2017年5月14日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #057


057
新古今・巻十六
Shin-Kokin(waka)-shu, vol.16
other
はやくより童友(わらはとも)だちに侍りける人のとしごろへてゆきあひたるほのかにて七月十日のころ月にきほひ(競い)てかへり侍りければ──紫式部
when a friend from childhood has come after a long absence and rushed back like competing with the moon on around July 10th
めぐり逢ひて
見しやそれとも
分かぬ間に
雲隠れにし
夜半の月かな
めぐりあいて
みしやそれとも
わかぬまに
くもがくれにし
よわのつきかな
Meguri-aite
Mishi ya sore tomo
Wakanu ma ni
Kumo gakure nishi
Yowa no tsuki kana.
久しぶりにめぐりあって、その人かどうか見分けもつかないうちに、雲隠れした真夜中の月のように、たちまち去っていってしまったことだ
I wandered froth this moonlight night,
And some one hurried by;
But who it was I could not see,
Clouds driving o’er the sky
Obscured the moon on high.
あわただしく去っていった友を名残惜しむ
幼なじみとの久しぶりの再会もつかの間、まるで雲が月を隠すような早さで、友達は帰ってしまったと、残念に思っている。「見しやそれともわかぬまに」という誇張した表現が、楽しい時ほど早く過ぎてしまうことを物語っているようだ。
この歌は詞書に旧友との再会という説明があって、はじめて主題が明らかになる歌で、その意味では物語的要素が強い一首といえる。百人一首にはこのような説話を伴った歌が多く見られるが、紫式部に関してはとくに物語文学の頂点である『源氏物語』の作者という点を意識しての撰歌であろうか。
『源氏物語』は和歌の世界にも影響を与えた。平安時代の歌人には、和歌の手引書のようにも読まれ、藤原俊成(ふじわらしゅんぜい)は歌合の判詞の中で「源氏見ざる歌よみは遺恨のことなり」といったほどである。百人一首の中にも、『源氏物語』を背後にうかがわせる歌が多数ある。
This lady lost her mother when very young, and her father, the minister Toyonari Fujiwara, married again. Her skill at composing verses caused her stepmother to become jealous, and the latter treated her with great cruelty. She married Nobutaka, a nobleman, and the following verse was written by her daughter. She is famous in Japanese literature as the authoress of Genji Monogatari, a historical work in fifty-four sections, which she wrote in the monastery of Ishiyama, near Kyoto. She was one night taking a moonlight stroll on her verandah and caught sight of her lover; but, though she barely recognized him, the Kokinshiu, from which the verse is taken, adds that you are to understand that her reputation was over-shadowed from that moment, like the moon behind the clouds. She died in the year 992.
Sore tomo can mean either ‘though I glanced at him’, or else (wakanu, I did not recognize) ‘that friend’.
紫式部 むらさきしきぶ MURASAKI SHIKIBU
970から978頃に生まれ、1016ころ没。藤原為時(ためとき)の娘。藤原宣孝(のぶたか)の妻となる。大弐三位《歌058》の母。中宮彰子(しょうし)に仕えた。
不朽の大河小説「源氏物語」は、夫と死別してから書きはじめたもの。はじめ藤式部とよばれていたが、宮中(紫の上)のことを描いたので、紫式部と称されるようになったといわれる。
「紫式部日記」と「紫式部集」という家集があり、中古36歌仙の一人。勅撰歌は「後拾遺集」などに58首ある。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年5月13日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #056



