2017年3月16日木曜日

Missin' You ~it will break my heart~ by Ken Hirai [instrumental]


東日本大震災から6年、早いものですね。
改めて、犠牲となって命を落とされた方々のご冥福ならびにご遺族・ご関係者の皆さんの心の平安を、心よりお祈りいたします。

でも、この世の中、事件・事故・災害・病気が後を断ちませんね。
この動画をすべての亡くなった方へ捧げます。
実はこの動画も病気でこの世を去った友人の追悼用に作ったんですが、震災のことを思い出して、公開予定を早めたんです。

平井堅さんのこの曲も、2001年の米国・ニューヨークでの悲惨なテロ事件のときに感じたことを詞にしたそうです。
(この大惨事ももう16年も前なんですね。)

身近な人や愛するペットの突然の死──、どうしていいかわからなくなってしまうんでしょうね。
幸か不幸か「cocolo supplie ココロさぷり」にはそういう経験がほとんどないので、あまり実感がわかないんですが。
「亡くなった友人のため」とさきほど書きましたが、彼とはたまたま同じ時期に同じ目的で出会ったものの、お互いそれほどよく知らず仕舞いだったので、寂しさは感じますが、深い悲しみにとらわれたわけじゃないんです。

命あるもの、いつかはその生を終える──。
理屈では理解できても、残された方の気持ちはそんなに簡単じゃないのだと思います。
だからといって、いつまでも悲しみにひたっているわけにもいかず、生きていかなければいけない。
だから前向きに歩いていこう。
そういうメッセージが込められているので、この曲を選びました。

歌唱はなしで、オルゴールによる編曲です。
後半の英語詞の部分はメロディラインがカットされているので、詞と曲が合っていません。
ご了承のほど。

使用した写真は、主にAC WORKSさんのものですが、家族・夫婦・友人・同僚・ペットなどを彷彿とさせるものにしました。
これまでの動画をご覧になった方はお気づきかもしれませんが、今まで人物写真は使って来ませんでした。
というのも、人物写真はその状況は一般的なテーマであったとしても、特定の感情なり状況なりを想起しやすいと思ったからなんです。
静物や風景であれば、人それぞれに感じてもらえますが、人物はより身近になるので、その分より強い感情を引き起こしますから。
年を追うごとに写真が色褪せていくイメージで作りました。

以前にも同様のテーマで動画を構成したこともあります。
そちらも併せてご覧ください。
【癒し HEALING】Pray For The Next Stage - the Nampey
⇒ブログ記事「あれから5年……」を読む

趣旨はちょっと違いますが、こちらも関連するかもしれませんね。
【癒し HEALING】Peace Prayer of St. Francis of Assisi(English ver./英語版)
【癒し HEALING】平和を求める祈り アッシジの聖フランチェスコ(日本語版/Japanese ver.)
⇒ブログ記事「見るだけで社会貢献 CONTRIBUTION ONLY BY VIEWING」を読む

皆さんの気持ちが少しでも前向きになりますように。







2017年3月15日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #031


031
古今・巻六
Kokin (waka)-shu, vol.6
やまとのくににまかれりける時に雪のふりけるをみてよめる──坂上是則
watching show fall when he was in Yamato regesion
朝ぼらけ
有明の月と
見るまでに
吉野の里に
降れる白雪
あさぼらけ
ありあけのつきと
みるまでに
よしののさとに
ふれるしらゆき
Asaborake
Ariake no tsuki to
Miru made ni
Yoshino no sato ni
Fureru shira yuki.
朝がほのぼのと明けゆくころ、有明の月が明るいのかと思い間違うほどに、吉野の里に降り積もった白雪であるよ
Surely the morning moon, I thought,
Has bathed the hill in light;
But, no; I see it is the snow
That, falling in the night,
Has made Yoshino white.
浮かび上がる新雪の白
朝の朝に残った月で明るいのか思って外を見やれば、目もくらむような銀世界が一面に広がっている。雪のせいであったか、という軽い驚きが「白雪」という体言止めによって表現されている。
雪の純白を月の光にたとえたものだが、実感のこもった写実的な歌でもある。作者は大和国(奈良県)の掾(じょう)を務めていたことから、吉野は身近な地であったのだろう。
Little is known about this poet, but he is said to have lived some time in the tenth century. Yoshino is a mountain village in the Province of Yamato, famous for its cherry blossoms; at one time it contained the Imperial Summer Palace.
[In the illustration we see the poet looking across the village on the hills all covered with snow.]
坂上是則 さかのうえのこれのり KORENORI SAKA-NO-UYE
生没年未詳。坂上田村麿(たむらまろ)の子孫、好蔭(よしかげ)の子。延長2(924)年従五位下、加賀介にすすむ。
蹴鞠(けまり)の達人で、206度連続蹴ったと伝えられる。
36歌仙の一人で家集「坂上是則集」があり、「古今集」に7首のはか、勅撰集に39首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月13日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #030


