2017年3月2日木曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #024



024
古今・巻九
Kokin(waka)-shu, vol.9
travel
朱雀院の奈良におはしましける時に手向山にて詠める──すがはらの朝臣
at Mt. Tamuke when Retired Emperor Suzaku went to Nara
此のたびは
幣もとりあへず
手向山
紅葉の錦
神のまにまに
このたびは
ぬさもとりあえず
たむけやま
もみじのにしき
かみのまにまに
Kono tabi wa
Nusa mo tori-aezu
Tamuke-yama
Momiji no nishiki
Kami no mani-mani
今回の旅は突然のことで、お供えの幣も持ち合わせておりません。とりあえずは、この手向山の錦織のように見事な紅葉を幣として、神の御心のままにお受け取り下さい
I bring no prayers on colored silk
To deck thy shrine to-day,
But take instead these maple leaves,
That grow at Tamuké ;
Finer than silk are they.
紅葉を神に捧げる粋な計らい
昌泰(しょうたい)元(898)年の宇多(うだ)院の御幸に同行した際に詠まれた一首。紅葉をたたえる歌は数あれど、その美しさを神に捧げる幣帛(へいはく)のかわりにすることで表した斬新な手法が印象的である。この発想は以後こぞって使われるようになる。
作者は右に出るものがいないほど漢学に精通していたという。「紅葉の錦」という表現も漢詩の影響を受けたもので、『万葉集』には見られない。
The name given above mean ‘A house of rushes’, but the poet’s real name was Michizane Sugawara; he was a great minister in the Emperor Uda’s reign and a learned scholar; his works comprise twelve books of poetry and two hundred volumes of history; he was degraded in A.D. 901. and died two years later, an exile in Kyushu, aged fiftey-nine. He is worshipped as Tenjin Sama, the God of Calligraphy, and is a favorite deity with schoolboys.
Nusa are strips of colored silk or cloth inscribed with prayers, which were presented at temples in the old days. Tamuke-yama no Hachiman, a temple at Nara, is the scene of this verse; it is famous for its maple leaves, and the poet intended to say, that the crimson cloro of its own maples was finer than any brocade that he could offer. Another allusion is, that Tamuke-yama, near Nara, means ‘The Hill of Offerings.’
菅家 かんけ KWAN-KE
菅原道真(845903)。参議従三位是善の子。文章博士菅原清公(きよきみ)の孫。幼少のころから文才を知られ、元慶元(877)年文章博士。宇多天皇の信任を得、昌泰(しょうたい)2(899)には右大臣と、異例の昇進をしたが、延喜元(901)年正月、左大臣藤原時平(ふじわらのときひら)を中心とする藤原氏の中傷により太宰権師(だざいのごんのそつ)に左遷され、九州の太宰府で同3年2月25日、50歳で没。
勅撰集には34首入首。編著書は「類従国史(るいじょうこくし)」「三代実録」「新撰万葉集」、詩集に「菅家文章」「菅家後集」がある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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