2017年7月25日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #098

※動画は後日投稿します。

098
新勅撰・巻三
Shin-chokusen(waka)-shu, vol.3
summer
寛喜元年女御入内の屏風──正三位家隆
inspired by a picture drawn on folding screens presented as imperial bridal celebration in the year 1 of Kangi.
風そよぐ
ならの小川の
夕暮は
御禊ぞ夏の
しるしなりける
かぜそよぐ
ならのおがわの
ゆうぐれは
みそぎぞなつの
しるしなりける
Kaze soyogu
Nara no ogawa no
Yugure wa
Misogi zo natsu no
Shirushi nari keru.
風がそよそよと楢の葉に吹いている、この奈良の小川の夕暮れは、もう秋が来たように思えるが、小川で行われている夏越(なご)しのみそぎがまだ夏であることのあかしであるよ
The twilight dim, the gentle breeze
By Nara’s little stream,
The splash of worshippers who wash
Before the shrine, all seam
A perfect summer’s dream.
水音が響くさわやかな屏風歌
寛喜(かんぎ)元(1229)年、藤原道家(ふじわらのみちいえ)の娘竴子(よしこ)が後堀河天皇の中宮として入内する際に贈られた屏風歌である。
涼しい風に秋の気配を感じる一方で、小川では夏の風物詩である六月祓(みなづきばらえ)の行事が行われている。そこでまだ夏なのだなあと確認しているのである。自らが感受した感覚と目前の事実を上の句と下の句に分け、季節の移り変わりを巧みに表現した。
Iyetaka was another of the great Fujiwara family; he died in the year 1237.
The word misogi means the Shinto ceremony of purifying the body before worship by washing or sprinkling with water. The verse is said to have been inscribed on a screen in the apartments of the Empress at Nara.
従二位家隆 じゅにいいえたか THE OFFICIAL IYETAKA
藤原家隆(11581237)。藤原光隆(みつたか)の四男。はじめ雅隆という。妻は寂蓮《歌087》の娘。元久3(1206)年宮内卿、嘉禎元(1235)年従二位。翌年病気のため出家。
俊成《歌083》に歌を学ぶ。「千五番歌合」の作者。和歌所寄人となり、定家《歌097》らと『新古今集』の撰者になる。生涯に6万首も詠んだといわれるが、伝わっているのは10分の1。勅撰集にとられた歌は『千載集』などに281首。

新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

第9番目の勅撰和歌集。20巻。歌数1374首。後堀川天皇の命により藤原定家《歌097》が撰した。1235(文暦2)年成立。1234(天福2)年6月、未定稿を仮奏覧したが2ヵ月後に後堀河院が崩御。落胆した定家は手もとの草案を焼却、九条道家が仮奏覧本を尋ね出し完成を促した。後鳥羽《歌099》・順徳《歌100》両院ら承久の乱関係者の歌は除かれ、九条・西園寺(さいおんじ)等の親幕派と武家の詠が優遇されている。歌風は平明温雅『新古今和歌集』の余情妖艶から退いて、三代集の歌風に帰っている。
  ──『古語林 古典文学事典/名歌名句事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月24日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #097

