2017年6月17日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #071


071
金葉・巻三
Kin-yo(waka)-shu, vol.3
autumn
師賢(もろかた)朝臣の梅津の山里に人々まかりて田家秋風と云へることをよめる──大納言経信
hearing people saying that the house and rice fields have autumn taste after all when they gathered in Umezu, Minister Morokata’s manor.
夕されば
門田の稲葉
おとづれて
蘆のまろ屋に
秋風ぞ吹く
ゆうされば
かどたのいなば
おとずれて
あしのまろやに
あきかぜぞふく
Yusareba
Kado-ta no inaba
Otozurete
Ashi no maroya ni
Aki kaze zo fuku.
夕方になると、門の前の田の稲の葉をさやさやと音をさせ、葦葺きの仮小屋に秋風が吹いてくる
This autumn night the wind blows shrill,
And would that I could catch
Its message, as it whistles through
The rushes in the thatch
And leaves of my rice-patch.
吹き抜ける秋風
技巧に凝ることなく、秋の風景をさらりと詠み上げている点が新しい叙景歌である。初句の夕暮れの風景から実りを迎えた田の稲穂、それを揺らす風と葉音、そしてその風が仮小屋に吹き込んでくるまで、次々と情景が浮かび上がり、最期には風の動きさえ見ることができそうである。
広々とした風景のなかには、秋の夕暮れにつきものの寂寥感はほとんど感じられない。その意味でも新しい視点を持った一首である。
Tsunenobu, a member of the Minamoto family, was famous as a man of letters in the eleventh century, and died in the year 1096.
大納言経信 だいなごんつねのぶ THE FIRST ADVISER OF STATE TSUNENOBU
源経信(10161097)。道方(みちかた)の六男で、参議、権中納言などを経て寛治5(1091)年に76歳で大納言となり、のち太宰権師として太宰府に赴任し、当地で没した。琵琶と蹴鞠(けまり)の名手として知られる。息子は俊頼(としより)《歌074》。
詩歌管絃に秀でた三船(さんせん)の才人といわれ、藤原公任《歌055》とならべ称されている。
「難後拾遺集」を著わし、「後拾遺集」を撰した藤原通俊を批判した。中古36歌仙の一人で、家集に「大納言経信集」があり、勅撰歌は87首ある。

金葉和歌集(きんようわかしゅう)

第5番目の勅撰集。源俊頼(としより)《歌074》撰。白河法皇の下命。1124(天治元)年の初度本、翌年の二度本とも返却され、三奏本は26年かその翌年に草稿として奏覧され、そのまま受納されたという。書名は優れた和歌の集の意。四季・賀・別離・・恋上下・雑上下の10巻。代表歌人は源経信・源俊頼・藤原公実(きんざね)・藤原顕季(あきすえ)ら。「古今集」以来の伝統から脱した新鮮な歌風を特色とする。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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