2017年4月9日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #042



042
後拾遺・巻十四
Go-shui(waka)-shu, vol.14
love
心かはり侍(はべ)りける女に、人に代りて──清原元輔
representing a man whose wife changed her mind
契りきな
かたみに袖を
しぼりつつ
末の松山
浪越さじとは
ちぎりきな
かたみにそでを
しぼりつつ
すえのまつやま
なみこさじとは
Chigiriki na
Katami-ni sode o
Shibori-tsutsu
Sue no Matsu-yama
Nami kosaji to wa.
かたく誓いましたね。お互いに涙に濡れた袖を何度もしぼりながら、末の松山を浪が越えることがないように、ふたりの心も決して変わるまいとね
Our sleeves, all wet with tears, attest
That you and I agree
That to each other we’ll be true,
Till Pine-tree Hill shall be
Sunk far beneath the sea.
確かに誓ったのにお忘れだろうか
『後拾遺集』の詞書(ことばがき)は「心かはり侍(はば)りける女に、人に代りて」とある。心変わりした女性に不実を責める歌を、人に頼まれて作者が代作したものである。
名高い歌枕である末の松山を織り込むことによって、非常に間接的に怒りや失望を表現している。間接的ではあるが、その思いの強さが初句の、「誓ったではないか」と言い切るところに現れている秀歌である。
Motosuke lived towards the close of the tenth century, and was the son of the writer of verse No. 36. The idea of one’s sleeves being wet with tears is a common one in Japanese poetry. Matsu-yama, or Pine-tree Hill, is in Northern Japan, on the boundaries between the Provinces of Rikuchu and Nambu.
[In the illustration the hill with the pine tree on the top appears to be just sinking beneath the waves.]
清原元輔 きよはらのもとすけ MOTOSUKE KIYOHARA
908990。顕忠(あきただ)の子で(一説には春光の子とも)清少納言《歌062》の父。清原深養父(きよはらのふかやぶ)《歌036》の孫。寛和(かんな)2(986)年の正月に肥後守になった。
歌人が輩出した家柄で、和歌所寄人(わかどころよりゅうど)となり、「万葉集」に訓点をつけた。内裏後宮五舎の一つである梨壺(なしつぼ)の五人の一人として「後撰集」の撰集にあたる。36歌仙の一人で、家集に「元輔集」がある。
「拾遺集」に48首をはじめ、勅撰歌は105首と多い。

後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)
第4番目の勅撰集。藤原通俊(みちとし)撰。白河天皇の命で1086(応徳3)年に奏覧、改訂をへて87(寛治元)年に完成。「古今集」以来の仮名序をもち、四季6巻・賀・別・き旅・哀傷・恋4巻・雑6巻の20巻。歌数1218首。雑6に神祇歌と釈教歌をはじめて収録。主要歌人は和泉式部《歌056》(67首)、相模《歌065》(40首)、赤染衛門《歌059》(32首)、能因《歌069》(31首)、伊勢大輔《歌061》(27首)など。女流の進出が目立つ。源経信により勅撰集に対するはじめての論難「難後拾遺」が書かれた。
 ──『山川 日本史小辞典』


動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月8日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #041



041
拾遺・巻十一
Shui(waka)-shu, vol.11
love
天暦御歌合──壬生忠見
at a verse competition in Tenryaku era
恋すてふ
わが名はまだき
立ちにけり
人知れずこそ
思ひ初めしか
こいすちょう
わがなはまだき
たちにけり
ひとしれずこそ
おもいそめしか
Koi su tefu
Waga na wa madaki
Tachi ni keri
Hito shirezu koso
Omoi-someshi ka.
恋しているという私の噂が、早くも世間に広まってしまった。誰にも知られないように、ひっそりと思い始めたばかりだというのに
Our courtship, that we tried to hide,
Misleading is to none;
And yet how could the neighbors guess,
That I had yet begun
To fancy any one?
広まってしまった芽生えたばかりの恋
《歌040》の歌とともに、歌合の逸話で一首。技巧的でなないが、秘めたる思いを素直に表現し、倒置法を用いて余韻を残す。
勝負に敗れた忠見の落胆は大きく、食欲も無くなり、ついには死んでしまったという話が『沙石集(しゃせきしゅう)』などに伝えられる。これが作り話だとしても、身分が低く、歌合にも粗末な装束で現れたという忠見にとって相当悔しかったことは間違いないだろう。
The poet was the son of the writer of verse No. 30, and he is said to have composed the poem on the same occasion as is mentioned for No. 40.
The word omoi in the last line is a ‘pivot-word’, used firstly in connection with the fourth line, meaning ‘I thought’ (nobody knew), and also in conjunction with someshi, where it means ‘I began to be in love’.
壬生忠見 みぶのただみ TADAMI MIBU
生没年未詳。忠岑《歌030》の子。幼名は多々(ただ)、ついで忠実(ただみ)、忠見と改める。幼少時から歌にすぐれ、宮中から召されたとき、家が貧しく乗物がないと返事、竹馬でまいれといわれ「竹馬は節鹿毛(ふしかげ)にしていと弱し今夕(いまゆふ)鹿毛に乗りて参らむ」と詠んだと伝えられる。天徳2(958)年摂津権大目(せっつごんのおおさがん)となる。
36歌仙の一人で「忠見集」がある。「後撰集」に1首、「拾遺集」14首など勅撰歌は36首。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)
平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

