2017年1月14日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #005


005
古今・巻四
Kokin(waka)-shu, vol. 4
autumn
これさだのみこ(是定の皇子)の家の歌合(うたあわせ)のうた──詠人知らず
at a competition at the house of Prince Koresada (author unknown)
奥山に
紅葉踏み分け
啼く鹿の
聲きく時ぞ
秋は悲しき
おくやまに
もみじふみわけ
なくしかの
こえきくときぞ
あきはかなしき
Oku yama ni
Momiji fumi wake
Naku shika no
Koe kiku toki zo
Aki wa kanashiki.
奥深い山で、散り敷いた紅葉の葉を踏み分けて鳴く鹿の声を耳にするときこそ、秋はとりわけ悲しい季節だと感じられることだ
I hear the stag’s pathetic call
Far up the mountain side,
While tramping o’er the maple leaves
Wind-scattered far and wide
This sad, sad autumn tide.
◆鹿が踏んでいる落ち葉は、楓か萩か
一面に散り敷いた紅葉の景色と物悲しく響く鹿の声が重なって晩秋の寂しさが伝わってくる。花札の図を連想させるこの歌も、百人一首のなかで広く親しまれているもののひとつである。
実は、この「もみじ」が楓(かえで)ではなかったのではないかという説がある。『新撰万葉集』に「黄葉」と記されていること、また、『古今集』でも「秋上」の萩(はぎ)の歌の中に置かれていることから、もともとははぎの黄葉を歌ったもので、仲秋のころの歌であるというのだ。百人一首の撰者である定家がこの事実を知らないとは考えられず、『八代抄』に選ぶときに意識的に配列を晩秋の秋下に、もみじを萩からより鮮やかな楓に変えたものと見られている。
定家のこの手法により、「奥山に」の歌は、燃えるような紅葉が秋の終わりを告げ、哀愁を漂わす名歌として知られるようになった。
Very little is known of this writer, but he probably lived not later tan A.D. 800. Stags and the crimson leaves of the maple are frequently used symbolically of autumn.
猿丸太夫
さるまるだゆう
SARU MARU, A SHINTO OFFICIAL
生没年・伝記未詳。36歌仙の一人。「三十六歌仙伝」には元慶(げんきょう)年間(877~885)ころの人とあるが不明。この歌は読人知らずで、猿丸太夫の作というのは誤りである。勅撰集には一首もはいっていない。
太夫(大夫とも)は「たいふ」「たゆう」と読む説もある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






2017年1月12日木曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #004


004
新古今・巻六
Shin-kokin(waka)-shu, vol. 6
winter
題しらず──赤人
untitled
田子の浦に
打出でて見れば
白妙の
富士の高嶺に
雪は降りつつ
たごのうらに
うちいでてみれば
しろたえの
ふじのたかねに
ゆきはふりつつ
Tago no ura ni
Uchi-idete mireba
Shirotae no
Fuji no takane ni
Yuki wa furi-tsutsu
田子の浦の浜に出て、遠方を見上げると真っ白い富士の高嶺に今も雪が降り続いていることだ
I started off along the shore,
The sea shore at Tago,
And saw the white and glist’ning peak
Of Fuji all aglow
Through falling flakes of snow.
富士山の荘厳さをイメージの中で表現する
百人一首のなかでもとくに知名度の高いこの歌は、雄大な景色を詠った叙景歌である。海から山を見上げた視点の移動が、遠くたたずむ富士の荘厳さを見事に表現している。
原歌は「田子の浦ゆうち出てみれば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」という『万葉集』に見られるものだが、こちらは百人一首のものと比べると力強く、目の前に広がる風景をそのまま歌っている(実景歌)。
一方で、百人一首は結句「ける」を反復・継続の助動詞「つつ」として、はるか遠方の富士に今雪が降っているという状況を表したため、実際には見ることのできないものを詠んでいるとして、元来、原歌の評価のほうが高かった。しかし、この歌が語調の美しい幻想的な叙景歌として、余情を大事にする平安時代の歌人たちにより好まれたことも納得できる秀歌である。
Akahito Yamabe lived about A.D. 700, and was one of the greatest of the early poets; he was contemporary with Kaki-no-Moto, the writer of the previous verse, and like him was deified as a God of Poetry. Tago is a seasile place in the Province of Izu, famous for its beautiful view of Mount Fuji.
山部赤人
やまべのあかひと
AKAHITO YAMABE
生没年未詳。奈良朝の初期、元明(げんめい)・元正(げんしょう)・聖武(しょうむ)の御代のころ(人麿と同時代から聖武帝の天平年間まで生存したと伝えられる)に朝廷に仕えた官吏で、人麿と同じく宮廷歌人の一人。紀伊や吉野、駿河、下総などを旅している。
自然を客観的に描写した歌が多く、官位は低かったが、人麿とともに“山柿(さんし)の門”と称され歌聖といわれた。「万葉集」には長歌13首、短歌37首あり、勅撰集には49首はいっている。「万葉集」第3期の歌人。
「山辺」とも書く。


