2017年1月23日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #009



009
古今・巻二
Kokin(waka)-shu, vol. 2
spring
題知らず──小野小町
untitled
花の色は
移りにけりな
いたづらに
吾身世にふる
ながめせしまに
はなのいろは
うつりにけりな
いたずらに
わがみよにふる
ながめせしまに
Hana no iro wa
Utsuri ni keri na
Itazura ni
Waga mi yo ni furu
Nagame seshi ma ni.
桜の花の色は、はかなくあせてしまったことだなあ。長雨が降りつづく間に。同じように私の容姿も空しく衰えてしまった。もの思いにふけっている間に
The blossom’s tint is washed away
By heavy showers of rain;
My charms, which once I prized so much,
Are also on the wane,
Both bloomed, alas! in vain.
花と美貌の寿命ははかなく短い
絶世の美女と伝えられる小野小町が、花の移ろいに自らの容色の衰えを重ね、嘆いている。
「花」がおもに桜を指すようになったのは『古今集』のころからで、それ以前は圧倒的に梅を指すことが多かった。この歌の場合も必ずしも桜とただし書きがされているわけではないが、盛りを迎える前に雨に打たれ空しく散ってしまう桜のはかないさまが、容姿の変化を嘆く美女を暗示するのにいかにもふさわしく、今日まで桜と解釈されているのにもうなずける。
「長雨」と「眺め」、「降る」と「経(ふ)る」のふたつの掛詞を巧みに使い、女の嘆きを間接的でありながらも、妖艶(ようえん)に表現している。雨の中、散りゆく桜をもの思いにふけりながら眺める小町の姿さえ浮かんできそうだ。
The writer was a famous poetess, who lived A.D. 834-880. She is remembered for her talent, her beauty, her pride, her love of luxury, her frailty, and her miserable old age. The magic of her art is said to have overcome a severe drought, from which the country suffered in the year 866, when prayers to the Gods had proved useless.
The first and last couplets may mean either ‘the blossom’s tint fades way under the continued downpour of rain in the world’, or ‘the beauty of this flower (i.e. herself) is fading away as I grow older and older in this life’; while the third line dividing the two couplets means, that the flower’s tint and her own beauty are alike only vanity. This verse, with its double meaning running throughout, is an excellent example of the characteristic Japanese play upon words.
小野小町 おののこまち KOMACHI ONO
生没年・伝記未詳。出羽国(秋田県)の郡司小野良真(よしざね)の娘で、参議小野篁(たかむら)の孫と伝えられる。平安朝初期の女流歌人の第一人者。「古今集」第2期の歌人である。六歌仙および36歌仙の一人で、晩年は路傍に食を乞い諸国を漂泊したという。「古今集」に12首、勅撰集に62首。家集に「小町集」がある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






2017年1月22日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #008



008
古今・巻十八
Kokin(waka)-shu, vol. 18
other
題知らず──きせん法師
untitled
我庵は
都の辰巳
しかぞすむ
世を宇治山と
人は云ふ也
わがいおは
みやこのたつみ
しかぞすむ
よをうじやまと
ひとはいうなり
Waga io wa
Miyako no tatsumi
Shika zo sumu
Yo o Uji yama to
Hito wa iu nari.
私の草庵は都の東南にあって、そこにこのように心静かに住んでいる。しかし世間の人々はつらい憂き世から離れて住む宇治山だといっているようだ
My home is near the Capital,
My humble cottage bare
Lies south-east on Mount Uji; so
The people all declare
My life’s a ‘Hill of Care’.
隠遁生活を明るく詠んだ僧の歌
世間一般の人々は、私がつらい憂き世から逃れるために宇治山にこもって暮らしているといっているようだけど、わたしはそんなつもりもなく、ただ平穏に過しているだけです、と自由気ままな生活を明るくユーモアたっぷりに詠んだ一首。喜撰法師は経歴がまったく不明な伝説的人物で、この歌から宇治山の僧であったということのみがわかっている。
The priest Kisen lived on Mount Uji, which lies south-east of Kyoto, at this time the Capital. The word uji or ushi means ‘sorrow’; so he says that, as he lives on Mount Sorrow, his friends say his life is ‘a mountain of sorrows’. Notice also the two words yama to in the fourth line, which, if read as one word, form the ancient name of Japan.
[In the picture we see the priest sitting alone in his little hut, his poverty being shown by the patches on the roof.]
喜撰法師 きせんほうし THE PRIEST KISEN
生没年・伝記未詳。六歌仙の一人。「八代集抄」によると、橘奈良麿の一族とあり、また一説には紀名虎(きのなとら)の子ともあり、清和天皇(864876)御出家の法号とも伝えられる。いずれにしても、「古今集」の序に六歌仙の一人とあり、仁明(にんめい)天皇(833894)から宇多天皇(887896)までの人であると思われる。
六歌仙の一人とされているが、喜撰法師作という確かな歌はこの一首だけである。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。








