2017年4月3日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #040


040
拾遺・巻十一
Shui(waka)-shu, vol.11
love
天暦時歌合──平兼盛
at a competition in Tenryaku era
忍ぶれど
色にいでにけり
わが恋は
ものや思ふと
人の問ふまで
しのぶれど
いろにいでにけり
わがこいは
ものやおもうと
ひとのとうまで
Shinoburedo
Iro ni ide ni keri
Waga koi wa
Mono ya omou to
Hito no tou made.
心ひそかに隠していたけれど、私の恋心は顔色に表れてしまったようだ。恋になやんでいるのか、と人に尋ねられるほどに
Alas ! the blush upon my cheek,
Conceal it as I may,
Proclaims to all that I’m in love,
Till people smile and say---
Where are thy thoughts to-day?’
見破られた恋わずらい
歌もさることながら、歌にまつわる逸話が有名である。
『天徳歌合』で「忍恋」を題に詠まれた歌だが、対したのは《歌041》の壬生忠見(みぶのただみ)の歌である。判者であった藤原実頼(ふじわらのさだより)はどちらも甲乙つけがたく、天皇にうかがった。天皇も悩んだあげく、兼盛の歌を口ずさんだので、こちらの勝ちとなった、という話である。古来、《歌041》の歌と必ずといっていよいほどセットで親しまれ、どちらが優れているか、議論の的だった。
この歌は倒置法が極めて効果的に使われ、構成に優れている。上の句で結論をいい、四句に「ものや思ふ」という第三者の問いかけを挟み込んだ上で、上の句に繋がる理由を明らかにして余韻を残す。その余韻のなかに、思いがけない指摘をされたとまどいと、はじまったばかりの恋の喜びが含まれているようである。また、恋の心情を直接歌うのではなく、間接的に表現することで、かえって思いの強さを示している。
This verse is said to have been composed in the year 960, at the request of the Emperor Murakami. Kanemori was the great-grandson of the Emperor Kwoko (* originally printed as “Kwotoku”) who is the writer of verse No. 15.
平兼盛 たいらのかねもり KANEMORI TAIRA
生年未詳、990年没。篤行(あつゆき)王の第三子で、光孝天皇《歌015》の玄孫、兼盛王とも称され、天暦4(950)年、越前権守に任ぜられ、臣籍に下った。のち山城介(やましろのすけ)、駿河守(するがのかみ)などを歴任。
漢学にすぐれ、歌人としても知られ、36歌仙の一人。家集に「兼盛集」があり、「拾遺集」の38首など83首の勅撰歌がある。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Genji_emaki_01003_006.jpg
五島美術館(http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/index.html)蔵『源氏物語』第38帖「鈴虫」の二番目の場面。

【このファイルは、パブリックドメインにある平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製したものです。このような複製はアメリカ合衆国においてパブリックドメインとなります。他の地域では再利用に制限がかかる場合があります。詳しくはReuse of PD-Art photographsをご覧ください。美術の著作物としての原図は以下の理由によりパブリックドメインに属します。

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なぜ、この著作物がアメリカ合衆国でパブリックドメインにあるのかを示すために、アメリカ合衆国のPDタグも併せて使用しなくてはなりません。 いくつかの国では、著作権の保護期間が70年を超えていることに注意する必要があり、例えば、メキシコは100年、ジャマイカは95年、コロンビアは80年、グアテマラとサモアは75年です。これらの国では、著作権の保護期間について相互主義を採用していないこともあり、この画像はパブリックドメインの状態にはないかも知れません。コートジボワールは99年、ホンジュラスは75年をそれぞれ原則的な著作権の保護期間として採用していますが、保護期間につき相互主義を採用しています。

このファイルは、著作権法の下での既知の制限 (すべての関連および隣接権を含む) に対して、自由であると認識されています。 (https://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/deed.ja)
{{PD-Art}} template without license parameter: please specify why the underlying work is public domain in both the source country and the United States (Usage: {{PD-Art|1=|deathyear=''year of author's death''|country=''source country''}}, where parameter #1 can be PD-old-auto, PD-old-auto-1923, PD-old-auto-1996, PD-old-100 or similar. See Commons:Multilicense copyright tags for more information.)

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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