新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)
鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。








2017年1月11日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #003


003
拾遺・巻十三
Shui(waka)-shu, vol. 13
love
題知らず──人まろ
untitled
足引の
山鳥の尾の
しだり尾の
ながながし夜を
独かも寝む
あしびきの
やまどりのおの
しだりおの
ながながしよを
ひとりかもねむ
Ashibiki no
Yamadori no o no
Shidario no
Naga-nagashi yo o
Hitori ka mo nemu.
山鳥の長く垂れ下がった尾のような、長い長いこの秋の夜を私はひとり寂しく寝るのかなあ
Long is the mountain pheasant’s tail
That curves down in its flight;
But longer still, it seems to me,
Left in my lonely plight,
Is this unending night.
秋の夜長に孤独をつのらせながらひとり眠る
初句の枕詞「あしびきの」から三句の「しだり尾の」までが序詞となって秋の夜の長さを強調し、ひとり寝の寂しさをいっそう際立たせている。
山鳥はキジ科の鳥で、雄は長い尾を持つ。また、夜は雄と雌が離れて眠るにつくことから、ひとり寝の寂しさや恋しさを表現するとして多くの歌に詠まれている。ひとり寝を嘆く歌は男を待つ女の立場から歌ったものが多いが、この場合は「しだり尾」から雄=男性の悲哀を詠んだものと思われる。
「の」の音を4回も重ねることで流れるような調べをつくった余情豊かな歌だが、実際に人麿の作かどうかは定かでない。しかし、定家はこの歌を高く評価し、中世以降は人麿の代表作として定着したようだ。《歌091》の後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん・藤原良経・ふじわらよしつね)の歌でも本歌取りされている。
The writer was a foundling, picked up and adopted by Abaye at the foot of a persimmon tree, which is in Japanese kaki, from which he got his name. He was an attendant on the Emperor Mommu, who reigned A.D. 697-707, and was one of the great poets of the early days of Japan; he is known as the rival of Akahito Yamabe (see next verse), and after death was deified as a God of Poetry. There is a temple erected in his honor at Ichi-no-Moto, and another at Akashi, not far from Kobe; he died in the year 737.
In the fourth line nagashi may be taken as the adjective ‘long’, or the verb ‘to drift along’; and yo may mean either ‘night’ or ‘life’; so that this line, which I have taken as as ‘long, long is the night’, may also mean ‘my life is drifting, drifting along’. Yamadori (pheasant) is literally ‘mountain bird’, and ashibiki is a pillow-word for mountain, which is itself the first half of the word for pheasant.
柿本人麿
かきのもとのひとまろ
THE NOBLEMAN KAKI-NO-MOTO
生没年未詳。持統天皇の御代のはじめに石見国(いわみのくに)から上洛して持統、文武(683~707)両朝に仕え、文武天皇の御代の末に石見国の役人となって赴任。709、710年ころ、任地で没したと伝えられる。
「万葉集」第2期の代表的歌人で、歌聖といわれる。勅撰集には240数首はいっている。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):
Syrmaticus soemmerringii.JPG by Alpsdake

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まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年1月10日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #002


