2017年3月20日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #034


034
古今・巻十七
Kokin(waka)-shu, vol.17
other
題知らず──藤原興風
untitled
誰をかも
知る人にせむ
高砂の
松も昔の
友ならなくに
たれをかも
しるひとにせん
たかさごの
まつもむかしの
ともならなくに
Tare wo ka mo
Shiru hito nisemu
Takasago no
Matsu mo mukashi no
Tomo nara-naku ni.
老いた私は、誰を長年の友人としようか。高砂の松の老木でさえ、昔からの友ではないのだから
Gone are my old familiar friends,
The men I used to know;
Yet still on Takasago beach
The same old pine trees grow,
That I knew long ago.
松を友とする孤独な嘆き
長寿は誰もが願うことであるが、年老いた作者の周りでは、一人、また一人と親しい人が去ってゆき、とうとう残された者は自分一人になってしまった。自分と同じぐらい長生きなのは松ぐらいだが、松は話し相手にはならない。
松は長寿の象徴で縁起ものとして詠まれることが多いが、ここでは老いたわが身を松に重ね合わせながらも、いつかは死にゆく人間のはかなさを際立たせているようだ。
Okikaze, the son of michinari, was an official in the Province of Sagami in the year 911; the date of his death is unknown, but he is mentioned as being alive as late as the year 914. Takasago, which is mentioned again in verse No. 73, is a seaside place in the Province of Harima, famous for its pine trees; the pine tree is one of the recognized emblems of lone life in Japan, because it is believed that after a thousand years its sap turns to amber.
藤原興風 ふじわらのおきかぜ OKIKAZE FUJIWARA
生没年未詳。道成の子。延喜14914)年、下総権大掾(しもふさごんだいじょう)。琴の名手として知られ、36歌仙の一人でもある。
紀貫之《歌035》らと屏風歌もつくっているので、当代にはかなり知られた歌人。家集「興風集」があり、勅撰の歌は「古今集」に17首、「後撰集」などに21首の計38首ある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Takasagokaihin06.jpg by Jnn
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このファイルは上記のライセンスのもとに利用を許諾されています。

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年3月19日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #033


033
古今・巻二
Kokin(waka)-shu, vol.2
spring
さくらの花のちるをよめり──きのとものり
watching cherry blossoms falling
久方の
光のどけき
春の日に
しづ心なく
花の散るらむ
ひさかたの
ひかりのどけき
はるのひに
しずこころなく
はなのちるらん
Hisakata no
Hikari nodokeki
Haru no hi ni
Shizu kokoro naku
Hana no chiruramu.
日の光がのどかにさしている春の日に、落ち着いた心もなく、桜の花はどうしてはらはらと急いで散っているのであろうか
The spring has come, and once again
The sun shines in the sky;
So gently smile the heavens, that
It almost makes me cry,
When blossoms droop and die.
散る桜に無常観を見る
ある晴れた春の日のゆったりとした気分と、それに相反するようにあわただしく散る桜を咎める気持ちを詠みこんだ風流な一首。「の」の音を重ねた流麗な響きが心地よく、愛唱しやすい歌でもある。
散りゆく花を惜しみながら、過ぎゆく春にも思いを寄せるようであり、なにごとも不変ではないという無常の世界を暗示しているようにも取れる。はかなげな春の雰囲気をそのまま詠み込んだ名歌である。
Tomoyuki Ki was the grandson of Uchitsukune Take, a famous warrior, and nephew of Tsurayuki, who composed verse No. 35; he was one of the compilers of the Kokinshiu, and died at the beginning of the tenth century. He refers in this verse to the fall of the cherry blossoms.
Hisakata is a ‘pillow-word’ for heaven, without any definite meaning in the present day; it is generally used in poetry in conjunction with such words as sun, moon, sky, or, as in this case, ‘the light’ (of heaven).
[The picture shows the poet with his attendant, watching the petals falling from the cherry tree.]
紀友則 きのとものり TOMONORI KI
生年未詳。武内宿禰(たけうちのすくね)の子孫の紀有朋(きのありとも)の子。紀貫之《歌035》の従兄弟。延喜4(904)年大内記、五位。翌5年、貫之らと「古今集」撰者の一人に選ばれたが、撰(せん)が完了しない同年2月に61歳で病死した。友則の死を悼む貫之の歌に「明日知らぬわが身と思へどくれぬまの今日は人こそかなしかりけり」(古今集)がある。
36歌仙の一人で、「古今集」に46首のほか、「後撰集」などに20首はいっている。家集に「友則集」があり、古今集時代の代表的歌人である。秀作に「夕されば佐保の河原の河霧に友まどわせる千鳥なくなり」がある。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
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余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月18日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #032