056
後拾遺・巻十三
Go-shui(waka)-shu, vol.13
love
心地例ならず侍ける比(ころ)人のもとにつかはしける──和泉式部
sending to a man when dying by ill
あらざらむ
この世のほかの
思ひ出に
今ひとたびの
逢ふこともがな
あらざらむ
このよのほかの
おもいでに
いまひとたびの
あうこともがな
Arazaramu
Kono yo no hoka no
Omoide ni
Ima hito tabi no
Au koto mo gana.
私はまもなく死んでこの世を去るでしょう。あの世への思い出に、せめてもう一度だけでもあなたにお逢いしたいものです。
My life is drawing to a close,
I cannot longer stay,
A pleasant memory of thee
I fain would take away;
So visit me, I pray.
あの世で思い出すために最後の逢瀬を
病に伏せて死を覚悟したとき、せめてもう一度愛する人に逢いたいと願う切実な心情が素直に表現されている。最愛の人との最期の逢瀬を胸にあの世へ旅立ちたいという発想は、恋に生きた和泉式部の人生そのものを象徴するかのような一首である。
作者の抒情豊かな作風は後世へ多大な影響を与えた。この歌の「あらざらむこの世のほかの」という表現も独特の世界観をよく表している。
This lady was the daughter of Masamine Oye, and the wife of Michisada Tachibana, Governor of the Province of Izumi, hence her name; and also was the mother of the author of verse No. 60. She lived about the latter end of the tenth century, and was one of the lady poets who gave distinction to that period. The verse was addressed to her husband or lover just before her death, [and in the illustration we see her on her deathbed, with two servants in the foreground.]
和泉式部 いずみしきぶ IZUMI SHIKIBU
本名は弁内侍(べんのないじ)(生没年未詳)。康保3(966)以後の生まれ。越前守大江雅致(えちぜんのかみおおえまさむね)の娘で、和泉守橘道貞(たちばなのみちさだ)の妻となる。小式部内侍《歌060》を産む。夫と死別後、冷泉(れいぜい)天皇の皇子弾正宮為尊(だんじょうのみやためたか・ためやす)、その弟の帥宮敦道(そちのみやあつみち)に愛され、この二親王との恋愛を記したのが「和泉式部日記」である。両親王没後は中宮彰子(しょうし)に仕える。さらに藤原保昌(ふじわらのやすまさ)と結婚し、丹後に下った。
中古36歌仙の一人で「和泉式部集」がある。勅撰歌は「拾遺集」などに238首。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』


動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月8日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #055


055
拾遺・巻八
Shui(waka)-shu, vol.8
other
大覚寺に人々あまたまかりたりけるにふるきたきをよみ侍ける──右衛門督公任
looking at an old waterfall when many people visited Daikaku-ji Temple
滝の音は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞えけれ
たきのおとは
たえてひさしく
なりぬれど
なこそながれて
なおきこえけれ
Taki no oto wa
Taete hisashiku
Narinuredo
Na koso nagarete
Nao kikoe kere.
滝の水は絶え、水音が聞かれなくなってから長い月日が経ったけれど、その名声だけは今に流れ伝わって、聞こえてくることだ
This waterfall’s melodious voice
Was famed both far and near;
Although it long has ceased to flow,
Yet still with memory’s ear
Its gentle splash I hear.
華やかな宮廷の面影を追う
かつて嵯峨(さが)天皇の離宮であった、京都の大覚寺(だいかくじ)を遊覧した際に、庭の滝殿を見て詠んだものである。公任の時代には水は枯れていたが、滝殿に水があふれていたかつての栄えた姿を思い描き、名声は今の世にも伝わっているとする。「な」音を重ねた流暢な調べのなかに、「滝」「絶え」「流れ」「聞こえ」と多数の縁語を盛り込み、一流歌人らしい技巧に優れた歌になっている。
The poet was the father of the writer of verse No. 64, and was a member of the Fujiwara family at the zenith of their power, he was a great statesman and scholar, and died in the year 1041. The verse was written in praise of a waterfall that had been made by the orders of the Emperor Saga early in the ninth century, but which had by this time ceased to exist; [and the illustration well shows the watercourse now run dry.]
大納言公任 だいなごんきんとう THE FIRST ADVISER OF STATE KINTO
藤原公任(9661041)。頼忠(よりただ)の長男で、定頼(さだより)《歌064》の父。蔵人頭、中納言、大納言とすすむ。学、詩歌、管絃に秀で、能書家。『金玉集』『三十六人撰』『新撰髄脳(しんせんずいのう)』など著書も多く、「北山抄」「和漢朗詠集」を編集。「拾遺集」の撰者でもあり、家集に「前大納言公任集」がある。中古36歌仙の一人で「拾遺集」などに92首入首。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月7日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #054