002
新古今・巻三
Shin-kokin(waka)-shu, vol. 3
summer
題知らず──持統天皇御歌
untitled
春過ぎて
夏来にけらし
白妙の
衣干すてふ
天の香具山
はるすぎて
なつきにけらし
しろたえの
ころもほすちょう
あまのかぐやま
Haru sugite
Natsu ki ni kerashi
Shirotae no
Koromo hosu teu
Ama-no-kagu yama
春が過ぎて夏が来たらしい。昔から夏に白い着物を干すと言われている天の香具山に、純白の着物が干されていることよ
The spring has gone, the summer’s come,
And I can just descry
The Peak of Ama-no-kagu,
Where angels of the sky
Spread their white robes to dry.
雄大な景色に夏の到来を感じる
春から夏に移ろう季節を山の緑と衣の白という色の対比で鮮やかに歌った一首である。『新古今集』では夏歌の巻頭に置かれ、立夏の歌として解釈されている。
原歌は『万葉集』の「春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の衣干したり天(あま)の香具山」である。比べると二句の「夏来るらし」が「夏来にけらし」に、四句の「衣干したり」が「衣干すてふ」に変わっている。これは、万葉の歌を平安時代に読み下す際に「夏来良之」と「衣乾有」の読み方が統一されていなかったためで、意図的に改訂されたのではないようだ。
定家は調べの美しい『新古今集』のかたちをそのままとっているが、意味の上では、「衣ほすてふ」とすることで、万葉の時代には目前に実景としてあった衣が平安の時代には甘檮(あまかし)明神が人の嘘を見抜くために神水にぬらした衣を干すという香具山の伝説を連想させる、より複雑なつくりとなっている。
The Emperor Jito reigned A.D. 690-696, during which time sake was first made and drunk in Japan; she was the daughter of the Emperor Tenji, the writer of the previous verse, and she married the Emperor Temmu, ascending the throne herself on his death. The poem refers to a snow-capped mountain just visible on the horizon. One of the No dramas relates, that an angel once came to a pine forest on the coast near Okitsu, and, hanging her feather mentle on a pine tree, climbed a neighboring mountain to view Mount Fuji; a fisherman, however, fond the robe and was about to carry it off with him, when the angel reappeared and begged him to give it her, as without it she could not return to the moon where she lived. He only consented to do so, however, on condition that she would dance for him; and this she accordingly did, draped in her feathery robe on the sandy beach under the shade of the pine trees; after which she floated heavenward, and was lost to view.
持統天皇
じとうてんのう
THE EMPEROR JITO
645年~702年。第41代天皇。天智天皇《歌001》の第2皇女。天武天皇の皇后。天武天皇崩御のあとをうけて即位。都を藤原宮にうつす。在位12年(686697)。
天武天皇崩御を悼(いた)んでの挽歌(ばんか)が知られている(万葉集159160261)。勅撰集に8首。この時代は柿本人麿(かきのもとのひとまろ)や高市黒人(たけちのくろひと)などすぐれた歌人がでて、万葉歌風の最盛期である。



新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):
Kaguyama-mt.jpg by terumasa

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。









2017年1月9日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #001


001
後撰集・巻十
Gosen(waka)-shu, vol. 10
autumn
題知らず──天智天皇御製
untitled
秋の田の
かりほの庵の
苫をあらみ
わが衣手は
露に濡れつつ
あきのたの
かりほのいおの
とまをあらみ
わがころもでは
つゆにぬれつつ
Aki no ta no
Kariho no io no
Toma o arami
Waga koromode wa
Tsuyu ni nure-tsutsu
秋の他のかたわらにある仮小屋は、草を粗く編んで葺(ふ)いた簡素なものなので、そこで番をする私の袖は夜露に濡れつづけていることだ
Out in the fields this autumn day
They’re busy reaping grain;
I sought for shelter ‘neath this roof,
But fear I sought in vain,
My sleeve is wet with rain.
農民の辛苦を詠んだ慈悲深い歌
夜を徹して田の番をする農民の着物の袖を、露がしめらせている。感情表現をおさえた詠みで、わびしい秋の静けさをしみじみと味わっている姿が目に浮かぶようだ。この歌は天皇が農作業に携わる農民のつらさに心を寄せて詠んだものとして解釈されているが、実際は天智天皇の作ではない。『万葉集』に見える「秋田刈る仮慮(かりいほ)を作り我が居れば衣手寒く露ぞ置きにける」というよみ人知らずの歌がいつしかかたちを変えて伝わったという説が有力で、『後撰集』に「題知らず 天智天皇御製」として選ばれたことから、以後天皇の歌とされてきた。
百人一首を編纂した藤原定家(ふじわらのていか)は、日記『明月記』で「古来の人の歌各一首、天智天皇より以来、家隆雅経(いえたかまさつね)に及ぶ」と書いており、天智天皇の歌を最初にもってくることを決めていたようだ。天智天皇は桓武(かんむ)天皇以降、平安時代の天皇の祖であり、平安の人々に敬愛された帝であった。定家も天智天皇に敬意を払い、この歌を巻頭に据えたのだろう。
The Emperor Tenji reigned from A.D. 668 to 671, his capital was Otsu, not far from Kyoto, and he is chiefly remembered for his kindness and benevolence. It is related, that one day he was caring birds away, while the harvesters were gathering in the crop, and, when a shower of rain came on, he took shelter in a neighboring hut; it was, however, thatched only with coarse rushes, which did not afford him much protection, and this is the incident on which the verse if founded.
[The picture shows the harvesters hard at work in the field, and the hut where the Emperor took shelter.]
天智天皇
てんじてんのう
THE EMPEROR TENJI
627年~671年。38代舒明天皇の息子。母は皇極天皇。持統天皇《歌002》の父。在位4年(ただしその前に6年間政事を治めたので実際は在位10年)。帝位につく前は葛城皇子(かつらぎのおうじ)、のちに中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)という。中臣鎌足(なかとみのかまたり=藤原鎌足)らとともに、蘇我入鹿(そがのいるか)を討滅し、大化の改新を行ない、都を近江国志賀(おうみのくにしが=大津)にうつした。
歌人としては「万葉集」第1期の歌人で、131415に大和三山をよんだ長歌と反歌がとくに有名で「日本書紀」にも歌がみえ、「古今集」などの勅撰集に6首入首。

