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古今・巻十七
Kokin(waka)-shu, vol. 17 |
雑
other |
五節の舞姫を見て詠める──よしみねのむねさだ
watching “gosechi (an
imperial event)” dancers by Munesada Yoshimine |
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天津風
雲の通ひ路
吹きとぢよ
乙女の姿
しばしとどめむ |
あまつかぜ
くものかよいじ
ふきとじよ
おとめのすがた
しばしとどめん |
Amatsu
kaze
Kumo
no kayoiji
Fuki
tojiyo
Otome
no sugata
Shibashi todomemu. |
空を吹く風よ、天女の通る雲の中の道を吹き閉ざしてくれ。舞を終えて去る天女のように美しい舞姫を、もうすこしここにとどめておきたいのだ |
Oh
stormy winds, bring up the clouds,
And
paint the heavens grey;
Lest
these fair maids of form divine
Should
angel wings display,
And fly far far away. |
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ずっと眺めていたい舞姫たちの華麗な宴
豊明節会(とよあかりのせちえ)で五節(ごせち)の舞を舞う舞姫たちの姿を見て詠んだ。遍昭35歳ごろの作である。まだ、出家をする前で、名は良峯宗貞(よしみねのむねさだ)といった。
舞の美しさに心奪われ、舞姫を天女に見立てて風に呼びかける表現は遍昭の心躍る気持ちを代弁している。宴の終わりを名残惜しんで、天女が天上と地上を行き来するという雲の中の道を、風が閉ざしてしまえと願っているのである。 |
The
poet’s real name was Munesada Yoshimune, and he was the
great-grandson of the Emperor Kwammu. On the death of the Emperor
Nimmyo, to whome he was much devoted (A.D. 850), he took holy
orders, and in the year 866 wad made a bishop. He died in the
year 890, at the age of seventy, from being buried, by his own
wish, in a small stone tomb covered with soil, with only a small
pipe leading from his mouth to the open to his life. He is said
to have composed the above verse, before he entered the
priesthood, on seeing a dance of some maidens at a Court
entertainment; he pretends that the ladies are so beautiful that
they can be nothing less than angels, and he is afraid they will
fly away, unless the wind will bring up the clouds to bar their
passage.
[In the picture he is
shown with two acolytes, apparently addressing the wind.] |
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僧正遍昭 |
そうじょうへんじょう |
BISHOP HENJO |
816~890年。俗名は良峯宗貞(よしみねのむねさだ)。桓武(かんむ)天皇の孫で、素性(そせい)法師《歌021》の父にあたる。仁明天皇に仕え、嘉祥3(850)年帝の崩御にあい、深草山に葬った夜、叡山に登り、慈恵僧正の弟子となる。元慶3(879)年に権僧正。76歳で没。
36歌仙、六歌仙の一人。勅撰集には35首はいっている。家集「遍昭集」がある。 |
古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
──『日本史事典』
動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。
A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.
右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.
余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。
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