源氏物語絵巻、五帖『若紫』。土佐光起(1617–1691)筆。バーク・コレクション(メアリー・グリッグス・バーク夫人とメアリー・アンド・ジャクソン・バーク財団の所蔵)
Ilustration of the The Tale of Genji, ch.5–Wakamurasaki, traditionally credited to Tosa Mitsuoki (1617–1691), part of the Burke Albums, property of Mary Griggs Burke.
【この著作物は、著作権の保護期間が著作者の没後100年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。このファイルは、パブリックドメインにある平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製したものです。このような複製はアメリカ合衆国においてパブリックドメインとなります。他の地域では再利用に制限がかかる場合があります。詳しくはReuse of PD-Art photographsをご覧ください。美術の著作物としての原図は以下の理由によりパブリックドメインに属します。このファイルは、著作権法の下での既知の制限 (すべての関連および隣接権を含む) に対して、自由であると認識されています。 (https://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/deed.ja)

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月3日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #040


040
拾遺・巻十一
Shui(waka)-shu, vol.11
love
天暦時歌合──平兼盛
at a competition in Tenryaku era
忍ぶれど
色にいでにけり
わが恋は
ものや思ふと
人の問ふまで
しのぶれど
いろにいでにけり
わがこいは
ものやおもうと
ひとのとうまで
Shinoburedo
Iro ni ide ni keri
Waga koi wa
Mono ya omou to
Hito no tou made.
心ひそかに隠していたけれど、私の恋心は顔色に表れてしまったようだ。恋になやんでいるのか、と人に尋ねられるほどに
Alas ! the blush upon my cheek,
Conceal it as I may,
Proclaims to all that I’m in love,
Till people smile and say---
Where are thy thoughts to-day?’
見破られた恋わずらい
歌もさることながら、歌にまつわる逸話が有名である。
『天徳歌合』で「忍恋」を題に詠まれた歌だが、対したのは《歌041》の壬生忠見(みぶのただみ)の歌である。判者であった藤原実頼(ふじわらのさだより)はどちらも甲乙つけがたく、天皇にうかがった。天皇も悩んだあげく、兼盛の歌を口ずさんだので、こちらの勝ちとなった、という話である。古来、《歌041》の歌と必ずといっていよいほどセットで親しまれ、どちらが優れているか、議論の的だった。
この歌は倒置法が極めて効果的に使われ、構成に優れている。上の句で結論をいい、四句に「ものや思ふ」という第三者の問いかけを挟み込んだ上で、上の句に繋がる理由を明らかにして余韻を残す。その余韻のなかに、思いがけない指摘をされたとまどいと、はじまったばかりの恋の喜びが含まれているようである。また、恋の心情を直接歌うのではなく、間接的に表現することで、かえって思いの強さを示している。
This verse is said to have been composed in the year 960, at the request of the Emperor Murakami. Kanemori was the great-grandson of the Emperor Kwoko (* originally printed as “Kwotoku”) who is the writer of verse No. 15.
平兼盛 たいらのかねもり KANEMORI TAIRA
生年未詳、990年没。篤行(あつゆき)王の第三子で、光孝天皇《歌015》の玄孫、兼盛王とも称され、天暦4(950)年、越前権守に任ぜられ、臣籍に下った。のち山城介(やましろのすけ)、駿河守(するがのかみ)などを歴任。
漢学にすぐれ、歌人としても知られ、36歌仙の一人。家集に「兼盛集」があり、「拾遺集」の38首など83首の勅撰歌がある。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Genji_emaki_01003_006.jpg
五島美術館(http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/index.html)蔵『源氏物語』第38帖「鈴虫」の二番目の場面。

【このファイルは、パブリックドメインにある平面的な美術の著作物を写真術によって忠実に複製したものです。このような複製はアメリカ合衆国においてパブリックドメインとなります。他の地域では再利用に制限がかかる場合があります。詳しくはReuse of PD-Art photographsをご覧ください。美術の著作物としての原図は以下の理由によりパブリックドメインに属します。

この著作物は、著作権の保護期間が著作者の没後70年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。
なぜ、この著作物がアメリカ合衆国でパブリックドメインにあるのかを示すために、アメリカ合衆国のPDタグも併せて使用しなくてはなりません。 いくつかの国では、著作権の保護期間が70年を超えていることに注意する必要があり、例えば、メキシコは100年、ジャマイカは95年、コロンビアは80年、グアテマラとサモアは75年です。これらの国では、著作権の保護期間について相互主義を採用していないこともあり、この画像はパブリックドメインの状態にはないかも知れません。コートジボワールは99年、ホンジュラスは75年をそれぞれ原則的な著作権の保護期間として採用していますが、保護期間につき相互主義を採用しています。

このファイルは、著作権法の下での既知の制限 (すべての関連および隣接権を含む) に対して、自由であると認識されています。 (https://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/deed.ja)
{{PD-Art}} template without license parameter: please specify why the underlying work is public domain in both the source country and the United States (Usage: {{PD-Art|1=|deathyear=''year of author's death''|country=''source country''}}, where parameter #1 can be PD-old-auto, PD-old-auto-1923, PD-old-auto-1996, PD-old-100 or similar. See Commons:Multilicense copyright tags for more information.)