※動画は後日投稿します。

097
新勅撰・巻十三
Shin-chokusen(waka)-shu, vol.13
love
建保六年内裏の歌合──権中納言定家
at a verse competition of the year 6 of Kempo.
来ぬ人を
松帆の浦の
夕凪に
焼くや藻塩の
身もこがれつつ
こぬひとを
まつほのうらの
ゆうなぎに
やくやもしおの
みもこがれつつ
Konu hito o
Matsu-ho no ura no
Yunagi ni
Yaku ya moshio no
Mi mo kogare-tsutsu.
待てども来ない人を待つ私は、松帆の浦の夕なぎに焼く藻塩のように、毎日身も焦がれるような思いでいるのです
Upon the shore of Matsu-ho
For thee I pine and sigh;
Though calm and cool the evening air,
These salt-pans caked and dry
Are not more parched than I!
待ち続けて焦がれる思い
『定家卿百番自歌合』にも『新勅撰集』にも選んでいる、定家自撰の一首である。『万葉集』六巻に見える長歌「名寸隅(なきすみ)の 舟瀬ゆ見ゆる 淡路島 松帆の浦に 朝なぎに 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ 海人娘人(あまをとめ) ありとは聞けど……」を本歌としている。
訪ねてこない恋人を毎日毎日待ち暮らし、恋焦がれる思いを伝えることもできない。じりじりとやるせない気持ちを、塩を採取するために海藻を焼く風景と重ねた。歌の背景に、いつかまた来ると約束した男の存在や、今日だけでなくすでに何日も待ちつづけているらしい女のようすなど、物語性を含んだ時間の流れが感じられる。一方で「夕なぎ」という無風の状態は、海に浮かぶ帆舟がただそこに留まり、藻塩を焼く煙は空へまっすぐに立ちのぼって、まるで時が止まったように膠着状態である現状をそのまま表現している。この対比により相手を待ち焦がれる気の遠くなるような思いが、いっそう胸に深く迫るのではないだろうか。
Sadaiye, of the Fujiwara family, was the Compiler of this Collection of verses; he was the son of Toshinari, the writer of verse No. 83, and he entered the priesthood, dying in the year 1242, at the age of eighty.
Matsu-ho is on the north coast of the Island of Awaji, n the Inland Sea; but the word also means ‘a place of waiting and longing for somebody’. Kogare means ‘scorching or evaporating’ (sea-water in the saltpans), but it also has the meaning ‘to long for, or to love ardently.’
[The illustration shows two men carring pails of sea-water to the salt-pans.]
権中納言定家 ごんちゅうなごんさだいえ THE ASSISTANT IMPERIAL ADVISER SADAIYE
藤原定家(「ていか」とも・11621241)。藤原俊成《歌083》の子。安貞元年に正二位、貞永元年に権中納言となる。
歌学者、歌人として当代第一人者。御子左家(みこひだりけ)の歌風を受け継ぐ。『新古今集』の撰者に加わり『新勅撰集』を選ぶ。『古今集』『源氏物語』などの古典集勘の功績も大きい。著書には日記『明月記』、『近代秀歌』『二四代集』『毎月抄』『詠歌大概』『顕註密勘』『定家十体』などがある。家集に『拾遺愚草』。天福元(1233)年12月に出家。小倉山の山荘に隠遁していた、宇都宮頼綱入道蓮生に依頼されて、選んだ百首を色紙に書いたが、これが「百人一首」として今日に伝わっているものである。

新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

第9番目の勅撰和歌集。20巻。歌数1374首。後堀川天皇の命により藤原定家《歌097》が撰した。1235(文暦2)年成立。1234(天福2)年6月、未定稿を仮奏覧したが2ヵ月後に後堀河院が崩御。落胆した定家は手もとの草案を焼却、九条道家が仮奏覧本を尋ね出し完成を促した。後鳥羽《歌099》・順徳《歌100》両院ら承久の乱関係者の歌は除かれ、九条・西園寺(さいおんじ)等の親幕派と武家の詠が優遇されている。歌風は平明温雅『新古今和歌集』の余情妖艶から退いて、三代集の歌風に帰っている。
  ──『古語林 古典文学事典/名歌名句事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月23日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #096

