2017年4月15日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #044


044
拾遺・巻十一
Shui(waka)-shu, vol.11
love
天暦御時歌合に──中納言朝忠
at a verse competition in Tenryaku era
逢ふことの
絶えてしなくば
なかなかに
人をも身をも
恨みざらまし
あうことの
たえてしなくば
なかなかに
ひとをもみをも
うらみざらまし
Au koto no
Taete shi nakuba
Naka naka ni
Hito mo mo mi o mo
Uramizaramashi.
逢うということがまったくなかったなら、かえって、あの人を恨んだり、この身の運命を恨んだりはしないだろうに
To fall in love with womankind
Is my unlucky fate;
If only it were otherwise,
I might appreciate
Some men, whom now I hate.
逢えないのは禁じられた恋だから?
まったく逢えない身の上であればまだしも、もしかしたら…という希望を捨てきれずに苦しむ、恋のもの思いである。苦しさゆえに逢えなければよいのにという、逆説的な表現がおもしろい。
解釈は、相手と一度も逢えていないのか、あうことはできたが、その後なんらかの理由で逢えずにいるのかという二説がある。定家は後者と見ていたようだ。とすると、人目を忍ぶ不倫の恋かもしれない。
The writer of this verse was the son of Sadakata, a Minister-of-the-Right, and is said to have died in the year 961. The verse was composed at the instance of the Emperor Daigo, and is apparently written in praise of a life of single blessedness. The translation does not give the full force of the last two lines, which mean literally, ‘I should not dislike both other people and myself too.’
[The illustration shows Asatada walking on the verandah outside his house, perhaps coposing this verse.]
中納言朝忠 ちゅうなごんあさただ THE IMPERIAL ADVISER ASATADA
藤原朝忠(910966)。三条右大臣定方(さだかた)《歌025》の次男。参議を経て応和(おうわ)3(963)年に中納言となる。屏風歌をよみ、和漢の学に秀で、笙(しょう)の名手でもあり、土御門中納言とも呼ばれた。
36歌仙の一人で「権中納言朝忠卿集」という家集がある。「後撰集」に4首など勅撰歌は21首。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

源氏物語絵巻、二十帖『朝顔』。土佐光起(1617–1691)筆。バーク・コレクション(メアリー・グリッグス・バーク夫人とメアリー・アンド・ジャクソン・バーク財団の所蔵)
Ilustration of the The Tale of Genji, ch.20–Asagao, traditionally credited to Tosa Mitsuoki (1617–1691), part of the Burke Albums, property of Mary Griggs Burke.
【この著作物は、著作権の保護期間が著作者の没後100年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。このファイルは、パブリックドメインにある平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製したものです。このような複製はアメリカ合衆国においてパブリックドメインとなります。他の地域では再利用に制限がかかる場合があります。詳しくはReuse of PD-Art photographsをご覧ください。美術の著作物としての原図は以下の理由によりパブリックドメインに属します。このファイルは、著作権法の下での既知の制限 (すべての関連および隣接権を含む) に対して、自由であると認識されています。 (https://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/deed.ja)

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







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