2017年3月1日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #023


023
古今・巻四
Kokin(waka)-shu, vol.4
autumn
是貞の親王の家の歌合の歌──大江千里
at a competition at Prince Koresada’s house
月見れば
千々に物こそ
悲しけれ
我身一つの
秋にはあらねど
つきみれば
ちぢにものこそ
かなしけれ
わがみひとつの
あきにはあらねど
Tsuki mireba
Chiji ni mono koso
Kanashi kere
Waga mi hitotsu no
Aki ni wa aranado.
秋の月を見ると、あれこれとさまざまな物事が悲しく感じられることだ。秋は私ひとりの身の上に訪れたわけではないのだが
This night the cheerless autumn moon
Doth al my mind enthrall;
But others also have their griefs,
For autumn on us all
Hath cast her gloomy pall.
秋という季節が連れてくる物悲しさ
秋の夜長に月を見上げて、悲哀に満ちた気分を表現している。「月」と「我が身」、「千々」と「ひとつ」が対応して、己の孤独感をより深めているようだ。これは漢字の対句の技法で、この時代に漢字文の要素を和歌に取り入れて詠むことが流行し、なかでも大江千里は漢詩の翻案を得意としていた。秋を物悲しく感じ取る傾向も、漢詩の影響があるといわれる。
Chisato Oye is said to have lived about the end of the ninth century; he was the son of a Councillor, and a very fertile poet. He was also famous as a philosopher, and acted as tutor to the Emperor Seiwa, who reigned A.D. 859-876.
大江千里 おおえのちさと CHISATO OYE
生没年未詳。参議従三位大江音人(おとんど)の第二子。行平《歌016》、業平《歌017》の甥。玉淵(たまぶち)、春潭(はるぶち)、千古は兄弟。平安朝の人で延喜3(903)年に兵部大丞に任ぜられる。
文学にすぐれ、寛平6(894)年宇多天皇の命により、古い漢詩句を題として詠んだ「句題和歌」(大江千里集)ともいわれる家集)を詠進した。歌人としては勅撰集に25首入首。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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