※動画は後日投稿します。

096
新勅撰・巻十六
Shin-chokusen(waka)-shu, vol.16
other
落花を詠み侍(はべ)りける──入道前太政大臣
referring falling blossoms.
花さそふ
嵐の庭の
雪ならで
ふり行くものは
我身なりけり
はなさそう
あらしのにわの
ゆきならで
ふりゆくものは
わがみなりけり
Hana sasou
Arashi no niwa no
Yuki narade
Furi yuku mono wa
Waga mi nari keri.
桜の花を誘って散らす、嵐が吹く庭の、雪のように散りゆくものは花ではなく、実は老いて古りゆくわが身なのだった
This snow is not from blossoms white
Wind-scattered, here and there,
That whiten all my garden paths
And leave the branches bare;
Tis age that snows my hair!
落花を眺めて思う宴の終焉
『新勅撰集』に「落花を詠み侍(はべ)りける」として見える華やかな一首。風に吹かれてはらはらと散りゆく桜の優雅な景色から一転、下の句で、はかなく散る桜に年老いた自分の身の上を重ね合わせて寂しさを嘆いている。一見華麗で美しい歌に見えつつも、その華やかさゆえに、背後にある老いという影がより色濃く際立つ構成で、それは来るべき死の気配さえ感じさせる。
技巧の面では、掛詞で「降りゆく」花びらと「古りゆく」わが身をつないだところが巧みである。初句の「花さそふ」は当時流行した文句で、同時期の歌に多く見られる。
作者の藤原公経(ふじわらのきんつね)は承久(じょうきゅう)の乱後に栄華を極めた西園寺(さいおんじ)家の中心人物で、贅の限りを尽くした生活を送っていたという。そんな繁栄のなかにあっても、あらがうことのできない老いを前に世の無常を感じずにはいられなかったようだ。桜のような華やかなものを歌っても、寂しげな雰囲気が漂うところは、いかにもこの時代の和歌らしい。
The writer’s name was Kintsune; he retired from office to enter the church, and died in the year 1244, aged seventy-six.
Note the play upon yuki, ‘snow’, and yuku, the verb ‘to go’; furi yuku means ‘going to fall’ (as snow), but furi also suggests the idea of ‘growing old’. He says it is really he himself that is fading and falling, rather than the petals of his garden flowers blown by the storm.
[The picture does not seem to illustrate the verse very well; it is probably meant to show Kintsune on his verandah, lamenting over his increasing years; but in the original edition, from which the pictures were taken, fallen cherry blossoms are shown underneath the verse at the bottom of the page.]
入道前太政大臣 にゅうどうさきのだいじょうだいじん THE LAY-PRIEST, A FORMER PRIME MINISTER OF STATE
藤原公経(きんつね・11711244)。内大臣実宗(さねむね)の二男。定家の妻の弟。源頼朝の妹婿一条能保(よしやす)の娘を妻とし、承久の乱(1221)には幕府方を支持、乱後は内大臣を経て貞応元(1228)年8月太政大臣と権勢を増し、西園寺を建立し、そのため西園寺殿と呼ばれた。
栄華をつくし、寛喜3(1231)年12月、病気のため66歳で出家。覚空(かくくう)または覚勝(かくしょう)と名乗った。74歳で没。
勅撰集にとられた歌は112首。

新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

第9番目の勅撰和歌集。20巻。歌数1374首。後堀川天皇の命により藤原定家《歌097》が撰した。1235(文暦2)年成立。1234(天福2)年6月、未定稿を仮奏覧したが2ヵ月後に後堀河院が崩御。落胆した定家は手もとの草案を焼却、九条道家が仮奏覧本を尋ね出し完成を促した。後鳥羽《歌099》・順徳《歌100》両院ら承久の乱関係者の歌は除かれ、九条・西園寺(さいおんじ)等の親幕派と武家の詠が優遇されている。歌風は平明温雅『新古今和歌集』の余情妖艶から退いて、三代集の歌風に帰っている。
  ──『古語林 古典文学事典/名歌名句事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月21日金曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #095

