2017年6月26日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #076


076
詞花・巻十
Shika(waka)-shu, vol.10
other
新院位におはしまししとき海上遠望といふことをよませ給けるによめる──関白前太政大臣
given theme of on the see viewing far away by order of the emperor when he was at the throne.
わたの原
漕ぎ出でてみれば
久方の
雲居にまがふ
沖津白波
わたのはら
こぎいでてみれば
ひさかたの
くもいにまがう
おきつしらなみ
Wata no hara
Kogi idete mireba
Hisakata no
Kumoi ni magau
Okitsu shira nami.
大海原に漕ぎ出して見渡すと、雲と見間違えるばかりに、沖の白波が立っていることよ
When rowing on the open sea,
The waves, all capped with white,
Roll onward, like the fleecy clouds
With their resistless might;
Truly a wondrous sight!
空と海が一体となる大海原
「新院位におはしまししとき海上遠望といふことをよませ給けるによめる」という詞書(ことばがき)とともに見える。「海上遠望」という詠題は当時としては新しいもので、はてしなく続く海の広がりを感じさせる雄大な歌に仕上がっている。
詞書の新院とは崇徳院(すとくいん)《歌077》のこと。院の中宮聖子(せいし)の父でもある作者は関白をつとめていたが、後に保元(ほうげん)の乱で院と対立することになる。のんびりとした歌とは対照的な未来だった。
The real name of this poet was Tadamichi Fujiwara, mentioned in connection with the verse No. 75, who retired from the world and entered the church. He was the father of the author of verse No. 95, and is supposed to have died in the year 1164, at age of sixty-eight.
The ‘pillow-word’ hisakata, here used in connection with the clouds, is referred to in the note to verse No. 33.
法性寺入道前関白太政大臣 ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん THE LATE REGENT AND PRIME MINISTER, THE LAY PRIEST OF THE HOSHO TEMPLE
藤原忠通(10971164)。関白忠実(ただざね)の長男。兼実(かねざね)・慈円(じえん)《歌095》の父で、良経(よしつね)《歌091》の祖父。11歳で元服、25歳で関白となり、太政大臣2度、関白3度、摂政を2度つとめた政治家で、詩歌、書にも秀で、情厚い人であった。父や弟の頼長(よりなが)との不和が保元の乱の一因となった。66歳で出家、法性寺にはいり円観(えんかん)といったが2年後に没。法性寺殿と呼ばれた。
「法性寺関白日記」と「田多民治(ただみち)集」という家集と詩集「法性寺関白御集」がある。「金葉集」などに69首はいっている。

詞花和歌集(しかわかしゅう)

第6番目の勅撰集。藤原顕輔(あきすけ)《歌079》撰。崇徳上皇《歌077》の下命。1151(仁平元)年頃の成立。「金葉集」と同じく10巻で、歌数は409首と勅撰集では最も少ない。曾禰好忠《歌046》・和泉式部《歌056》・大江匡房(まさふさ)・源俊頼らが多く入集。「後拾遺集」期の歌を重視している。古来、玉石混交と評される。藤原教長(のりなが)「拾遺古今」(散逸)、藤原為教(寂超)「後葉和歌集」は「詞花集」を批判した撰集。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







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