032
古今・巻五
Kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
志賀の山越えにてよめる──春道列樹
when he crossed a mountain in Shiga
山川に
風のかけたる
しがらみは
流れもあへぬ
紅葉なりけり
やまがわに
かぜのかけたる
しがらみは
ながれもあえぬ
もみじなりけり
Yama gawa ni
Kaze no kaketaru
Shigarami wa
Nagare mo aenu
Momiji nari keri.
山の間を流れる川に、風がかけた「しがらみ」は流れきれないでたまっている紅葉であったよ
The stormy winds of yesterday
The maple branches shook;
And see! a mass of crimson leaves
Has lodged within that nook,
And choked the mountain brook.
何気ない秋の風景を詠む
京都の東北から比叡山(ひえいざん)と如意岳(にょいだけ)の間を通って滋賀へ抜ける山道(滋賀の山越え)の途中で川を見て詠んだ歌。「しがらみ」は水をせき止めるための人工的なしかけだが、川に落ちたもみじの葉が流れに滞って、川の縁にたまっているのを、風がかけたしがらみであると、ユニークに表現した。風景を絵のように切り取り、紅葉の紅が目に浮かぶ、屏風歌のような実景歌である。
The writer of this verse died in the year 920 (* the original text is printed as “864”).
春道列樹 はるみちのつらき TSURAKI HARUMICHI
生年未詳。新名宿禰(にいなのすくね)の子。延喜10910)年文章博士。同20年に壱岐守(いきのかみ)に任ぜられ、この年に没したと伝えられる。
勅撰集にはいっている歌は「古今集」3首と「後撰集」2首。そのうちの1首が、「数ならぬ深山がくれのほととぎす人知れぬ音をなきつつぞふる」である。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月16日木曜日

Missin' You ~it will break my heart~ by Ken Hirai [instrumental]


東日本大震災から6年、早いものですね。
改めて、犠牲となって命を落とされた方々のご冥福ならびにご遺族・ご関係者の皆さんの心の平安を、心よりお祈りいたします。

でも、この世の中、事件・事故・災害・病気が後を断ちませんね。
この動画をすべての亡くなった方へ捧げます。
実はこの動画も病気でこの世を去った友人の追悼用に作ったんですが、震災のことを思い出して、公開予定を早めたんです。

平井堅さんのこの曲も、2001年の米国・ニューヨークでの悲惨なテロ事件のときに感じたことを詞にしたそうです。
(この大惨事ももう16年も前なんですね。)

身近な人や愛するペットの突然の死──、どうしていいかわからなくなってしまうんでしょうね。
幸か不幸か「cocolo supplie ココロさぷり」にはそういう経験がほとんどないので、あまり実感がわかないんですが。
「亡くなった友人のため」とさきほど書きましたが、彼とはたまたま同じ時期に同じ目的で出会ったものの、お互いそれほどよく知らず仕舞いだったので、寂しさは感じますが、深い悲しみにとらわれたわけじゃないんです。

命あるもの、いつかはその生を終える──。
理屈では理解できても、残された方の気持ちはそんなに簡単じゃないのだと思います。
だからといって、いつまでも悲しみにひたっているわけにもいかず、生きていかなければいけない。
だから前向きに歩いていこう。
そういうメッセージが込められているので、この曲を選びました。

