2017年5月8日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #055


055
拾遺・巻八
Shui(waka)-shu, vol.8
other
大覚寺に人々あまたまかりたりけるにふるきたきをよみ侍ける──右衛門督公任
looking at an old waterfall when many people visited Daikaku-ji Temple
滝の音は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞えけれ
たきのおとは
たえてひさしく
なりぬれど
なこそながれて
なおきこえけれ
Taki no oto wa
Taete hisashiku
Narinuredo
Na koso nagarete
Nao kikoe kere.
滝の水は絶え、水音が聞かれなくなってから長い月日が経ったけれど、その名声だけは今に流れ伝わって、聞こえてくることだ
This waterfall’s melodious voice
Was famed both far and near;
Although it long has ceased to flow,
Yet still with memory’s ear
Its gentle splash I hear.
華やかな宮廷の面影を追う
かつて嵯峨(さが)天皇の離宮であった、京都の大覚寺(だいかくじ)を遊覧した際に、庭の滝殿を見て詠んだものである。公任の時代には水は枯れていたが、滝殿に水があふれていたかつての栄えた姿を思い描き、名声は今の世にも伝わっているとする。「な」音を重ねた流暢な調べのなかに、「滝」「絶え」「流れ」「聞こえ」と多数の縁語を盛り込み、一流歌人らしい技巧に優れた歌になっている。
The poet was the father of the writer of verse No. 64, and was a member of the Fujiwara family at the zenith of their power, he was a great statesman and scholar, and died in the year 1041. The verse was written in praise of a waterfall that had been made by the orders of the Emperor Saga early in the ninth century, but which had by this time ceased to exist; [and the illustration well shows the watercourse now run dry.]
大納言公任 だいなごんきんとう THE FIRST ADVISER OF STATE KINTO
藤原公任(9661041)。頼忠(よりただ)の長男で、定頼(さだより)《歌064》の父。蔵人頭、中納言、大納言とすすむ。学、詩歌、管絃に秀で、能書家。『金玉集』『三十六人撰』『新撰髄脳(しんせんずいのう)』など著書も多く、「北山抄」「和漢朗詠集」を編集。「拾遺集」の撰者でもあり、家集に「前大納言公任集」がある。中古36歌仙の一人で「拾遺集」などに92首入首。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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