2017年5月21日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #060


060
金葉・巻九
Kin’yo(waka)-shu, vol.9
other
和泉式部保昌に具(ぐ)して丹後に侍ける比(ころ)都に歌合侍りけるに小式部内侍歌詠みにとられて侍けるを中納言定頼つぼねのかたにおうできて歌いかがさせ給ふ丹後へ人はつかはしけむやつかひはまうでこずやいかに心もとなくおぼすらむなどたはぶれて立(たち)けるをひきとどめてよめる──小式部内侍
responding to Sadayori pulling legs saying “did you asked your mother to make verses?”, invited to a verse competition when her mother was gone to Tango
大江山
いく野の道の
遠ければ
まだふみも見ず
天の橋立
おおえやま
いくののみちの
とおければ
まだふみもみず
あまのはしだて
Ohoye yama
Ikuno no michi no
Tohokereba
Mada fumi mo mizu
Ama-no-Hashidate.
母のいる丹後は、大江山を越え、生野を通って行く道が遠いので、まだ天の橋立を踏んだことはありませんし、母からの文も見ていません
So long and dreary is the road,
That I have never been
To Ama-no-Hashidate;
Pray, how could I have seen
The verses that you mean?
才気が光るとっさの一首
この歌にまつわる逸話が有名である。一流歌人の和泉式部(いずむしきぶ)《歌056》を母に持つ作者は、母が父について丹後へ行っている間に、歌合に招かれた。それを知った藤原定頼《歌064》が「母上に代作は頼みましたか。まだ使いは戻りませんか。さぞかしご心配でしょう」とからかったので、それを受けて即座に詠んだ歌である。これによって小式部内侍は代作疑惑を払拭すると同時に、歌人としても名を上げた。
Koshikibu was the daughter of the writer of verse No. 56, and early became known as a poetess. The story goes, that she was suspected of getting help from her mother in composing poetry; and on one occasion, during the absence of the latter at Ama-no-Hashidate, she was selected to take part in a poetical contest at Court. A day or two before the event a nobleman laughingly asked her, if she was not expecting a letter from her mother, hinting that she would otherwise be unable to produce a poem good enough for the contest, and she, touching his sleeve, improvised the above verse. The original brings in not only Ama-no-Hashidate, a picturesque bay in the Province of Tango, but also two other proper names, Mount Ohoye and Ikuno, which are on the road there from Kyoto; but this the translation fails to do.
The last couplet can mean ‘I have not walked to or seen Ama-no-Hashidate’ and also, ‘I have not seen any letter from Ama-no-Hashidate.’
小式部内侍 こしきぶのないし LADY-IN-WAITING KO-SHIKIBU
生年未詳。橘道真(たちばなのみちざね)の娘で、母は和泉式部《歌056》。母の式部にちなんで小式部と称された。母と同様に一条天皇の中宮彰子(しょうし)に仕えた。万寿2(1025)年に256歳の若さで病没。勅撰集にとられている歌は「後拾遺集」などに4首。

金葉和歌集(きんようわかしゅう)

第5番目の勅撰集。源俊頼(としより)《歌074》撰。白河法皇の下命。1124(天治元)年の初度本、翌年の二度本とも返却され、三奏本は26年かその翌年に草稿として奏覧され、そのまま受納されたという。書名は優れた和歌の集の意。四季・賀・別離・・恋上下・雑上下の10巻。代表歌人は源経信・源俊頼・藤原公実(きんざね)・藤原顕季(あきすえ)ら。「古今集」以来の伝統から脱した新鮮な歌風を特色とする。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月20日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #059


