2017年5月29日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #064


064
千載・巻六
Senzai(waka)-shu, vol.6
winter
宇治まかりて侍けるときよめる──中納言定頼
when visiting Uji.
朝ぼらけ
宇治の川霧
たえだえに
あらはれ渡る
瀬々の網代木
あさぼらけ
うじのかわぎり
たえだえに
あらわれわたる
せぜのあじろぎ
Asaborake
Uji no kawagiri
Tae-dae ni
Araware wataru
Seze no ajiro-gi.
夜が明けるころ、宇治川の川霧がとぎれとぎれに晴れてくると、そこここに現れてくる川瀬の網代木であるよ
So thickly lies the morning mist,
That I can scarcely see
The fish-nets on the river bank,
The River of Uji,
Past daybreak though it be.
刻々と変わる風景をそのまま詠み込む
明け方、辺りが明るくなってくるとともに、川を覆っていた霧がとぎれとぎれに晴れてきて、いままでは隠れていた網代木がゆっくりとその姿を現す。感情を一切挿入せずに、景色をありのままに歌った叙景歌だが、徐々に景色が変わっていくその時間の流れを表現したところが斬新である。
宇治川は『源氏物語』の宇治十帖の舞台となった場所であり、霧とともにこの時代の和歌によく詠まれた。
The writer was the son of the author of verse No. 55; he died in the year 1004. The River Uji is in the Province of Omi, and drains into Lake Biwa. Seze is a village on the lake-side, and a suburb of the larger town of Otsu. The poet, looking across the river, can hardly make out the fish-nets on the shore at Seze, because of the rising morning mist.
権中納言定頼 ごんのちゅうなごんさだより THE ASSISTANT IMPERIAL ADVISER SADAYORI
藤原定頼(9951045)。大納言公任(きんとう)《歌055》の長男で、侍従右近衛少将(じじゅううこんえのしょうしょう)を経て権中納言となった。小式部内侍(こしきぶのないし)《歌060》との逸話が有名。
詩歌、書画にすぐれ、歌人としても知られた。代表作に「水もなくみえわたるかな大井河峰の紅葉は雨とふれども」が伝えられている。晩年は病気で官を辞し、出家した。中古36歌仙の一人で「権中納言定頼集」がある。勅撰歌は「後拾遺集」などに42首はいっている。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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