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。








2017年1月8日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #000


000
古今集・仮名序
Kokin(waka)-shu, preface
spring
おほささき(大鷦鷯)のみかど(帝)をそへたてまつ(奉)れるうた
for celebration of the enthronement of Emperor Oosasaki
難波津に
咲くやこの花
冬ごもり
今を春べと
咲くやこの花
なにわづに
さくやこのはな
ふゆごもり
いまをはるべと
さくやこのはな
Naniwa-dzu ni
Sakuya kono hana
Fuyu gomori
Ima o haru beto
Sakuya kono hana
難波津に咲くこの梅の花よ、冬の寒い間は芽を出さなかったけれど、今はもう春だと咲くこの梅の花よ
Ume blossoms blooming at Naniwa harbor,
You haven’t bud during long winter,
Now it’s already spring, you say,
Oh, blooming ume blossoms
仁徳(にんとく)天皇の即位を、春になって花が開くことにたとえて祝った歌。王仁は百済(くだら)から渡来した学者で、日本に「論語」「千字文」をもたらしたという。この歌と「安積山(あさかやま)影さへ見ゆる山の井(ゐ)の浅き心を我が思はなくに」〈万葉集〉は、手習いをする人がまず最初に習う歌として知られている。
応神天皇の崩御後、菟道稚郎子皇子(うじのわきいらつこのみこ)と大鷦鷯尊(おおさざきのみこと)が互いに皇位を譲り合ったため、3年間も空位となっていたが、のちに難波高津宮において大鷦鷯尊が即位して仁徳天皇となった際、その治世の繁栄を願って詠まれた歌とされている。なお、この歌に詠まれている花は桜ではなく梅である。
仮名序で安積山の歌と並んで「手習ふ人のはじめにもしける」と言われたように、古来書道の初学としても用いられた。実際に徳島県の観音寺遺跡から、万葉仮名で「奈尓波ツ尓昨久矢己乃波奈」と記された7世紀のものとみられる習書木簡が出土しているのをはじめ、各地から数多くこの歌を記した木簡が出土している。平安時代には「難波津の歌」と言えば「誰でも知っている歌」の代名詞となっていた。
競技かるたにおいては競技の開始時に難波津の歌を詠むことが通例となっているが、決まり字の「いまは」との混同を避けるため、四句は「今“を”春べと」に変更されている。
A verse to compare the enthronement of Emperor Nintoku to blooming flowers in the spring. Wani was a scholar from Kudara (ancient Korea), is said to have brought “the Analects of Confucius” and others. This verse is known as the first verse which calligraphy beginners learn at first.
This is recited at the beginning of the competitions.
王仁博士
わにのふみひと
DOCTOR (or SCHOLAR) WANI
王爾、和爾吉師(わにきし)とも書く。西文氏(かわちのふみのし)ら3氏の始祖。伝承では、応神(おうじん)天皇の命令で、4世紀後半に百済王が貢進。『論語』『千字文』などの書籍をもたらし、中央政府の記録を職掌とする「博士(ふみひと)となったという。日本における中国学術の本格的受容による文教興隆の祖、漢字の国字化による文字言語・表語体系の創出者とされている。6世紀前半の百済王が倭(わ)王に提供した中国南朝系の学芸・技能・思想を体得した知識人として造型された伝承上の人物であろう。



古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。


  ──『日本史事典』

今回の動画、ブログとも体裁こそ同じですが、本来の「百人一首」に含まれる歌ではないため、資料がほとんどありませんでした。
が、音声は入手できたので、せっかくなので、動画を作ることに。
英訳も「cocolo supplie ココロさぷり」でしているので、拙いかもしれません。
競技かるた(札取りの速さを競うもの)で競技開始の合図として詠まれる歌だそうです。
使用している画像も異なります。
作者画像(B2、B3)は http://tei1937.blog.fc2.com/blog-category-17.html から拝借しました。

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
B1…作者 poet
B2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002)
B3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down)
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.  
No English.  
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。













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