2017年1月17日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #007




007
古今・巻九
Kokin(waka)-shu, vol. 9
travel
もろこし(唐土)にて月を見て詠みける──安倍仲麿
watching the moon in Tang
天の原
ふりさけ見れば
春日なる
三笠の山に
出でし月かも
あまのはら
ふりさけみれば
かすがなる
みかさのやまに
いでしつきかも
Ama no hara
Furisake-mireba
Kasuga naru
Mikasa no yama ni
Ideshi tsuki kamo.
大空を仰げば、はるかに月が出ているが、あの月はかつて故郷の春日にある三笠の山に出ていた月なのかなあ
While gazing up into the sky,
My thoughts have wandered far;
Methinks I see the rising moon
Above Mount Mikasa
At far-off Kasuga.
月に思いを寄せながら大海原を漂う
この歌はかつて遣唐留学生として唐に派遣されていた安倍仲麿が、帰国の途中に月を眺め、望郷の思いを詠んだ歌とされる。
空に輝く月を眺めながら、心の内では故郷の三笠山に出ていた月を重ねて懐かしみ、生涯帰国することのなかった仲麿の無念の思いまでも伝わってくるようである。
帰郷に際して詠まれたとされるこの歌がどのようにして伝わったのかは不明だが、古今調の作風から、何物かが仲麿の漢詩を翻案したものなのではないかとの説がある。その有力候補が紀貫之(きのつらゆき)《歌035》である。その根拠とまでは言えないが、著書『土佐日記』のなかにはこの歌の初句を「青海原」と変えた歌が見える。
The poet, when sixteen years of age, was sent with two others to China, to discover the secret of the Chinese calendar, and on the night before sailing for home his friends gave him a farewell banquet. It was a beautiful moonlight night, and after dinner he composed this verse. Another account, however, says that the Emperor of China, becoming suspicious, caused him to be invited to a dinner at the top of a high pagoda, and then had the stairs removed, in order that he might be left to die of hunger. Nakamaro is said to have bitten his hand and written this verse with his blood, after which he appears to have escaped and fled to Annam. Kasuga, pronounced Kasunga, is a famous temple at the foot of Mount Mikasa, near Nara, the poet’s home; the verse was written in the year 726, and the author died in 780.
安倍仲麿 あべのなかまろ NAKAMORO ABE
仲麻呂とも。701~770年。中務大輔船守(なかつかさのだゆうふなもり)の子。養老元(717)年3月、吉備真備らと唐に渡る。唐名は朝衡(朝晃・ちょうこう)。左補闕(さほけつ)として玄宗(唐朝)に仕え、詩人の李白・王維・儲光儀らと親交。粛宗、代宗にも仕え安南都護もつとめた。在唐35年。天平勝宝3(753)年、遣唐使の藤原清河らと同行帰国しようとしたが遭難、ふたたび唐朝に仕え、宝亀元年正月、唐土に没した。
「古今集」に一首、「続拾遺集」に一首はいっている。


