2017年4月3日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #040


040
拾遺・巻十一
Shui(waka)-shu, vol.11
love
天暦時歌合──平兼盛
at a competition in Tenryaku era
忍ぶれど
色にいでにけり
わが恋は
ものや思ふと
人の問ふまで
しのぶれど
いろにいでにけり
わがこいは
ものやおもうと
ひとのとうまで
Shinoburedo
Iro ni ide ni keri
Waga koi wa
Mono ya omou to
Hito no tou made.
心ひそかに隠していたけれど、私の恋心は顔色に表れてしまったようだ。恋になやんでいるのか、と人に尋ねられるほどに
Alas ! the blush upon my cheek,
Conceal it as I may,
Proclaims to all that I’m in love,
Till people smile and say---
Where are thy thoughts to-day?’
見破られた恋わずらい
歌もさることながら、歌にまつわる逸話が有名である。
『天徳歌合』で「忍恋」を題に詠まれた歌だが、対したのは《歌041》の壬生忠見(みぶのただみ)の歌である。判者であった藤原実頼(ふじわらのさだより)はどちらも甲乙つけがたく、天皇にうかがった。天皇も悩んだあげく、兼盛の歌を口ずさんだので、こちらの勝ちとなった、という話である。古来、《歌041》の歌と必ずといっていよいほどセットで親しまれ、どちらが優れているか、議論の的だった。
この歌は倒置法が極めて効果的に使われ、構成に優れている。上の句で結論をいい、四句に「ものや思ふ」という第三者の問いかけを挟み込んだ上で、上の句に繋がる理由を明らかにして余韻を残す。その余韻のなかに、思いがけない指摘をされたとまどいと、はじまったばかりの恋の喜びが含まれているようである。また、恋の心情を直接歌うのではなく、間接的に表現することで、かえって思いの強さを示している。
This verse is said to have been composed in the year 960, at the request of the Emperor Murakami. Kanemori was the great-grandson of the Emperor Kwoko (* originally printed as “Kwotoku”) who is the writer of verse No. 15.
平兼盛 たいらのかねもり KANEMORI TAIRA
生年未詳、990年没。篤行(あつゆき)王の第三子で、光孝天皇《歌015》の玄孫、兼盛王とも称され、天暦4(950)年、越前権守に任ぜられ、臣籍に下った。のち山城介(やましろのすけ)、駿河守(するがのかみ)などを歴任。
漢学にすぐれ、歌人としても知られ、36歌仙の一人。家集に「兼盛集」があり、「拾遺集」の38首など83首の勅撰歌がある。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Genji_emaki_01003_006.jpg
五島美術館(http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/index.html)蔵『源氏物語』第38帖「鈴虫」の二番目の場面。

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{{PD-Art}} template without license parameter: please specify why the underlying work is public domain in both the source country and the United States (Usage: {{PD-Art|1=|deathyear=''year of author's death''|country=''source country''}}, where parameter #1 can be PD-old-auto, PD-old-auto-1923, PD-old-auto-1996, PD-old-100 or similar. See Commons:Multilicense copyright tags for more information.)

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月2日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #039


039
後撰・巻九
Gosen(waka)-shu, vol.9
love
人に遣(つかわ)しける──源ひとしの朝臣
sending to someone
浅茅生の
小野の篠原
忍ぶれど
あまりてなどか
人の恋しき
あさじうの
おののしのはら
しのぶれど
あまりてなどか
ひとのこいしき
Asaju no
Ono no shinohara
Shinoburedo
Amarite nado ka
Hito no koishiki.
浅茅の生えている小野の篠原の「しの」ではないが、いままでは忍んできたけれど、もう忍びきれずに、どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょうか
Tis easier to hide the reeds
Upon the moor that grow,
Than try to hide the ardent love
That sets my cheeks aglow
For somebody I know.
忍んでも忍びきれないあふれる思い
まだ思いを告げられないでいる恋しい人に、恋心の高まりを伝えた素直な作品である。注目すべきは上の句の序詞で、「篠原」と「しのぶれど」の「しの」音を重ねることによって、忍びきれない思いを表現している。
「浅茅生の小野の篠原しのぶとも人知るらめやいふ人なしに」(『古今集』・よみ人知らず)の歌を本歌としているが、上の句で自然の景を歌いつつ、下の句で一気に心情を歌い上げる構成に工夫が見られる。
Little is known of Hitoshi Minamoto, except that he lived some time in the tenth century.
Note the word shinohara, meaning ‘a bamboo moor’, contrasted with shinoburedo in the next line, which means ‘though I might manage to conceal’.
[The picture shows Hitoshi on the wild moor, with the reeds growing al around him.]
参議等 さんぎひとし THE PRIVY COUNCILLOR HITOSHI
源等(みなもとのひとし・880951)。中納言希(まれ)の二男、嵯峨天皇の曽孫。丹波守、太宰大弐(だざいのだいに)とすすみ、天暦元(947)年、参議となる。
勅撰集には「後撰集」の4首のみ。その1首は「東路(あずまじ)の佐野の船橋かけてのみ思ひ渡るを知る人のなき」である。