030
古今・巻十三
Kokin(waka)-shu, vol.13
love
題知らず──みぶのたゞみね
untitled
有明の
つれなく見えし
別れより
暁ばかり
憂きものはなし
ありあけの
つれなくみえし
わかれより
あかつきばかり
うきものはなし
Ariake no
Tsurenaku mieshi
Wakare yori
Akatsuki bakari
Uki-mono wa nashi
冷ややかな素振りの明け方の月が空にかかっていたあの別れから、私にとって夜明けほどつらいものはありません
I hate the cold unfriendly moon,
That shines at early morn;
And nothing seems so sad and grey,
When I am left forlorn,
As day’s returning dawn.
逢瀬のあとは月さえもつれなく見える
この時代、夜明けは男女の別れの時間であった。日が暮れて女性を訪ねた男性は、日の出以前に女性のもとを去る。その帰り道、空を見上げて有明の月を恨めしく思うのだ。そしてそのときの感情は、たとえその恋が終わりを告げても、有明の月を見るたびに呼び起こされるに違いない。
この歌の解釈は大きくふたつに分かれる。問題は「つれなく」していたのは月か、それとも相手の女性かという点で、『古今集』の配列では、この「有明の~」の歌は、逢わないで別れた歌のなかに位置しており、女性のもとに行ったのに逢ってもらえず、冷たくされたということになる。
一方で、定家は「月」説ととらえていたようで、女性と逢った後、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣く別れたその帰り道に、素知らぬ顔した冷たい月が上がっているのを見てつれなく思った、と浪漫あふれる解釈をしている。
The writer lived to the age of ninety-nine, and died in the year 965. He was, like the composer of the previous verse, one of the compilers of the Kokinshiu, and was also the father of the author of verse No. 41.
[The picture seems to show the poet all alone looking out at the early dawn, but the moon is not visible.]
壬生忠岑 みぶのただみね TADAMINE MIBU
生没年未詳。安綱(やすつな)の子。息子は忠見(ただみ)《歌041》。「古今集」撰者の一人で、36歌仙の一人でもある。身分は藤原定国の随身で、摂津権大目で六位であった。康保(こうほう)2(965)年に98歳で没したという説がある。
家集に「忠岑集」があり、「忠岑十体」の歌論書が有名。勅撰集には「古今集」の35首をはじめ47首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年3月12日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #029


029
古今・巻五
Kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
しらぎくの花をよめる──凡河内躬恒
about white chrysanthemum flowers
心あてに
折らばや折らむ
初霜の
置きまどはせる
白菊の花
こころあてに
おらばやおらん
はつしもの
おきまどわせる
しらぎくのはな
Kokoro-are ni
Orabaya oramu
Hatsu shimo no
Oki madowaseru
Shira giku no hana.
折るならば、あて推量で折ってみようか。一面に降りた初霜が見分けにくくしている白菊の花を
It was a white chrysanthemum
I came to take away;
But, which are colored, which are white,
I’m half afraid to say,
So thick the frost to-day!
早朝の冷えた空気と純白の世界
冬の入口に、初めて降りた霜の白と菊の白を混ぜ合わせて、目もくらむほどの純白の世界が広がっている。早朝のしんと澄み切った空気までもが感じられるようである。
霜にまぎれて白い菊の見分けがつかないというのは、確かに誇張した表現だが、実際の景色を写実的に歌うのでななく、連想や観念的な情緒を重んじたこの時代の傾向をうまくくみ取った象徴的な歌である。真実味に欠けるとしても、初霜の真っ白なすがすがしさを表現する手段としては、この時代独特の妖艶(ようえん)で幻想的な空言(そらごと)だといえるだろう。
Mitsune lived some time in the beginning of the tenth century, and was one of compilers of Odes Ancient and Modern (the Kokinshiu).
[The illustration shows him with a boy in attendance, trying to make up his mind which flower he will pick.]
凡河内躬恒 おおしこうちのみつね MITSUNE OSHI-KOCHI
生没年未詳。寛平6(894)年甲斐権少目(かいのごんしょうさがん)、延喜7(907)年丹後権大目(たんごのごんだいさがん)、同11年に和泉大掾(いづみのだいじょう)にすすみ六位。終生、位の低い国司であったが、歌人としては当時の代表格。
貫之《歌035》、忠岑らとともに「古今集」撰者となり、36歌仙の一人でもある。家集に「躬恒集」があり、勅撰集には194首はいっている。秀歌としては「わが宿の花見がてらに来る人は散りなんのちぞ恋しかるべき」(古今集)、「わが恋はゆくへも知れず果てもなし逢ふを限りと思ふばかりぞ」などが知られている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月7日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #028


