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江戸木目込人形 CLOTH-TUCKED DOLL (wa-gocolo supplie 和ゴコロさぷり by cocolo supplie ココロさぷり)
2番目と3番目の動画では、ひな人形の製造過程の一端をご覧いただけます。
このブログ上で動画がご覧になれない場合は、動画サムネイル上のタイトルをクリックしてYouTubeでご覧ください。
3月3日、この日は何の日かご存知ですか?
「ひな祭り(桃の節句)」です。
ということで、「cocolo supplie ココロさぷり」の動画のうち、日本の記念日に関連するものを再度ご紹介しますね。
ここでいう記念日とは、祝日として制定された日だけでなく、企業や協会などが独自に定めたものも含みます。
季節ごとの食物を神に供えて祝う儀式である五節供のひとつです。
「上巳(じょうし)の節供」というのが正式名称。
(節供・節句 どちらの漢字も同じものを指します。)
まずはその概要から。
『日本文化を英語で紹介する事典 A Bilingual Handbook on Japanese Culture【第3版】』杉浦洋一+John K. Gillespie(ナツメ社/2004年)から引用させていただきます。
ひな祭り Hinamatsuri
ひな祭りは3月3日、女の子の成長や幸福を願う行事です。女の子のいる家庭の多くはひな人形を飾り、桃の花やひなあられ、菱餅、白酒などをひな人形に供えます。ひなまつりの起源は、身のけがれや災いを人形に移し、川に流して厄払いをしたという古代中国の風習にあります。これが日本に伝わると女の子の人形遊びと結び付き、江戸時代(1603-1867)からはひな祭りとして行われるようになりました。
Doll’s Festival
Hinamatsuri occurs on March 3 and is an occasion to pray for young girls’ growth and happiness. Most homes with girls display dolls for the Doll’s Festival and dedicate to them peach blossoms, rice cake cubes, special colored and diamond-shaped rice cakes, white sake, and other items. The origin of hinamatsuri is an ancient Chinese practice in which the sin of the body and misfortune are transferred to a doll and washed away by setting the doll in a river to drift away. When this practice spread to Japan, it was linked to girl’s playing with dolls and, in the Edo Period (1603-1867), was developed into the hinamatsuri.
ひな人形 Hina-ningyō
ひなとは女の子が遊ぶ小さな人形で、平安時代(794-1185)からありましたが、江戸時代(1603-1867)に現在の形になりました。赤いもうせんを敷いた5段か7段のひな壇の最上段に天皇・皇后を模した一対の「内裏びな」が並び、以下「右大臣・左大臣」「三人官女」「五人ばやし」などが各段を飾ります。しかし最近では簡略化して内裏びなだけを飾る家も増えています。
Dolls for the Doll’s Festival
Hina are small dolls for girls and have existed since the Heian Period (794-1185). They took their present from in the Edo Period (1603-1867). A “doll Emperor and Empress in ancient costume,” patterned after the Emperor and Empress, are placed on the highest tier of a five- or seven-tiered stand covered with a red carpet, and under them come the “Minister of the Right, Minister of the Left,” the “three court ladies,” and the “five court musicians,” among others. However, in recent times, more and more homes have simplified this by setting out only the Emperor and Empress dolls.
甘酒・白酒 Amazaké, Shirozaké
白色の濃厚な酒を白酒といいます。日本酒とは製法が異なり、蒸したもち米と米麹(こうじ)にみりんや焼酎を混ぜて作ります。アルコール飲料としては一般的ではなく、甘さがあるため、多くはひな祭りなどの特別な日に、主に女性や子供が飲みます。一方甘酒も味は甘く、主に正月や祭りなどで神社で出されたり、寒い冬に家庭で飲んだりします。こちらは米粥に麹を混ぜて醸造したものです。
Sweet saké, white saké
White, concentrated saké is called shirozaké. The manufacturing process is different form regular sake; it is made by blending a sweet kind of sake and low-class distilled spirits (shōchū) with steamed glutinous rice and rice malt. It is not a regular alcoholic beverage; with its sweetness, it is mostly drunk by women and girls on special days like the Doll’s Festival (Hina-Matsuri). Meanwhile, amazaké also has a sweet taste and is served mainly at Shinto shrines for New Year’s and other festivals and is also drunk in homes in the cold winter. This sake is brewed by blending malted rice with rice gruel.
