2017年4月23日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #048


048
詞花・巻七
Shika(waka)-shu, vol.7
love
冷泉院東宮(れいぜいいんとうぐう)と申しつけるとき百首の歌奉(たてまつ)りけるによめる──源重之
presenting 100 verses when Reizei Emperor was a heir-prince
風をいたみ
岩打つ浪の
己れのみ
砕けてものを
思ふ頃かな
かぜをいたみ
いわうつなみの
おのれのみ
くだけてものを
おもうころかな
Kaze o itami
Iwa utsu nami no
Onore nomi
Kudakete mono o
Omou koro kana.
風が激しく吹くので、岩を打つ浪が砕け散るのに、岩はなんともないように、私だけが心を砕いて悩んでいるこのごろであるよ
The waves that dash against the rocks
Are broken by the wind
And turned to spray; my loving heart
Is broken too, I find,
Since thou art so unkind.
当たって砕ける一方通行の恋心
動くことも砕けることもない海辺の岩に、相手のつれない態度を喩(たと)えた片思いの歌。そこにぶつかって砕けるしかない自分の思いを下の句に表現し、激しい恋心と同時に絶望的な恋の行方を暗示している。自然の風景と心情風景を重ねて、簡潔に思いの強さを表現することに成功している。「くだけてもの思ふ頃かな」という文句は、当時の流行であったらしく、数々の歌に見られる。
The writer of this verse is said to have died in the year 963; for a note about the great Minamoto family, see verse No. 28.
[In the picture we see Shigeyuki, with an attendant carrying his sword, walking on the shore, while the waves break into spray at his feet.
源重之 みなもとのしげゆき SHIGEYUKI MINAMOTO
生年未詳。清和天皇の皇子貞元親王(さだもとしんのう)の孫で、兼信(かねのぶ)の子。叔父の兼忠(かねただ)の養子となる。貞元元(976)年に相模守となる。のち太宰大弐として太宰府に、また陸奥掾(じょう)(一説には目(さがん))として陸奥に赴き、長保3(1001)年に当地で没した。
36歌仙の一人で「重之集」がある。勅撰歌は「拾遺集」などに66首。

詞花和歌集(しかわかしゅう)
第6番目の勅撰集。藤原顕輔(あきすけ)《歌079》撰。崇徳上皇《歌077》の下命。1151(仁平元)年頃の成立。「金葉集」と同じく10巻で、歌数は409首と勅撰集では最も少ない。曾禰好忠《歌046》・和泉式部《歌056》・大江匡房(まさふさ)・源俊頼らが多く入集。「後拾遺集」期の歌を重視している。古来、玉石混交と評される。藤原教長(のりなが)「拾遺古今」(散逸)、藤原為教(寂超)「後葉和歌集」は「詞花集」を批判した撰集。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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