※動画は後日投稿します。

095
千載・巻十七
Senzai(waka)-shu, vol.17
other
題知らず──法印慈円
untitled
おほけなく
憂き世の民に
おほふかな
わが立つ杣に
墨染の袖
おおけなく
うきよのたみに
おおうかな
わがたつそまに
すみぞめのそで
Okenaku
Uki yo no tami ni
Ou kana
Waga tatsu soma ni
Sumizome no sode.
おそれ多くも、仏のご加護を願って、俗世の人々の上に覆い掛けることであるよ。比叡山に住み始めた私の墨染めの袖を
Unfit to rule this wicked world
With all its pomp and pride,
I’d rather in my plain black robe
A humble priest abide,
Far up the mountain side.
人々の救済を高らかに宣言する
比叡山(ひえいざん)に修業に入った作者が、僧としての志を掲げた述懐(じゅっかい)の歌である。後に天台座主(てんだいざす)まで上りつめる高僧の人柄をよく表している。初句の「おほけなく」に若さや未熟さを認める謙虚な姿勢が感じられる。
「わが立つ杣」は慈円が好んで多用した表現で、そこから比叡山そのものを指す言葉となり、さらに「わが山」だけで比叡山を意味することとなった。もともとは天台宗の開祖最澄(さいちょう)が用いた言葉である。
The Archbishop was a son of the author of verse No. 76. He had just been promoted to his exalted rank, which entailed living at the Temple of Mount Hiei, near Kyoto, and this is his modest deprecatory verse on his new appointment. He is said to have put an end to his life by the method described in the note to verse No. 12.
[In the picture we see the Archbishop in his robes, and the great Temple of Mount Hiei, while in the distance are the wild hills where he longs to be.]
前大僧正慈円 さきのだいそうじょうじえん THE FORMER ARCHBISHOP JIYEN
11551225。関白太政大臣藤原忠通《歌076》の子。九条実兼の弟。永万元(1165)年11歳で延暦寺の座主覚快法親王(ざすかくかいほっしんのう)に師事し、13歳で出家。はじめ道快といい、養和3(1181)年11月に慈円と改める。政治にも参与し、別称は吉水和尚。71歳で入滅した。
著書史論『愚管抄(ぐかんしょう)』、家集『拾玉集』がある。若いころ西行法師に歌を学んだため歌風は西行にちかく、多作で新歌風を開拓した。『新古今集』時代の代表的御子左家(みこひだりけ)歌人。勅撰集にとられた歌は『新古今集』の91首をはじめ、250首。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月20日木曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #094

※動画は後日投稿します。

094
新古今・巻五
Shin-kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
擣衣(とうい・砧のこと)のこゝろを──藤原雅経
referring a fulling block.
み吉野の
山の秋風
小夜更けて
故郷寒く
衣うつなり
みよしのの
やまのあきかぜ
さよふけて
ふるさとさむく
ころもうつなり
Miyoshino no
Yama no aki kaze
Sayo fukete
Furu sato samuku
Koromo utsu nari.
吉野の山の秋風が夜更けに吹き渡り、旧都吉野の差とは冷え込んで、衣を打つ砧(きぬた)の音が寒々と聞こえてくるよ
Around Mount Miyoshino’s crest
The autumn winds blow drear;
The villagers are beating cloth,
Their merry din I hear,
This night so cold and clear.
衣を打つ音が旧都に響く
冬を歌った坂上是則(さかのうえのこれのり)《歌031》の「み吉野の山の白雪つもるらし古里寒くなりまさるなり」(『古今集』)を本歌としている。これと比べると、同じ言葉を使いながらも、季節を秋に変更して衣を叩く砧の音を加えることで、古き吉野の里の寒さがしみじみと感じられ、より哀愁漂う歌となった。
砧は衣の布を叩いてやわらかくするための道具で、漢詩では兵役に出た夫の帰りを待つ妻を連想させる言葉である。
Masatsune was a son of the writer of verse No. 83; he died in the year 1221.
[He appears in the illustration to the sound of the villagers beating the cloth to make it supple.]
参議雅経 さんぎまさつね THE PRIVY COUNCILLOR MASATSUNE
藤原雅経(11701221)。刑部卿頼輔(ぎょうぶきょうよりすけ)の孫で、刑部卿頼経(よりつね)の二男。越前介、加賀介などを経て左近衛少将となり、『新古今集』の撰者となる。承久2(1220)年に従五位、同年12月参議となり、52歳で没。
定家の父俊成《歌083》に師事して歌を学び、飛鳥井家(あすかいけ)と称し、家集「明日香井集」がある。勅撰集には132首の歌がはいっている。飛鳥井流蹴鞠(けまり)の祖でもある。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉前期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》・藤原家隆《歌098》・寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』