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月2日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #039


039
後撰・巻九
Gosen(waka)-shu, vol.9
love
人に遣(つかわ)しける──源ひとしの朝臣
sending to someone
浅茅生の
小野の篠原
忍ぶれど
あまりてなどか
人の恋しき
あさじうの
おののしのはら
しのぶれど
あまりてなどか
ひとのこいしき
Asaju no
Ono no shinohara
Shinoburedo
Amarite nado ka
Hito no koishiki.
浅茅の生えている小野の篠原の「しの」ではないが、いままでは忍んできたけれど、もう忍びきれずに、どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょうか
Tis easier to hide the reeds
Upon the moor that grow,
Than try to hide the ardent love
That sets my cheeks aglow
For somebody I know.
忍んでも忍びきれないあふれる思い
まだ思いを告げられないでいる恋しい人に、恋心の高まりを伝えた素直な作品である。注目すべきは上の句の序詞で、「篠原」と「しのぶれど」の「しの」音を重ねることによって、忍びきれない思いを表現している。
「浅茅生の小野の篠原しのぶとも人知るらめやいふ人なしに」(『古今集』・よみ人知らず)の歌を本歌としているが、上の句で自然の景を歌いつつ、下の句で一気に心情を歌い上げる構成に工夫が見られる。
Little is known of Hitoshi Minamoto, except that he lived some time in the tenth century.
Note the word shinohara, meaning ‘a bamboo moor’, contrasted with shinoburedo in the next line, which means ‘though I might manage to conceal’.
[The picture shows Hitoshi on the wild moor, with the reeds growing al around him.]
参議等 さんぎひとし THE PRIVY COUNCILLOR HITOSHI
源等(みなもとのひとし・880951)。中納言希(まれ)の二男、嵯峨天皇の曽孫。丹波守、太宰大弐(だざいのだいに)とすすみ、天暦元(947)年、参議となる。
勅撰集には「後撰集」の4首のみ。その1首は「東路(あずまじ)の佐野の船橋かけてのみ思ひ渡るを知る人のなき」である。

後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

平安中期、第2番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
20巻。歌数約1400首。951年村上天皇の命で源順(みなもとのしたごう)ら「梨壺の五人」が編集。歌の作者はほぼ『古今和歌集』と重なり、撰者の歌は入れていない。特色として贈答歌が多く、詞書が長いことがあげられるが、これは歌集の物語化を意味する。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月1日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #038


038
拾遺・巻十四
Shui(waka)-shu, vol.14
love
題知らず──右近
untitled
忘らるる
身をば思はず
誓ひてし
人の命の
惜しくもあるかな
わすらるる
みをばおもわず
ちかいてし
ひとのいのちの
おしくもあるかな
Wasuraruru
Mi oba omowazu
Chikaite-shi
Hito no inochi no
Oshiku mo aru kana.
忘れられる私の身のことはなんとも思いません。ただ神に永遠の愛を誓ったあなたの命が罰を受けて失われるのが惜しまれてなりません
My broken heart I don’t lament,
To destiny I bow;
But thou hast broken solemn oaths,
I pray the Gods may now
Absolve thee from thy vow.
恋慕と皮肉と後悔と
神に誓い合った愛が破れて、自分の身はどうなっても構わないが、心変わりした相手の身を案じる、悲しい女心を歌った。相手を恨みきれない未練が感じられるが、一方で、強烈な皮肉にもとれる。また、神にまで誓ってしまった自分の愚かしさを悔やんでいるように思える。いずれにしろ、実感のこもる女心である。
『大和物語』などにも見える歌だが、それによれば、歌の相手は藤原敦忠(ふじわらのあつただ)《歌043》であるようだ。
The Lady Ukon is supposed to have been deserted by her husband, and in this poem she regrets, not so much her own sorrow, as the fact that he has broken his sworn oath, and is therefore in danger of divine vengeance.
[The illustration show her all alone at the gate, with the house in the background, evidently waiting for the husband who has forsaken her.]
右近 うこん UKON
生没年未詳。右近衛少将藤原季繩(ふじわらのすえつな)の娘で、右近とは父の官職にちなむ呼称である。醍醐(だいご)天皇の皇后七条穏子(おんし)に仕えた。「大和物語」によると、《歌043》の「逢ひ見ての……」の作者権中納言藤原敦忠(あつただ)との愛と失恋や、桃園宰相源保光(みなもとのやすみつ)などとの愛がうかがえる。
「後撰集」に5首、「拾遺集」に3首、「新勅撰集」に1首はいっている。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Kibune7234.jpg by mariemon
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動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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