2017年3月27日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #037



037
後撰・巻六
Gosen(waka)-shu, vol.6
autumn
延喜御時歌めしければ──文屋朝康
presenting in Engi era
白露に
風の吹きしく
秋の野は
つらぬきとめぬ
玉ぞ散りける
しらつゆに
かぜのふきしく
あきののは
つらぬきとめぬ
たまぞちりける
Shira tsuyu ni
Kaze no fukishiku
Aki no no wa
Tsuranuki-tomenu
Tama zo chiri keru.
葉の上に光る白露に風が吹き付ける秋の野は、紐で貫きとめていない玉が散りこぼれているようだ
This lovely morn the dewdrops flash
Like diamonds on the grass---
A blaze of sparkling jewels! But
The autumn wind, alas!
Scatters them as I pass.
露は涙かはかない命か
草に置いた露を玉に見立て、風に吹き飛ばされるさまに散らばる玉のきらめきを見た美しい歌である。見立ての歌でありながら、実際の秋の野の風景がありありと思い浮かぶところも魅力である。
露は命や涙を暗示する歌語であり、それが抵抗するすべもなく風に翻弄されて散っていく姿に、一種の無常観を見ることもできる。美しさの中に荒涼とした寂寥感を含んだ一首である。
Asayasu, the son of the author of verse No. 22, lived about the end of the ninth century. He is said to have composed this verse at the request of the Emperor Daigo in the year 900. To liken the dewdrops to jewels or beads (tama) is typical of Japanese verse.
[The picture shows the grass, and the dewdrops scattered on the ground in front of the poet.]
文屋朝康 ふんやのあさやす ASAYASU FUNYA
生没年未詳。康秀《歌022》の子と伝えられるが定かでない。一説には駿河掾(するがのじょう)から延喜2(902)年に大舎人允(おおとねりのじょう)にすすんだと伝えられる。
「寛平御時后宮歌合」の作者であったことが「古今集」で知られる。勅撰集は「古今集」に1首、「後撰集」に2首はいっている。なお、契沖は《歌022》の「吹くからに……」は康秀の作ではなく朝康の作であるとしており、この説によると百人一首に朝康の歌が2首はいっていることになる。

後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

平安中期、第2番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
20巻。歌数約1400首。951年村上天皇の命で源順(みなもとのしたごう)ら「梨壺の五人」が編集。歌の作者はほぼ『古今和歌集』と重なり、撰者の歌は入れていない。特色として贈答歌が多く、詞書が長いことがあげられるが、これは歌集の物語化を意味する。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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