古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






2017年1月16日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #006



006
新古今・巻六
Shin-kokin(waka)-shu, vol. 6
winter
題知らず──中納言家持
untitled
鵲の
渡せる橋に
置く霜の
白きを見れば
夜ぞ更けにける
かささぎの
わたせるはしに
おくしもの
しろきをみれば
よぞふけにける
Kasasagi no
Wataseru hashi ni
Oku shimo no
Shiroki o mireba
Yo zo fuke ni keru.
かささぎが天の川に渡すという橋に、白く霜が下りたようになっているのを見ると、天上の夜もすっかり更けてしまったのだなあ
When on the Magpies’ Bridge I see
The Hoar-frost King has cast
His sparkling mantle, well I know
The night is nearly past,
Daylight approaches fast
七夕伝説を用いた幻想的な一首
闇夜の黒と霜の白という色彩の対照に七夕伝説を合わせたロマンティックな一首。
解釈にはふたつの説がある。ひとつはかささぎが羽を重ねて渡した橋を宮中の御階(みはし)にたとえて、地上の夜更けを歌っているという説。もうひとつは夜空を見上げて、地上と同じように天上の夜も更けたのだなあと歌っているという説である。いずれにしろ、幻想的な雰囲気と深閑とした冬の寒さが伝わってくる、優れた作品である。
The author of this verse was Governor of the Province of Koshu, and Viceroy of the more or less uncivilized northern and eastern parts of Japan; he died A.D. 785. There was a brigde or passageway in the Imperial Palace at Kyoto called the Magpies’ Bridge, but there is also an allusion here to the old Weaver ‘ the star Vega) was a maiden, who dwelt on one side of the River of the Milky Way, and who was employed in making clothes for the Gods. But one day the Sun took pity upon her, and gave her in marriage to the Herdboy (the star Aquila), who lived on the other side of the river. But as the result of this was that the supply of clothes fell short, she was only permitted to visit her husband once a year, viz. on the seventh night of the seventh month; and on this night, it is said, the magpies in a dense flock from a bridge for her across the river. The hoar frost forms just before day breaks.
[The illustration shows the Herdboy crossing on the Bridge of Magpies to his bride.]
中納言家持 ちゅうなごんやかもち THE IMPERIAL ADVISER YAKAMOCHI
大友家持。716年~785年。従二位大納言旅人(たびと)の子。奈良時代末期の貴族。天平18(746)年に越中守となり、因幡守(いなばのかみ)、薩摩守(さつまのかみ)、東宮太夫などの任を経て、延暦2(783)年中納言。同4年没。70歳(「公卿補任(くぎょうぶにん)」には57歳とあり、68歳という説もある)。
「万葉集」第4期の歌人で、奈良時代末期の代表的歌人。「万葉集」の撰にも関係したとみられ、「万葉集」中で歌数がいちばん多く、短歌392、長歌45、連歌1、詩1。36歌仙の一人。「拾遺集」などの勅撰集に62首はいっている。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






