2017年5月1日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #052


052
後拾遺・巻十二
Go-shui(waka)-shu, vol.12
love
女のもとより雪ふり侍(はべり)ける日かえりてつかはしける──藤原道信朝臣
sending to a woman after a meeting on a snowing day
明けぬれば
暮るるものとは
知りながら
なほ恨めしき
朝ぼらけかな
あけぬれば
くるるものとは
しりながら
なおうらめしき
あさぼらけかな
Akenureba
Kururu mono to wa
Shiri nagara
Nao urameshiki
Asaborake kana.
夜が明けると、やがて日が暮れ、そうすればまた逢えるとはわかっているが、やはり恨めしい明け方だなあ
Although I know the gentle night
Will surely follow morn,
Yet, when I’m wakened by the sun,
Turn over, stretch and yawn---
How I detest the dawn!
自然の摂理をも恨む深い愛情
後朝の歌である。夜が明ければまた日が暮れる。あたりまえの自然の摂理だが、やはり別れる明け方は名残惜しく、逢える夜までが遠く感じられるものだ。
詞書(ことばがき)は「女のもとより雪ふり侍(はべり)ける日かえりてつはしける」。これをふまえれば、美しい雪景色が引き立てる逢瀬の余韻とともに、一年でいちばん短い冬の昼の間さえ待てないという思いの強さが伝わってくる。
Michinobu lived in the tenth century.
[He is shown in the illustration with his wife on the verandah, watching the day break.]
藤原道信朝臣 ふじわらのみちのぶあそん THE MINISTER MICHINOBU FUJIWARA
972994。為光(ためみつ)の子で、母は伊尹(これただ・これまさ)《歌045》の娘。『栄花物語』によれば、兼家の養子になるが、その没後、右大臣道兼(みちかね)の養子となった。左近衛中将(さこんえちゅうじょう)にすすんだが、正暦5年、23歳の若さで亡くなった。孝心(こうしん)厚く、正暦3年6月に父為光が没し、その一年の喪を終え、喪服を脱いだとき「限りあれば今はぬぎ捨てつ藤衣果(はて)なきものは涙なりけり」とよんでいる。
中古36歌仙の一人で、「道信朝臣集」があり、「拾遺集」などに勅撰歌49首ある。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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