歌唱はなしで、オルゴールによる編曲です。
後半の英語詞の部分はメロディラインがカットされているので、詞と曲が合っていません。
ご了承のほど。

使用した写真は、主にAC WORKSさんのものですが、家族・夫婦・友人・同僚・ペットなどを彷彿とさせるものにしました。
これまでの動画をご覧になった方はお気づきかもしれませんが、今まで人物写真は使って来ませんでした。
というのも、人物写真はその状況は一般的なテーマであったとしても、特定の感情なり状況なりを想起しやすいと思ったからなんです。
静物や風景であれば、人それぞれに感じてもらえますが、人物はより身近になるので、その分より強い感情を引き起こしますから。
年を追うごとに写真が色褪せていくイメージで作りました。

以前にも同様のテーマで動画を構成したこともあります。
そちらも併せてご覧ください。
【癒し HEALING】Pray For The Next Stage - the Nampey
⇒ブログ記事「あれから5年……」を読む

趣旨はちょっと違いますが、こちらも関連するかもしれませんね。
【癒し HEALING】Peace Prayer of St. Francis of Assisi(English ver./英語版)
【癒し HEALING】平和を求める祈り アッシジの聖フランチェスコ(日本語版/Japanese ver.)
⇒ブログ記事「見るだけで社会貢献 CONTRIBUTION ONLY BY VIEWING」を読む

皆さんの気持ちが少しでも前向きになりますように。







2017年3月15日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #031


031
古今・巻六
Kokin (waka)-shu, vol.6
やまとのくににまかれりける時に雪のふりけるをみてよめる──坂上是則
watching show fall when he was in Yamato regesion
朝ぼらけ
有明の月と
見るまでに
吉野の里に
降れる白雪
あさぼらけ
ありあけのつきと
みるまでに
よしののさとに
ふれるしらゆき
Asaborake
Ariake no tsuki to
Miru made ni
Yoshino no sato ni
Fureru shira yuki.
朝がほのぼのと明けゆくころ、有明の月が明るいのかと思い間違うほどに、吉野の里に降り積もった白雪であるよ
Surely the morning moon, I thought,
Has bathed the hill in light;
But, no; I see it is the snow
That, falling in the night,
Has made Yoshino white.
浮かび上がる新雪の白
朝の朝に残った月で明るいのか思って外を見やれば、目もくらむような銀世界が一面に広がっている。雪のせいであったか、という軽い驚きが「白雪」という体言止めによって表現されている。
雪の純白を月の光にたとえたものだが、実感のこもった写実的な歌でもある。作者は大和国(奈良県)の掾(じょう)を務めていたことから、吉野は身近な地であったのだろう。
Little is known about this poet, but he is said to have lived some time in the tenth century. Yoshino is a mountain village in the Province of Yamato, famous for its cherry blossoms; at one time it contained the Imperial Summer Palace.
[In the illustration we see the poet looking across the village on the hills all covered with snow.]
坂上是則 さかのうえのこれのり KORENORI SAKA-NO-UYE
生没年未詳。坂上田村麿(たむらまろ)の子孫、好蔭(よしかげ)の子。延長2(924)年従五位下、加賀介にすすむ。
蹴鞠(けまり)の達人で、206度連続蹴ったと伝えられる。
36歌仙の一人で家集「坂上是則集」があり、「古今集」に7首のはか、勅撰集に39首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F):

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月13日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #030