028
古今・巻六
Kokin(waka)-shu, vol.6
winter
冬の歌とてよめる──源宗于朝臣
as a verse of winter
山里は
冬ぞさびしさ
まさりける
人目も草も
かれぬと思へば
やまざとは
ふゆぞさびしさ
まさりける
ひとめもくさも
かれぬとおもえば
Yama zato wa
Fuyu zo sabishisa
Masari keru
Hito-me mo kusa mo
Karenu to omoeba
山里は、冬がとくに寂しさがまさって感じられることだ。人が訪ねてこなくなり、草も枯れてしまうと思うので
The mountain village solitude
In winter time I dread;
It seems as if, when friends are gone,
And trees their leaves have shed,
All men and plants are dead.
すべてが静まりかえった寂びの境地
都から離れた山里の冬をしみじみと味わうように表現している。草が枯れる風景と、人目がかれる(人の行き来がなくなる)ことを掛け、墨絵のような描写には寂寞とした雰囲気が漂う。
「山里」は『古今集』のころから使われる歌詞で、中国の隠遁(いんとん)思想が影響しているという。山里をただの寂しい場所としてとらえるのではなく、静寂の趣(寂び)の境地としてみている。
The poet was a grandson of the Emperor Kwoko, and died A.D. The Minamoto family, who sprang from the Emperor Seiwa, who reigned 856-877, was at one time very powerful, and produced many famous men, including Yorimoto, the great founder of the Shogunate. The Taira family and the Minamotos were the Yorks and Lancaters of mediaeval Japan; but, after thirty years of warfare, Yorimoto finally defeated his rivals in a great battle fought at Dan-no-ura, in the Straits of Shimonoseki, in 1185; the entire Taira family was exterminated, including women and children, and the infant Emperor Antoku. The Minamoto clan themselves became extinct in 1219, when Sanetomo was murdered at Kamakura, as related in the note to verse No. 93.
源宗于朝臣 みなもとのむねゆきあそん THE MINISTER MUNEYUKI MINAMOTO
生年未詳。孝光天皇《歌015》第一皇子是忠(これただ)親王の子。右京太夫、正四位。天慶2(939)年没。
36歌仙の一人。「古今集」に6首、「後撰集」に3首、「新勅撰集」などに6首入首。家集に「宗于集」。秀歌に「つれもなくなり行く人の言の葉ぞ秋よりさきの紅葉なりける」「あはずして今宵明けなば春の日のながくや人をつらしと思はん」などがある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月6日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #027