後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

平安中期、第2番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
20巻。歌数約1400首。951年村上天皇の命で源順(みなもとのしたごう)ら「梨壺の五人」が編集。歌の作者はほぼ『古今和歌集』と重なり、撰者の歌は入れていない。特色として贈答歌が多く、詞書が長いことがあげられるが、これは歌集の物語化を意味する。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年4月1日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #038


038
拾遺・巻十四
Shui(waka)-shu, vol.14
love
題知らず──右近
untitled
忘らるる
身をば思はず
誓ひてし
人の命の
惜しくもあるかな
わすらるる
みをばおもわず
ちかいてし
ひとのいのちの
おしくもあるかな
Wasuraruru
Mi oba omowazu
Chikaite-shi
Hito no inochi no
Oshiku mo aru kana.
忘れられる私の身のことはなんとも思いません。ただ神に永遠の愛を誓ったあなたの命が罰を受けて失われるのが惜しまれてなりません
My broken heart I don’t lament,
To destiny I bow;
But thou hast broken solemn oaths,
I pray the Gods may now
Absolve thee from thy vow.
恋慕と皮肉と後悔と
神に誓い合った愛が破れて、自分の身はどうなっても構わないが、心変わりした相手の身を案じる、悲しい女心を歌った。相手を恨みきれない未練が感じられるが、一方で、強烈な皮肉にもとれる。また、神にまで誓ってしまった自分の愚かしさを悔やんでいるように思える。いずれにしろ、実感のこもる女心である。
『大和物語』などにも見える歌だが、それによれば、歌の相手は藤原敦忠(ふじわらのあつただ)《歌043》であるようだ。
The Lady Ukon is supposed to have been deserted by her husband, and in this poem she regrets, not so much her own sorrow, as the fact that he has broken his sworn oath, and is therefore in danger of divine vengeance.
[The illustration show her all alone at the gate, with the house in the background, evidently waiting for the husband who has forsaken her.]
右近 うこん UKON
生没年未詳。右近衛少将藤原季繩(ふじわらのすえつな)の娘で、右近とは父の官職にちなむ呼称である。醍醐(だいご)天皇の皇后七条穏子(おんし)に仕えた。「大和物語」によると、《歌043》の「逢ひ見ての……」の作者権中納言藤原敦忠(あつただ)との愛と失恋や、桃園宰相源保光(みなもとのやすみつ)などとの愛がうかがえる。
「後撰集」に5首、「拾遺集」に3首、「新勅撰集」に1首はいっている。

拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)

平安中期、第3番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
100509年成立。20巻。歌数約1350首。撰者は花山院、藤原公任《歌055》の2説がある。風情が可憐で調べはしめやか。歌風としての優雅を完成した。集名は『古今和歌集』『後撰和歌集』にもれ遺(のこ)ったものを拾うの意による。
  ──『日本史事典』

PHOTO (F): Kibune7234.jpg by mariemon
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動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月27日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #037



