2017年6月5日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #067


067
千載・巻十六
Senzai(waka)-shu, vol.16
other
二月ばかり月のあかきよ二条院にて──周防ないし
at Nijoin at a night of moon-lit in February.
春の夜の
夢ばかりなる
手枕に
かひなく立たむ
名こそ惜しけれ
はるのよの
ゆめばかりなる
たまくらに
かいなくたたむ
なこそおしけれ
Haru no yo no
Yume bakari naru
Ta-makura ni
Kainaku tatamu
Na koso oshi kere.
春の短い夜の夢のようにはかない戯れに、あなたの手枕を借りたばっかりに、つまらない浮き名が立つことでしょう。それが口惜しいのです
If I had made thy proffered arm
A pillow fro my head
For but the moment’s time, in which
A summer’s dream had fled,
What would the world have said?
春の夜の幻想に惑わされない
春の夜、女房たちと物語を楽しんでいた周防内侍が「枕があればよいのに……」とつぶやいたのを、御簾(みす)の外で聞いていた藤原忠家(ふじわらのただいえ)が御簾の下から腕を差し入れ、「これを枕に」と言った。そこで周防内侍は「かいな(腕)」を詠んだこの歌を返し、やんわりと断ったという。
ふたりは冗談を交わす親しい友人だったのだろう。「夜」「夢」「手枕」など恋を連想する楽しい言葉を用いている。
The authoress was the daughter of Tsugunaka Taira, the Governor of the Province of Suwo, and a lady-in-waiting at the Court of the Emperor Goreizei, who reigned A.D. 1046-1068. She was present one day at a long and tedious cout function, and, feeling very tired and sleepy, she called to a servant for a pillow; a nobleman on the other side of the screen, the First Adviser of Sate Tadaie, gallantly offered her his arm, with a request that she would rest her head there, and she replied with this verse. She intended him to understand that, though she was willing to accept him as her husband for life, she feared that his attachment would last no longer than a fleeting summernight’s dream.
周防内侍 すおうのないし THE LADY-IN-WAITING SWO
本名は仲子(生没年未詳)。周防守平継仲(たいらのつぐなか)(一説には平棟仲(むねなか))の娘。後冷泉天皇(10251068)から堀河天皇の代まで宮仕えした。内侍の役だったので、父と自分の官名で呼ばれた。のちに出家している。
よく知られる歌に「住みわびてわれさへ軒のしのぶ草忍ぶかたがた多き宿かな」がある。中古36歌仙の一人で「周防内侍集」がある。「後拾遺集」など勅撰歌は35首。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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