2017年2月22日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #022


022
古今・巻五
Kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
是貞の親王(みこ)の家の歌合の歌──文屋やすひで
at a competition at Prince Koresada’s house
吹くからに
秋の草木の
しをるれば
むべ山風を
嵐と云ふらむ
ふくからに
あきのくさきの
しおるれば
むべやまかぜを
あらしというらん
Fuku kara ni
Aki no kusa ki no
Shiorureba
Mube yama kaze o
Arashi to iuramu.
吹くそばから、秋の草木がしおれるので、なるほど、山から吹き下ろす風のことを嵐といっているのだろう
The mountain wind in autumn time
Is well called ‘hurricane’;
It hurries canes and twigs along,
And whirls them o’er the plain
To scatter them again.
シンプルな詠みに隠れた言葉遊び
詞書(ことばがき)は「是貞の親王(みこ)の家の歌合の歌」となる。山から吹く秋の強風が草木を揺らし荒らして、しおらせるさまを思い浮かべ、なるほど、だから嵐(荒し)というのか、と納得する。
この歌には言語的な遊びの要素が組み込まれており、「山」から吹き下ろす「風」の2つの漢字を合わせると「嵐」の字になるということも同時にいっている。一見単純なようで、実は知性に富む歌である。
This well-known writer lived in the ninth century, and was the father of Asayasu, who composed verse No. 37; he was also Vice-Director of the Imperial Bureau of Fabrics.
The point of this verse lies in the ideographic characters of the original; yama kaze (mountain wind) being written with two characters, which, when combined, from arashi (hurricane), and this, of course, it is quite impossible to reproduce correctly in the translation.
[The picture shows the wind blowing down from the mountain behind the poet and waving his sleeves about.]
文屋康秀 ふんやのやすひで YASUHIDE FUNYA
生没年未詳。朝康(あさやす)《歌037》の父。元慶元(877)年正月、山城大掾(だいじょう)。同3年、縫殿助(ぬいどのすけ)に任じられ、のち三河掾として下る。このころ、小野小町《歌009》とのあいだに歌の贈答があったこが小町の歌の詞書からうかがえる。
技巧の歌にすぐれ、六歌仙の一人。勅撰集には「古今集」に5首、「後撰集」に1首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。








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