030
古今・巻十三
Kokin(waka)-shu, vol.13
love
題知らず──みぶのたゞみね
untitled
有明の
つれなく見えし
別れより
暁ばかり
憂きものはなし
ありあけの
つれなくみえし
わかれより
あかつきばかり
うきものはなし
Ariake no
Tsurenaku mieshi
Wakare yori
Akatsuki bakari
Uki-mono wa nashi
冷ややかな素振りの明け方の月が空にかかっていたあの別れから、私にとって夜明けほどつらいものはありません
I hate the cold unfriendly moon,
That shines at early morn;
And nothing seems so sad and grey,
When I am left forlorn,
As day’s returning dawn.
逢瀬のあとは月さえもつれなく見える
この時代、夜明けは男女の別れの時間であった。日が暮れて女性を訪ねた男性は、日の出以前に女性のもとを去る。その帰り道、空を見上げて有明の月を恨めしく思うのだ。そしてそのときの感情は、たとえその恋が終わりを告げても、有明の月を見るたびに呼び起こされるに違いない。
この歌の解釈は大きくふたつに分かれる。問題は「つれなく」していたのは月か、それとも相手の女性かという点で、『古今集』の配列では、この「有明の~」の歌は、逢わないで別れた歌のなかに位置しており、女性のもとに行ったのに逢ってもらえず、冷たくされたということになる。
一方で、定家は「月」説ととらえていたようで、女性と逢った後、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣く別れたその帰り道に、素知らぬ顔した冷たい月が上がっているのを見てつれなく思った、と浪漫あふれる解釈をしている。
The writer lived to the age of ninety-nine, and died in the year 965. He was, like the composer of the previous verse, one of the compilers of the Kokinshiu, and was also the father of the author of verse No. 41.
[The picture seems to show the poet all alone looking out at the early dawn, but the moon is not visible.]
壬生忠岑 みぶのただみね TADAMINE MIBU
生没年未詳。安綱(やすつな)の子。息子は忠見(ただみ)《歌041》。「古今集」撰者の一人で、36歌仙の一人でもある。身分は藤原定国の随身で、摂津権大目で六位であった。康保(こうほう)2(965)年に98歳で没したという説がある。
家集に「忠岑集」があり、「忠岑十体」の歌論書が有名。勅撰集には「古今集」の35首をはじめ47首はいっている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)
平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







2017年3月12日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #029


029
古今・巻五
Kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
しらぎくの花をよめる──凡河内躬恒
about white chrysanthemum flowers
心あてに
折らばや折らむ
初霜の
置きまどはせる
白菊の花
こころあてに
おらばやおらん
はつしもの
おきまどわせる
しらぎくのはな
Kokoro-are ni
Orabaya oramu
Hatsu shimo no
Oki madowaseru
Shira giku no hana.
折るならば、あて推量で折ってみようか。一面に降りた初霜が見分けにくくしている白菊の花を
It was a white chrysanthemum
I came to take away;
But, which are colored, which are white,
I’m half afraid to say,
So thick the frost to-day!
早朝の冷えた空気と純白の世界
冬の入口に、初めて降りた霜の白と菊の白を混ぜ合わせて、目もくらむほどの純白の世界が広がっている。早朝のしんと澄み切った空気までもが感じられるようである。
霜にまぎれて白い菊の見分けがつかないというのは、確かに誇張した表現だが、実際の景色を写実的に歌うのでななく、連想や観念的な情緒を重んじたこの時代の傾向をうまくくみ取った象徴的な歌である。真実味に欠けるとしても、初霜の真っ白なすがすがしさを表現する手段としては、この時代独特の妖艶(ようえん)で幻想的な空言(そらごと)だといえるだろう。
Mitsune lived some time in the beginning of the tenth century, and was one of compilers of Odes Ancient and Modern (the Kokinshiu).
[The illustration shows him with a boy in attendance, trying to make up his mind which flower he will pick.]
凡河内躬恒 おおしこうちのみつね MITSUNE OSHI-KOCHI
生没年未詳。寛平6(894)年甲斐権少目(かいのごんしょうさがん)、延喜7(907)年丹後権大目(たんごのごんだいさがん)、同11年に和泉大掾(いづみのだいじょう)にすすみ六位。終生、位の低い国司であったが、歌人としては当時の代表格。
貫之《歌035》、忠岑らとともに「古今集」撰者となり、36歌仙の一人でもある。家集に「躬恒集」があり、勅撰集には194首はいっている。秀歌としては「わが宿の花見がてらに来る人は散りなんのちぞ恋しかるべき」(古今集)、「わが恋はゆくへも知れず果てもなし逢ふを限りと思ふばかりぞ」などが知られている。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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