2017年3月5日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #026


026
拾遺・巻十七
Shui(waka)-shu, vol.17
雑秋
other, autumn
亭子院大井河に御幸ありて行幸もありぬべき所也とおぼせたまふにことのよしそうせんと申て──小一条太政大臣
from words of Retired Emperor Uda saying that (current) Emperor should see this
小倉山
峰のもみぢ葉
心あらば
今ひとたびの
みゆき待たなむ
おぐらやま
みねのもみじば
こころあらば
いまひとたびの
みゆきまたなん
Ogura yama
Mine no momoji-ba
Kokoro araba
Ima hito tabi no
Miyuki matanamu
小倉山の峰のもみじ葉よ、お前に心があるのなら、どうかもう少し、次の行幸まで散らずに待っていてくれないか
The maples of Mount Ogura,
If they could understand,
Would keep their brilliant leaves, until
The Ruler of this land
Pass with his royal band.
もみじの心に訴えかける親心
『大和物語(やまとものがたり)』『大鏡(おおかがみ)』『古今著聞集(こきんちょもんじゅう)』などに御幸(ごこう)の話とともに見える歌である。大揠川(おおいがわ)に御幸された宇多上皇があまりに見事な紅葉を目にして、息子の醍醐(だいご)天皇にも見せたいとおっしゃったことから、お供をしていた藤原忠平(ふじわらのただひら)が、その気持ちを代弁して詠んだという。
紅葉を擬人化して呼びかける手法が温かく、直接的に美しさを褒め称えるよりも、いっそう鮮やかに紅葉の色彩が目の前に浮かぶようである。
小倉山に別荘を構えていたという定家には、これ以降小倉山への行幸が習慣化したという点からも、重要な歌だったのかもしれない。
The above is the posthumous name given to Tadahira Fujiwara, Imperial Chief Minister of State; he died about the year 936. It is related that the Emperor Uda, after his abdication, visited Mount Ogura in Yamashiro province, and was so greatly struck with the autumn tints of the maples, that he ordered Tadahira to invite his son, the Emperor Daigo, to visit the scene; and this verse was the invitation.
[The picture shows the Emperor with his attendants, and the maples all around him.]
貞信公 ていしんこう PRINCE TEISHIN
藤原忠平(880949)。貞信公は諡(おくりな)。関白基経(もとつね)の四男。時平の異母弟で道真と親しかった。延喜14915)年右大臣。摂政、太政大臣を経て天慶4(941)年関白となる。
聴明温厚な人柄で人望があり、藤原氏隆盛のもとをつくった政治家、小一条に邸があったので、小一条太政大臣ともよばれた。
「後撰集」に7首、「拾遺集」に6首入首。わが国古代の法典「延喜格式(えんぎかくしき)」を完成、日記に「貞信公記」がある。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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