059
後拾遺・巻十二
Go-shui(waka)-shu, vol.12
love
なかの関白少将に侍ける時はらからなる人に物いひわたり侍けりたのめてこざりけるつとめて女にかはりてよめる──赤染衛門
representing a sister who stayed up waiting for a man’s visit
やすらはで
寝なましものを
小夜更けて
傾くまでの
月を見しかな
やすらわで
ねなましものを
さよふけて
かたぶくまでの
つきをみしかな
Yasurawade
Nenamashi mono o
Sayofukete
Katabuku made no
Tsuki wo mishi kana.
最初からいらっしゃらないとわかっていたら、ためらうことなく寝てしまったでしょうに。あなたを待っていたばっかりに夜が更けて、西の空に傾く月を見たことです
Waiting and hoping for thy step,
Sleepless in bed I lie,
All through the night, until the moon,
Leaving her post on high,
Slips sideways down the sky.
待つ女の諦めを含む嘆き
詞書によると、男を待って夜を明かしてしまった女性(作者の姉妹とも)に代わり、作者が詠んだものである。ただし、実際に赤染衛門の作であるかは不明。
歌のなかにはどこか諦めた雰囲気も漂い、相手を強く責めるようすは受け取れない。作者の優しさの表れか、それとも完全な失望なのだろうか。ちなみにこの歌を贈られた男は、後に儀同三司母(ぎどうさんしのはは)《歌054》の夫となる、藤原道隆である。
This writer is again a lady; she is said to have addressed the verse to Michinaga Fujiwara, who held the office of Regent under the Emperor Ichijo (A.D. 987-1011) and his two successors. Regent here must be understood not exactly as a temporary or vice Emperor, but rather as the Emperor’s confidential adviser, and the official through whom all communications were made.
[Notice the moon in the illustration just disappearing behind the hill.]
赤染衛門 あかぞめえもん AKAZOME EMON
生没年未詳。赤染時用(ときもち)の娘で、父の官名(右衛門尉・うえもんのじょう)でよばれた。のち、文章博士大江匡衡(まさひら)の妻となった。良妻賢母として有名。和泉式部、清少納言、伊勢大輔(たいふ)などとも親しく、長和元(1011)年に夫と死別し、尼となった。
和泉式部とならび称される平安中期の代表的女流歌人で「栄華(えいが・栄花)物語」の作者といわれる。中古36歌仙の一人で、家集に「赤染衛門集」があり、勅撰歌は「拾遺集」などに93首はいっている。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)
第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月15日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #058


058
後拾遺・巻十二
Go-shui(waka)-shu, vol.12
love
か(誰)れがれなるをとこのおぼつかなくなどいひたりけるによめる──大貳三位
responding to a man who hasn’t visited for a long time saying “you changed your mind”
有馬山
猪名の笹原
風吹けば
いでそよ人を
忘れやはする
ありまやま
いなのささはら
かぜふけば
いでそよひとを
わすれやはする
Arima yama
Ina no sasahara
Kaze fukeba
Ide sayo hito o
Wasure yawa suru.
有馬山から猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと鳴る。そうですよ。忘れたのはあなたの方、どうして私があなたを忘れたりするでしょうか
As fickle as the mountain gusts
That on the moor I’ve met,
Twere best to think no more of thee,
And let thee go. But yet
I never can forget.
葉音が「そよそよ」と非難する
詞書によると、しばらく作者のもとを訪ねていない男が、お前こそ心変わりしたのではないかと言い訳をしてきたことに対する返歌である。
自分の変わることのない気持ちと相手に対する批判を下の句にすべて込め、上の句の流麗な序詞がそれを引き立てている。穏やかな自然から一転、相手にぴしゃりと訴えるさまは、宮廷女房の機知とプライドを感じさせる。
The name given above is only a title, and the real name of this lady is unknown; she was the daughter of the writer of the verse No. 57, and the wife of Daini Nariakira.
Note the echoing sound in the last line, ‘Wasure yawa suru.’
[The picture shows her on the moor composing the verse.]
大弐三位 だいにのさんみ DAINI NO SAMMI
藤原賢子(かたこ)(生没年未詳)。左衛門佐(さえもんのすけ)藤原宣孝(のぶたか)の娘で、母は紫式部《歌057》。正三位太宰大貳(だいに・大弐)高階成章(たかはしなりあきら)の妻となったので、夫の官名、位階によって大貳(大弐)三位と呼ばれた。母と同じく彰子(しょうし)に仕えた後、後冷泉院の乳母(めのと)になる。
歌と文に秀で「狭衣物語(さごろもものがたり)」の著者と目されたこともある。「大貳(大弐)三位集」という家集があり、「後拾遺集」など勅撰歌は37首。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月14日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #057


