2017年2月8日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #016



016
古今・巻八
Kokin(waka)-shu, vol. 8
離別
separation
題知らず──在原行平朝臣
untitled
たち別れ
いなばの山の
峰に生ふる
まつとし聞かば
今帰り来む
たちわかれ
いなばのやまの
みねにおうる
まつとしきかば
いまかえりこん
Tachi wakare
Inaba no yama no
Mine ni ouru
Matsu to shi kikaba
Ima kaeri-komu.
私は今別れて因幡(いなば)の国に行くが、その因幡山の嶺に生える松の名のように、あなた方が「待っている」というのを聞いたなら、すぐに帰ってきましょう
If breezes on Inaba’s peak
Sigh through the old pine tree,
To whisper in my lonely ears
That thou dost pine for me,
Swiftly I’ll fly to thee.
別れがたい気持ちと行く末の不安
国司の任務のため、京から因幡国(現在の鳥取県)に赴任する際に詠んだ離別歌。待っていると聞いたならば、すぐに帰ってくる、と言っているが、実際は任期が終わるまでは、簡単には帰京できないため、威勢のよい誓いの裏側に不安や孤独を感じさせる。
二~四句に「いなばの山の嶺におふるまつ」という歌枕を取り入れることで、かえって「心はここ(京)にある」と訴えているようでもある。
Yukihira Ariwana was the Governor of the Province of Inaba, and half-brother of the writer of the nest verse; he died in the year 893, aged 75.
The word matsu in the original may mean ‘a pine tree’, but it may also men ‘waiting and longing for’. This is an instance of a ‘pivot-word’, imitated to certain extent in the translation, although in English we have to employ the word twice over, while it only appears once in the Japanese.
[The illustration shows the pine tree on the mountain, and the poet standing undrer it with two attendants.]
中納言行平 ちゅうなごんゆきひら THE IMPERIAL ADVISER YUKIHIRA
818893年。平城(へいぜい)天皇の皇子。弾正尹四品阿保親王(だんじょうのいんあぼうしんのう)の第2子。在原業平の異母兄。天長3(826)年業平とともに在原姓を賜わり、臣籍に降る。文徳天皇の斉衡(さいこう)2(855)年正月に従四位に叙せられ、因幡守に任ぜられて京をたつ。元慶6(882)年に中納言に任ぜられ、民部卿もかねたが、76歳で没。
「在民部卿家歌合」(885)は現存最古の歌合であり、この人の家で催されたものの集である。勅撰集には「古今集」「後撰集」「玉葉集」などに11首入首。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






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