037
後撰・巻六
Gosen(waka)-shu, vol.6
autumn
延喜御時歌めしければ──文屋朝康
presenting in Engi era
白露に
風の吹きしく
秋の野は
つらぬきとめぬ
玉ぞ散りける
しらつゆに
かぜのふきしく
あきののは
つらぬきとめぬ
たまぞちりける
Shira tsuyu ni
Kaze no fukishiku
Aki no no wa
Tsuranuki-tomenu
Tama zo chiri keru.
葉の上に光る白露に風が吹き付ける秋の野は、紐で貫きとめていない玉が散りこぼれているようだ
This lovely morn the dewdrops flash
Like diamonds on the grass---
A blaze of sparkling jewels! But
The autumn wind, alas!
Scatters them as I pass.
露は涙かはかない命か
草に置いた露を玉に見立て、風に吹き飛ばされるさまに散らばる玉のきらめきを見た美しい歌である。見立ての歌でありながら、実際の秋の野の風景がありありと思い浮かぶところも魅力である。
露は命や涙を暗示する歌語であり、それが抵抗するすべもなく風に翻弄されて散っていく姿に、一種の無常観を見ることもできる。美しさの中に荒涼とした寂寥感を含んだ一首である。
Asayasu, the son of the author of verse No. 22, lived about the end of the ninth century. He is said to have composed this verse at the request of the Emperor Daigo in the year 900. To liken the dewdrops to jewels or beads (tama) is typical of Japanese verse.
[The picture shows the grass, and the dewdrops scattered on the ground in front of the poet.]
文屋朝康 ふんやのあさやす ASAYASU FUNYA
生没年未詳。康秀《歌022》の子と伝えられるが定かでない。一説には駿河掾(するがのじょう)から延喜2(902)年に大舎人允(おおとねりのじょう)にすすんだと伝えられる。
「寛平御時后宮歌合」の作者であったことが「古今集」で知られる。勅撰集は「古今集」に1首、「後撰集」に2首はいっている。なお、契沖は《歌022》の「吹くからに……」は康秀の作ではなく朝康の作であるとしており、この説によると百人一首に朝康の歌が2首はいっていることになる。

後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

平安中期、第2番目の勅撰和歌集。八代集の1つ
20巻。歌数約1400首。951年村上天皇の命で源順(みなもとのしたごう)ら「梨壺の五人」が編集。歌の作者はほぼ『古今和歌集』と重なり、撰者の歌は入れていない。特色として贈答歌が多く、詞書が長いことがあげられるが、これは歌集の物語化を意味する。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年3月26日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #036


036
古今・巻三
Kokin(waka)-shu, vol.3
summer
月のおもしろかりける夜曉方(あかつきがた)によめる──ふかやぶ
at dawn of interesting moon
夏の夜は
まだ宵ながら
明けぬるを
雲のいづこに
月宿るらむ
なつのよは
まだよいながら
あけぬるを
くものいずこに
つきやどるらむ
Natsu no yo wa
Mada yoi nagara
Akenuru o
Kumo no izuko ni
Tsuki yadoruramu.
短い夏の夜は、まだ宵のくちと思っているうちに明けてしまったので、月は雲のどかに隠れて宿っているのだろうか
Too short the lovely summer night,
Too soon ‘tis passed away;
I watched to see behind which cloud
The moon would chance to stay,
And here’s the dawn of day!
見えない月を歌うめずらしい歌
あまりにも短い夏の夜、月はいったいどこに隠れているのか。「実際には見えない月」と「夏の夜」を題材とするのはめずらしいことで、斬新な試みと言える。よく詠まれる秋の長夜に対して、月が昇って沈む時間もないほどだ(だからどこか雲の陰に隠れているのだろう)と言って、夏の夜の短さを強調している。少々大げさな表現だが、おもしろい一首である。
Nothing is known of this writer, except that he was the father of the author of verse No. 42.
清原深養父 きよはらのふかやぶ FUKAYABU KIYOHARA
生没年未詳。「日本書紀」の撰者舎人親王(とねりしんのう)の子孫、房則(ふさのり)の子。元輔(もとすけ)《歌042》の祖父、「枕草子」の作者清少納言《歌062》の曽祖父。延長元(923)年内蔵大允(くらのだいじょう)。
琴の名手で、のちの36歌仙(後六々撰)の一人。家集に「深養父集」がる。「古今集」の17首など勅撰歌は41首。

古今和歌集(こきんわかしゅう)

平安中期、日本最初の勅撰和歌集
略称『古今集』。20巻。歌数約1100首。醍醐(だいご)天皇の勅により編集を始め、905(延喜5)年撰進された。撰者は紀貫之《歌035》、凡河内躬恒《歌029》、紀友則《歌033》、壬生忠岑《歌030》ら。『万葉集』に入らなかった古歌とそれ以後の新しい歌を集大成したもので、巻頭に貫之の「仮名序」、巻尾に紀淑望(よしもち)の「真名序」を置く。歌風は七五調・体言止めが多く、優美典雅、理知的で機知を尊ぶ。のちの勅撰和歌集の理想となった。代表歌人としては撰者らのほかに六歌仙がいる。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。

(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





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