057
新古今・巻十六
Shin-Kokin(waka)-shu, vol.16
other
はやくより童友(わらはとも)だちに侍りける人のとしごろへてゆきあひたるほのかにて七月十日のころ月にきほひ(競い)てかへり侍りければ──紫式部
when a friend from childhood has come after a long absence and rushed back like competing with the moon on around July 10th
めぐり逢ひて
見しやそれとも
分かぬ間に
雲隠れにし
夜半の月かな
めぐりあいて
みしやそれとも
わかぬまに
くもがくれにし
よわのつきかな
Meguri-aite
Mishi ya sore tomo
Wakanu ma ni
Kumo gakure nishi
Yowa no tsuki kana.
久しぶりにめぐりあって、その人かどうか見分けもつかないうちに、雲隠れした真夜中の月のように、たちまち去っていってしまったことだ
I wandered froth this moonlight night,
And some one hurried by;
But who it was I could not see,
Clouds driving o’er the sky
Obscured the moon on high.
あわただしく去っていった友を名残惜しむ
幼なじみとの久しぶりの再会もつかの間、まるで雲が月を隠すような早さで、友達は帰ってしまったと、残念に思っている。「見しやそれともわかぬまに」という誇張した表現が、楽しい時ほど早く過ぎてしまうことを物語っているようだ。
この歌は詞書に旧友との再会という説明があって、はじめて主題が明らかになる歌で、その意味では物語的要素が強い一首といえる。百人一首にはこのような説話を伴った歌が多く見られるが、紫式部に関してはとくに物語文学の頂点である『源氏物語』の作者という点を意識しての撰歌であろうか。
『源氏物語』は和歌の世界にも影響を与えた。平安時代の歌人には、和歌の手引書のようにも読まれ、藤原俊成(ふじわらしゅんぜい)は歌合の判詞の中で「源氏見ざる歌よみは遺恨のことなり」といったほどである。百人一首の中にも、『源氏物語』を背後にうかがわせる歌が多数ある。
This lady lost her mother when very young, and her father, the minister Toyonari Fujiwara, married again. Her skill at composing verses caused her stepmother to become jealous, and the latter treated her with great cruelty. She married Nobutaka, a nobleman, and the following verse was written by her daughter. She is famous in Japanese literature as the authoress of Genji Monogatari, a historical work in fifty-four sections, which she wrote in the monastery of Ishiyama, near Kyoto. She was one night taking a moonlight stroll on her verandah and caught sight of her lover; but, though she barely recognized him, the Kokinshiu, from which the verse is taken, adds that you are to understand that her reputation was over-shadowed from that moment, like the moon behind the clouds. She died in the year 992.
Sore tomo can mean either ‘though I glanced at him’, or else (wakanu, I did not recognize) ‘that friend’.
紫式部 むらさきしきぶ MURASAKI SHIKIBU
970から978頃に生まれ、1016ころ没。藤原為時(ためとき)の娘。藤原宣孝(のぶたか)の妻となる。大弐三位《歌058》の母。中宮彰子(しょうし)に仕えた。
不朽の大河小説「源氏物語」は、夫と死別してから書きはじめたもの。はじめ藤式部とよばれていたが、宮中(紫の上)のことを描いたので、紫式部と称されるようになったといわれる。
「紫式部日記」と「紫式部集」という家集があり、中古36歌仙の一人。勅撰歌は「後拾遺集」などに58首ある。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉初期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》、藤原家隆《歌098》、寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年5月13日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #056