動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月19日水曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #093

※動画は後日投稿します。

093
新勅撰・巻八
Shin-chokusen(waka)-shu, vol.8
覉旅
travel
題知らず──鎌倉右大臣
untitled
世の中は
常にもがもな
渚こぐ
海士の小舟の
綱手悲しも
よのなかは
つねにもがもな
なぎさこぐ
あまのおぶねの
つなでかなしも
Yo no naka wa
Tsune ni moga mo na
Nagisa kogu
Ama no obune no
Tsunade kanashi mo.
世の中は常に変わらないでほしいものだなあ。この渚を漕いで行く漁師の小舟の、引き綱を引くさまは、趣深く心が引かれることだ
I love to watch the fishing-boats
Returning to the bay,
The crew, all straining at the oars,
And coiling ropes away;
For busy folk are they.
変わることのない日常を願う
常に移り変わっていく世の中への不変の願いと日常の何気ない風景を重ね合わせた巧みな構成である。三句以降に作者が鎌倉の浜で実際に目にした、漁師が引き綱を引いているという、別段珍しくもない光景を持ってくることで、平穏な日常生活の尊さと、初めの二句で語られる、変わってしまう世の中への嘆きが実感を持って心に響いてくる。
この歌は『万葉集』の「川上(かわのへ)のゆついはむらに草むさず常にもがもな常(とこ)をとめにて」と『古今集』の「みちのくはいづくはあれど塩釜の浦漕ぐ舟の綱手かなしも」の二首を本歌にして作られている。古くから使われている言葉を用いながらも、現在の人の世の無常をしみじみと感じさせる詠みぶりは作者の力量によるところだろう。「綱手」は定家も心引かれる題材であったようで、同じように『古今集』の歌を本歌にして「綱手引くちかのしほがまくりかへしかなしき世をぞうらみはてつる」と詠んでいる。
The name of the writer of this verse was Sanetomo Minamoto, the second son of the great General Yoritomo. He was a famous moan of letters, and was murdered in the year 1219 by his nephew, the Priest Kugyo, at the Temple of Hachiman at Kamakura, whiter he had gone to return thanks for his promotion to a high office of state. He seems to have had a premonition of his coming fate; for that morning, while being dressed, he composed the farewell poem to his plum tree given in the Introduction, and pulling out a hair he gave it to his servant, bidding him keep it in memory of him. The assassin sprang out from behind a tree, which is still pointed out today, growing at the side of the temple steps, cut him down, and ran off with the head. Kugyo was caught and executed, but the head was never found, and so the single hair was buried in its stead.
鎌倉右大臣 かまくらのうだいじん THE MINISTER OF THE RIGHT DISTRICT OF KAMAKURA
源実朝(みなもとのさねとも・11921219)。源頼朝(よりとも)の二男。兄頼家が伊豆の修善寺に蟄居(ちつきょ)したあとをうけ12歳で従五位上、第3代征夷大将軍となる。建保6(1218)年12月に右大臣左大将になったが、翌承久元年1月27日夜、鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)に拝賀の帰り、甥の公卿(くぎょう)に暗殺された。28歳。
歌は定家に師事し、家集に『金槐(きんかい)和歌集』がある。勅撰歌としては『新勅撰集』などに81首がはいっている。

新勅撰和歌集(しんちょくせんわかしゅう)

第9番目の勅撰和歌集。20巻。歌数1374首。後堀川天皇の命により藤原定家《歌097》が撰した。1235(文暦2)年成立。1234(天福2)年6月、未定稿を仮奏覧したが2ヵ月後に後堀河院が崩御。落胆した定家は手もとの草案を焼却、九条道家が仮奏覧本を尋ね出し完成を促した。後鳥羽《歌099》・順徳《歌100》両院ら承久の乱関係者の歌は除かれ、九条・西園寺(さいおんじ)等の親幕派と武家の詠が優遇されている。歌風は平明温雅『新古今和歌集』の余情妖艶から退いて、三代集の歌風に帰っている。
  ──『古語林 古典文学事典/名歌名句事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。






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