027
新古今・巻十一
Shin-kokin(waka)-shu, vol.11
love
題知らず──中納言兼輔
untitled
みかの原
わきて流るる
泉川
いつ見きとてか
恋しかるらむ
みかのはら
わきてながるる
いずみがわ
いつみきとてか
こいしかるらん
Mika no hara
Wakite nagaruru
Izumi gawa
Itsu miki tote ka
Koishi-karuramu.
瓶原を分けて、湧いて流れる泉川の名ではないが、あなたをいつ見たというので、こんなに恋しいのだろうか
Oh! Rippling River Izumi,
That flows through Mika plain,
Why should the maid I saw but now
And soon shall see again
Torment my love-sick brain?
思いは軽やかな調べに乗って海へ
なによりも流れるような調べが特徴の、覚えやすい歌である。まさに、山からわき出た川が大海へ注ぐその流れに、恋心を乗せて歌っているようだ。
作者は相手と、まだ逢ったことがないのか、それとも一度逢って、その後逢えずにいるのか、解釈が分かれるが、「わきて」に「分きて」が掛かっていることから、なんらかの事情で逢うことができない状態にあることは確かなようだ。
Kanesure was a member of the Fujiwara family; he died in the year 933. The River Izumi is in the Province of Yamashiro.
The word-palys in this verse are---Izumi, in the third line, which is imitated in the next line, and Mika, which is also repeated in the third line. The first three lines of this verse, about the river flowing through the plain, from a ‘preface’, and appear to be inserted merely because itsu miki (when I have seen her) sounds like Izumi.
中納言兼輔 ちゅうなごんかねすけ THE IMPERIAL ADVISER KANESUKE
藤原兼輔(877933)。藤原俊基の六男。左大臣冬嗣(ふゆつぐ)の曽孫。邸が賀茂川ちかくにあったので堤中納言とよばれた。紫式部《歌057》の曽祖父で、定方(さだかた)《歌025》の従兄弟。
「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな」(後撰集)が代表作として知られる。家集に「兼輔集」があり、勅撰集には56首はいっている。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):
木津川.jpg by 吉田宅浪

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月5日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #026


026
拾遺・巻十七
Shui(waka)-shu, vol.17
雑秋
other, autumn
亭子院大井河に御幸ありて行幸もありぬべき所也とおぼせたまふにことのよしそうせんと申て──小一条太政大臣
from words of Retired Emperor Uda saying that (current) Emperor should see this
小倉山
峰のもみぢ葉
心あらば
今ひとたびの
みゆき待たなむ
おぐらやま
みねのもみじば
こころあらば
いまひとたびの
みゆきまたなん
Ogura yama
Mine no momoji-ba
Kokoro araba
Ima hito tabi no
Miyuki matanamu
小倉山の峰のもみじ葉よ、お前に心があるのなら、どうかもう少し、次の行幸まで散らずに待っていてくれないか
The maples of Mount Ogura,
If they could understand,
Would keep their brilliant leaves, until
The Ruler of this land
Pass with his royal band.
もみじの心に訴えかける親心
『大和物語(やまとものがたり)』『大鏡(おおかがみ)』『古今著聞集(こきんちょもんじゅう)』などに御幸(ごこう)の話とともに見える歌である。大揠川(おおいがわ)に御幸された宇多上皇があまりに見事な紅葉を目にして、息子の醍醐(だいご)天皇にも見せたいとおっしゃったことから、お供をしていた藤原忠平(ふじわらのただひら)が、その気持ちを代弁して詠んだという。
紅葉を擬人化して呼びかける手法が温かく、直接的に美しさを褒め称えるよりも、いっそう鮮やかに紅葉の色彩が目の前に浮かぶようである。
小倉山に別荘を構えていたという定家には、これ以降小倉山への行幸が習慣化したという点からも、重要な歌だったのかもしれない。
The above is the posthumous name given to Tadahira Fujiwara, Imperial Chief Minister of State; he died about the year 936. It is related that the Emperor Uda, after his abdication, visited Mount Ogura in Yamashiro province, and was so greatly struck with the autumn tints of the maples, that he ordered Tadahira to invite his son, the Emperor Daigo, to visit the scene; and this verse was the invitation.
[The picture shows the Emperor with his attendants, and the maples all around him.]
貞信公 ていしんこう PRINCE TEISHIN
藤原忠平(880949)。貞信公は諡(おくりな)。関白基経(もとつね)の四男。時平の異母弟で道真と親しかった。延喜14915)年右大臣。摂政、太政大臣を経て天慶4(941)年関白となる。
聴明温厚な人柄で人望があり、藤原氏隆盛のもとをつくった政治家、小一条に邸があったので、小一条太政大臣ともよばれた。
「後撰集」に7首、「拾遺集」に6首入首。わが国古代の法典「延喜格式(えんぎかくしき)」を完成、日記に「貞信公記」がある。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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