054
新古今・巻十三
Shin-Kokin(waka)-shu, vol.13
love
中関白かよひそめ侍(はべ)りけるころ──儀同三司女
when the husband started to come to the woman
忘れじの
行末までは
難ければ
今日を限りの
命ともがな
わすれじの
ゆくすえまえは
かたければ
きょうをかぎりの
いのちともがな
Wasureji no
Yukusue made wa
Katakereba
Kyo o kagiri no
Inochi tomo gana.
いつまでも私のことを忘れはしないというその言葉も、遠い将来までは頼みにし難いので、そういってくださった今日を最後として、いっそ死んでしまいたいものです
How difficult it is for men
Not to forget the past!
I fear my husband’s love for me
Is disappearing fast;
This day must be my last.
永遠の幸せを願うゆえに死を望む
幸福の絶頂にある今を永遠とするために、いっそ死んでしまいたいという逆説的な女心を歌う。男性をひたすら待つ身であった平安の女性の痛切な心情を見事に表している。恋愛においての約束は往々にして破られるものである。
後に夫となる藤原道隆(ふじわらのみちたか)との恋愛が始まったころの作で、作者は正妻として伊周(これちか)、隆家(たかいえ)、定子(ていし)ら数人の子どもをもうけた。
The real name of his lady was Taka, and her son’s name was Korechika Fujiwara. She lived about A.D. 1004, and it is supposed that this verse was written in a fit of jealousy against her husband; [she is shown in the picture all alone at home bewailing her lot.]
儀同三司母 ぎどうさんしのはは THE MOTHER OF THE MINISTER OF STATE
生年未詳。儀同三司とは官名(太政大臣、左大臣、右大臣と同じ)。准大臣(じゅんだいじん)藤原伊周(これちか)の母、従三位貴子(じゅうさんみたかこ)。円融(えんゆう)院に仕え、高内侍(こうのないし)と呼ばれた。
漢詩文に秀で、中の関白藤原道隆(みちたか)の妻となり、長徳元(995)年に道隆と死別して出家。翌年没。
家集はないが、「拾遺集」などに5首はいっている。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

PHOTO(F): Murasaki_Shikibu_Diary_Emakimono_(Gotoh_Museum)_6.jpg (https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Murasaki_Shikibu_Diary_Emakimono_(Gotoh_Museum)_6.jpg) 紙本著色紫式部日記絵巻(後藤美術館所蔵)
作者 attributed to Fujiwara Nobuzane (illustrations) and Kujō Yoshitsune (calligraphy)
解説
English: The Murasaki Shikibu Diary Emaki (紙本著色紫式部日記絵巻, shihonchoshoku Murasaki Shikibu nikki emaki). This is part of the handscroll located at the Gotoh Museum in Tokyo which consists of three illustrations and three pages of text. Color on paper. The scroll has been designated as National Treasure of Japan in the category paintings. 21.0cm x 48.4cm. Evening of Kankō 5, 11th month, 1st day (December 1, 1008): "Ika-no-iwai" of the Imperial Prince. Drunk and disarranged/confused/disordered court nobles are amused/frolicking/joking/flirting with court ladies. Various facial expressions and appearances giving a life-like impression.
日付 Kamakura period, 13th century
情報源/撮影者 Gotoh Museum (http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/shikibu.html)
このファイルは、パブリックドメインにある平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製したものです。このような複製はアメリカ合衆国においてパブリックドメインとなります。他の地域では再利用に制限がかかる場合があります。詳しくはReuse of PD-Art photographsをご覧ください。美術の著作物としての原図は以下の理由によりパブリックドメインに属します。
この著作物は、著作権の保護期間が著作者の没後100年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。
なぜ、この著作物がアメリカ合衆国でパブリックドメインにあるのかを示すために、アメリカ合衆国のPDタグも併せて使用しなくてはなりません。PD-1923(←おそらくこれに該当すると思われます。該当のタグ表記がなされていないため、独自の判断で載せています。)
このファイルは、著作権法の下での既知の制限 (すべての関連および隣接権を含む) に対して、自由であると認識されています。

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月6日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #053