2017年1月14日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #005


005
古今・巻四
Kokin(waka)-shu, vol. 4
autumn
これさだのみこ(是定の皇子)の家の歌合(うたあわせ)のうた──詠人知らず
at a competition at the house of Prince Koresada (author unknown)
奥山に
紅葉踏み分け
啼く鹿の
聲きく時ぞ
秋は悲しき
おくやまに
もみじふみわけ
なくしかの
こえきくときぞ
あきはかなしき
Oku yama ni
Momiji fumi wake
Naku shika no
Koe kiku toki zo
Aki wa kanashiki.
奥深い山で、散り敷いた紅葉の葉を踏み分けて鳴く鹿の声を耳にするときこそ、秋はとりわけ悲しい季節だと感じられることだ
I hear the stag’s pathetic call
Far up the mountain side,
While tramping o’er the maple leaves
Wind-scattered far and wide
This sad, sad autumn tide.
◆鹿が踏んでいる落ち葉は、楓か萩か
一面に散り敷いた紅葉の景色と物悲しく響く鹿の声が重なって晩秋の寂しさが伝わってくる。花札の図を連想させるこの歌も、百人一首のなかで広く親しまれているもののひとつである。
実は、この「もみじ」が楓(かえで)ではなかったのではないかという説がある。『新撰万葉集』に「黄葉」と記されていること、また、『古今集』でも「秋上」の萩(はぎ)の歌の中に置かれていることから、もともとははぎの黄葉を歌ったもので、仲秋のころの歌であるというのだ。百人一首の撰者である定家がこの事実を知らないとは考えられず、『八代抄』に選ぶときに意識的に配列を晩秋の秋下に、もみじを萩からより鮮やかな楓に変えたものと見られている。
定家のこの手法により、「奥山に」の歌は、燃えるような紅葉が秋の終わりを告げ、哀愁を漂わす名歌として知られるようになった。
Very little is known of this writer, but he probably lived not later tan A.D. 800. Stags and the crimson leaves of the maple are frequently used symbolically of autumn.
猿丸太夫
さるまるだゆう
SARU MARU, A SHINTO OFFICIAL
生没年・伝記未詳。36歌仙の一人。「三十六歌仙伝」には元慶(げんきょう)年間(877~885)ころの人とあるが不明。この歌は読人知らずで、猿丸太夫の作というのは誤りである。勅撰集には一首もはいっていない。
太夫(大夫とも)は「たいふ」「たゆう」と読む説もある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






2017年1月12日木曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #004


004
新古今・巻六
Shin-kokin(waka)-shu, vol. 6
winter
題しらず──赤人
untitled
田子の浦に
打出でて見れば
白妙の
富士の高嶺に
雪は降りつつ
たごのうらに
うちいでてみれば
しろたえの
ふじのたかねに
ゆきはふりつつ
Tago no ura ni
Uchi-idete mireba
Shirotae no
Fuji no takane ni
Yuki wa furi-tsutsu
田子の浦の浜に出て、遠方を見上げると真っ白い富士の高嶺に今も雪が降り続いていることだ
I started off along the shore,
The sea shore at Tago,
And saw the white and glist’ning peak
Of Fuji all aglow
Through falling flakes of snow.
富士山の荘厳さをイメージの中で表現する
百人一首のなかでもとくに知名度の高いこの歌は、雄大な景色を詠った叙景歌である。海から山を見上げた視点の移動が、遠くたたずむ富士の荘厳さを見事に表現している。
原歌は「田子の浦ゆうち出てみれば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」という『万葉集』に見られるものだが、こちらは百人一首のものと比べると力強く、目の前に広がる風景をそのまま歌っている(実景歌)。
一方で、百人一首は結句「ける」を反復・継続の助動詞「つつ」として、はるか遠方の富士に今雪が降っているという状況を表したため、実際には見ることのできないものを詠んでいるとして、元来、原歌の評価のほうが高かった。しかし、この歌が語調の美しい幻想的な叙景歌として、余情を大事にする平安時代の歌人たちにより好まれたことも納得できる秀歌である。
Akahito Yamabe lived about A.D. 700, and was one of the greatest of the early poets; he was contemporary with Kaki-no-Moto, the writer of the previous verse, and like him was deified as a God of Poetry. Tago is a seasile place in the Province of Izu, famous for its beautiful view of Mount Fuji.
山部赤人
やまべのあかひと
AKAHITO YAMABE
生没年未詳。奈良朝の初期、元明(げんめい)・元正(げんしょう)・聖武(しょうむ)の御代のころ(人麿と同時代から聖武帝の天平年間まで生存したと伝えられる)に朝廷に仕えた官吏で、人麿と同じく宮廷歌人の一人。紀伊や吉野、駿河、下総などを旅している。
自然を客観的に描写した歌が多く、官位は低かったが、人麿とともに“山柿(さんし)の門”と称され歌聖といわれた。「万葉集」には長歌13首、短歌37首あり、勅撰集には49首はいっている。「万葉集」第3期の歌人。
「山辺」とも書く。


新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)
鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。








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