唐へ赴くこととなったが、乗る船のことで大使の藤原常嗣(ふじわらのつねつぐ)ともめたあげく、病を理由に乗船を拒否した。さらに遣唐使を風刺する詩「西道謡(さいどうのうた)」を作ったため、嵯峨上皇の怒りをかって、隠岐へ流罪となった。この歌は、いよいよ隠岐へ向かって出発するというときの心情を表したものだ。
はるかに広がる海を見やって、これから島々を目指して漕ぎ出すという、潔い決意のその奥に、詞には出さない不安や孤独が見え隠れする。釣舟に託した言付けの相手は、都で待つ家族か、それとも恋人だろうか。
Takamura, a well-known scholar, rose from poverty to riches on being appointed a Custom-house officer for the ships trading to and from China. His enemies reported him to the Emperor as an extortioner and a thief, and he was deported to Yasoshima, a group of small islands off the coast; he is said to have composed this song and sung it to the fishing-boats, as he was being carried off. He was afterwards pardoned and reinstated, dying in the year 852.
参議篁 さんぎたかむら THE PRIVY CONCILLOR TAKAMURA
802852年。参議正四位下小野峯守の長男。21歳のとき文章生(もんじょうしょう)となり、太宰少弐に任ぜられ、承和3(836)年遣唐副使として船出したが暴風にあって引きかえし、翌4年再出発にさいして大使の藤原常嗣と争い、病気といつわって船に乗らず、大使をそしる詩をつくったりしたので、嵯峨天皇の怒りにふれて、同5年12月隠岐島に流された。同7年、文才を惜しまれて許され、蔵人頭、参議を経て従三位。51歳で没。
「古今集」の6首をふくめ、「新古今集」などの勅撰集に14首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






シェア share