──『日本文化を英語で紹介する事典
A Bilingual Handbook on Japanese Culture【第3版】』
杉浦洋一+John K. Gillespie
ナツメ社/2004年
上巳(じょうし)
じょうみ、重三(ちょうさん)ともいう。五節供のひとつ。陰暦3月の初の巳の日、のちに3月3日に行われた。水上にさかづきを流して祓除する中国の風習が日本に伝来し、平安時代に朝廷の年中行事として曲水の宴や童戯として雛遊びが行われるようになった。桃の節供、雛の節供ともいう。
三月節供(さんがつせっく)
3月3日の行事。五節供の一つで、上巳、桃の節供、雛祭ともいう。雛人形を飾り、桃の花や菱餅を供えて白酒で祝う女児の行事。本来はこの日は神送りの日で、人形を神の形代(かたしろ)とみなし、節供がすむと、家々では手作りの人形を川や海に流していた。江戸時代の『嬉遊笑覧』には、神奈川県下で三月節供に古雛を川に流し、女の子が白酒を汲み、泣いて別れを惜しむ習俗があったと伝えられ、紀州の淡島神社では、今日もこの日に雛人形流しが行われる。また、この日に磯遊びとか山遊びとかいって、海や山野に出かけて一日を過ごす習俗があり、この日がもと神事の日であったことを物語っている。
──ブリタニカ国際大百科事典
動画のBGMにも使用している童謡「うれしいひなまつり」の歌詞に出てくる言葉を見ていきましょう。
作詞:サトウハチロー、作曲:河村光陽による曲です。
(著作権の関係で、歌詞は掲載していません。
J-Lyric.netなどをご覧ください。)
幼稚園や小学校で歌われる機会が多いとは思いますが、子供たちはなんのことか分からずに歌っているのでは?
周りの大人はきちんと説明してあげてくださいね。
(曲の説明はウィキペディアをご覧ください。)
ぼんぼり:漢字では「雪洞」と書きますが、難読漢字ですねぇ。内裏びなの両脇にあるもので、昔のランプスタンドといったところでしょうか。
もも(桃):中国原産の木ですが、花より果実のほうが知名度が高いかもしれません。かつては厄災を防ぐ効果を期待して庭木として植えられていたそうです。
おだいりさま:本来の人に代わる役目の「代理」ではなく「内裏(だいり)」。つまり宮中の人=天皇。
およめにいらした ねえさま:現代社会では極度に核家族化した日本ですが、曲が作られた1935年(昭和10年)頃はまだまだ大家族で暮らしていた時代。お兄さんかおじさんのお嫁さんでしょう。
うだいじん(右大臣):政界における上から3番目の役職、政治の要職です。今でいう各省庁の大臣職みたいなもんでしょうか。
はれ(ハレ):普段とは違う特別な日の生活、漢字は「晴」をあてることも多いですが、カタカナのほうがしっくりくる気がします。反意語は「ケ(褻)」で、日常の生活をいいます。
上記『日本文化を英語で紹介する事典』や『ブリタニカ国際大百科事典』の説明にもあるように、天皇・皇后が列席する宴会の模様が、ひな人形に投影されているのでしょう。
三人官女が巫女姿であることから、神道の儀式のように見受けられます。
(おそらくは結婚式?)
実際、五節供は重大事項で、朝廷の宴会が開かれた日のようです。
政治のトップが出席するのも当然ですね。
きちんと冠をかぶる正装ですし。
人形の町として知られる埼玉県さいたま市岩槻区では、毎年「流しびな」が行われています。
3月3日直前の日曜日、城址公園で開催されることが多いようです。
ここ最近は足を運んでいませんが、数年前に行ったときは、並んで流しびな(藁でつくったお皿のようなものの上に、紙のお雛様が乗っているもの)をいただいて、公園内の池に流しました。
他にもこういう伝統的な行事を行っているところもあるんでしょうね。
住宅事情もあってか、5段、7段のひな人形は過去の遺物になりつつあります。
日本の文化なので、続いてほしいところですが。
あ、ちなみに関東と関西では内裏の位置が逆だそうですよ。
これ以外の「何の日?」については、右カラムのカテゴリー CATEGORIES「記念日 memorial day」をクリックしてご覧ください。
以下のURLでも同じです。
https://cocolosupplie.blogspot.com/search/label/%E8%A8%98%E5%BF%B5%E6%97%A5%20memorial%20day
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なお、「cocolo supplie ココロさぷり」ではコラボ作品も随時募集中です。
詳しくはコチラの記事をご覧ください。
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