053
拾遺・巻十四
Shui(waka)-shu, vol.14
love
入道摂政(兼家のこと)まがりたりけるに門(かど)をおそくあけければたちわづらひぬといひて入りて侍(はべり)ければ──右大将道綱母
responding to the husband saying tired of waiting to let in too long when he came too late
歎きつつ
独り寝る夜の
明くる間は
いかに久しき
ものとかは知る
なげきつつ
ひとりぬるよの
あくるまは
いかにひさしき
ものとかはしる
Nageki-tsutsu
Hitori nuru yo no
Akuru ma wa
Ikani hisashiki
Mono to kawa shiru.
あなたがお見えにならず、嘆きながら独り寝する夜の明けるまでの間が、どんなに長いものであるか、あなたはご存じでしょうか。きっとご存じないでしょうね
All through the long and dreary night
I lie awake and moan;
How desolate my chamber feels,
How weary I have grown
Of being left alone!
浮気を糾弾する妻
久しぶりに夫の藤原兼家(ふじわらのかねいえ)が作者を訪れたとき、門をなかなか開けなったところ「待ち疲れた」といったので、詠んだ歌とされている。しかし、作者筆の『蜻蛉(かげろう)日記』によると、夫が別の女のところへ通い始めたのを知った作者が門を開けず、翌朝、しおれた菊とこの歌を贈った、という。
一夫多妻制のこの時代には夫の行動はごくありふれたものだったにちがいないが、断固として抗議する作者のプライドの高さがうかがえる。
This lady was the daughter of Motoyasu Fujiwara, and the wife of the Regent Kaneie; she was famous for her beauty, and lived in the reign of the Emperor Murakami (947-967). It is related, that her husband returned home late one night, and, having to wait a moment or two before she let him in, he angrily reproached her, and she replied with this verse (see illustration).
Yo no akuru ma means ‘until the dawn’, but akuru ma also suggests that he room is empty when he is away.
右大将道綱母 うだいしょうみちつなのはは THE MOTHER OF MICHITSUNA, COMMANDER OF THE RIGHT IMPERIAL GUARDS
937995。伊勢守倫寧(ともやす)の娘。天暦(てんりゃく)8(954)年、藤原兼家の側室となり、道綱を生んだ。
「蜻蛉日記」の作者で、本朝古今三大美人の一人と称された。中古36歌仙の一人で、「道綱母集」がる。「拾遺集」などに勅撰歌37首はいっている。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月1日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #052


052
後拾遺・巻十二
Go-shui(waka)-shu, vol.12
love
女のもとより雪ふり侍(はべり)ける日かえりてつかはしける──藤原道信朝臣
sending to a woman after a meeting on a snowing day
明けぬれば
暮るるものとは
知りながら
なほ恨めしき
朝ぼらけかな
あけぬれば
くるるものとは
しりながら
なおうらめしき
あさぼらけかな
Akenureba
Kururu mono to wa
Shiri nagara
Nao urameshiki
Asaborake kana.
夜が明けると、やがて日が暮れ、そうすればまた逢えるとはわかっているが、やはり恨めしい明け方だなあ
Although I know the gentle night
Will surely follow morn,
Yet, when I’m wakened by the sun,
Turn over, stretch and yawn---
How I detest the dawn!
自然の摂理をも恨む深い愛情
後朝の歌である。夜が明ければまた日が暮れる。あたりまえの自然の摂理だが、やはり別れる明け方は名残惜しく、逢える夜までが遠く感じられるものだ。
詞書(ことばがき)は「女のもとより雪ふり侍(はべり)ける日かえりてつはしける」。これをふまえれば、美しい雪景色が引き立てる逢瀬の余韻とともに、一年でいちばん短い冬の昼の間さえ待てないという思いの強さが伝わってくる。
Michinobu lived in the tenth century.
[He is shown in the illustration with his wife on the verandah, watching the day break.]
藤原道信朝臣 ふじわらのみちのぶあそん THE MINISTER MICHINOBU FUJIWARA
972994。為光(ためみつ)の子で、母は伊尹(これただ・これまさ)《歌045》の娘。『栄花物語』によれば、兼家の養子になるが、その没後、右大臣道兼(みちかね)の養子となった。左近衛中将(さこんえちゅうじょう)にすすんだが、正暦5年、23歳の若さで亡くなった。孝心(こうしん)厚く、正暦3年6月に父為光が没し、その一年の喪を終え、喪服を脱いだとき「限りあれば今はぬぎ捨てつ藤衣果(はて)なきものは涙なりけり」とよんでいる。
中古36歌仙の一人で、「道信朝臣集」があり、「拾遺集」などに勅撰歌49首ある。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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