056
後拾遺・巻十三
Go-shui(waka)-shu, vol.13
love
心地例ならず侍ける比(ころ)人のもとにつかはしける──和泉式部
sending to a man when dying by ill
あらざらむ
この世のほかの
思ひ出に
今ひとたびの
逢ふこともがな
あらざらむ
このよのほかの
おもいでに
いまひとたびの
あうこともがな
Arazaramu
Kono yo no hoka no
Omoide ni
Ima hito tabi no
Au koto mo gana.
私はまもなく死んでこの世を去るでしょう。あの世への思い出に、せめてもう一度だけでもあなたにお逢いしたいものです。
My life is drawing to a close,
I cannot longer stay,
A pleasant memory of thee
I fain would take away;
So visit me, I pray.
あの世で思い出すために最後の逢瀬を
病に伏せて死を覚悟したとき、せめてもう一度愛する人に逢いたいと願う切実な心情が素直に表現されている。最愛の人との最期の逢瀬を胸にあの世へ旅立ちたいという発想は、恋に生きた和泉式部の人生そのものを象徴するかのような一首である。
作者の抒情豊かな作風は後世へ多大な影響を与えた。この歌の「あらざらむこの世のほかの」という表現も独特の世界観をよく表している。
This lady was the daughter of Masamine Oye, and the wife of Michisada Tachibana, Governor of the Province of Izumi, hence her name; and also was the mother of the author of verse No. 60. She lived about the latter end of the tenth century, and was one of the lady poets who gave distinction to that period. The verse was addressed to her husband or lover just before her death, [and in the illustration we see her on her deathbed, with two servants in the foreground.]
和泉式部 いずみしきぶ IZUMI SHIKIBU
本名は弁内侍(べんのないじ)(生没年未詳)。康保3(966)以後の生まれ。越前守大江雅致(えちぜんのかみおおえまさむね)の娘で、和泉守橘道貞(たちばなのみちさだ)の妻となる。小式部内侍《歌060》を産む。夫と死別後、冷泉(れいぜい)天皇の皇子弾正宮為尊(だんじょうのみやためたか・ためやす)、その弟の帥宮敦道(そちのみやあつみち)に愛され、この二親王との恋愛を記したのが「和泉式部日記」である。両親王没後は中宮彰子(しょうし)に仕える。さらに藤原保昌(ふじわらのやすまさ)と結婚し、丹後に下った。
中古36歌仙の一人で「和泉式部集」がある。勅撰歌は「拾遺集」などに238首。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)

第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』


動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年5月8日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #055


055
拾遺・巻八
Shui(waka)-shu, vol.8
other
大覚寺に人々あまたまかりたりけるにふるきたきをよみ侍ける──右衛門督公任
looking at an old waterfall when many people visited Daikaku-ji Temple
滝の音は
絶えて久しく
なりぬれど
名こそ流れて
なほ聞えけれ
たきのおとは
たえてひさしく
なりぬれど
なこそながれて
なおきこえけれ
Taki no oto wa
Taete hisashiku
Narinuredo
Na koso nagarete
Nao kikoe kere.
滝の水は絶え、水音が聞かれなくなってから長い月日が経ったけれど、その名声だけは今に流れ伝わって、聞こえてくることだ
This waterfall’s melodious voice
Was famed both far and near;
Although it long has ceased to flow,
Yet still with memory’s ear
Its gentle splash I hear.
華やかな宮廷の面影を追う
かつて嵯峨(さが)天皇の離宮であった、京都の大覚寺(だいかくじ)を遊覧した際に、庭の滝殿を見て詠んだものである。公任の時代には水は枯れていたが、滝殿に水があふれていたかつての栄えた姿を思い描き、名声は今の世にも伝わっているとする。「な」音を重ねた流暢な調べのなかに、「滝」「絶え」「流れ」「聞こえ」と多数の縁語を盛り込み、一流歌人らしい技巧に優れた歌になっている。
The poet was the father of the writer of verse No. 64, and was a member of the Fujiwara family at the zenith of their power, he was a great statesman and scholar, and died in the year 1041. The verse was written in praise of a waterfall that had been made by the orders of the Emperor Saga early in the ninth century, but which had by this time ceased to exist; [and the illustration well shows the watercourse now run dry.]
大納言公任 だいなごんきんとう THE FIRST ADVISER OF STATE KINTO
藤原公任(9661041)。頼忠(よりただ)の長男で、定頼(さだより)《歌064》の父。蔵人頭、中納言、大納言とすすむ。学、詩歌、管絃に秀で、能書家。『金玉集』『三十六人撰』『新撰髄脳(しんせんずいのう)』など著書も多く、「北山抄」「和漢朗詠集」を編集。「拾遺集」の撰者でもあり、家集に「前大納言公任集」がある。中古36歌仙の一人で「拾遺集」などに92首入首。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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