2017年7月17日月曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #091

※動画は後日投稿します。

091
新古今・巻五
Shin-kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
百首の歌奉りし時──摂政太政大臣
presenting 100 verses to the Retired Emperor.
きりぎりす
鳴くや霜夜の
さ莚に
衣片敷き
一人かも寝む
きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねん
Kirigirisu
Naku ya shimo yo no
Samushiro ni
Koromo katashiki
Hitori kamo nen.
こおろぎが鳴いている。寒い夜の筵(むしろ)の上で、私は自分の着物だけを片敷いて、ただひとりわびしく寝るのだろうか
I’m sleeping all alone, and hear
The crickets round my head;
So cold and frosty is the night,
That I across the bed
My koromo have spread.
孤独と寒さが身にしみる
正治(しょうじ)2(1200)年の『後鳥羽院初度百首』のなかに見える一首。《歌003》の「あしびきの~」の歌と『古今集』の恋四にある「さむしろに衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」の歌を本歌取りしている。部立ては秋であるが、この二首を本歌としていることで、恋歌としても読める。ひとり寝の孤独を、きりぎりす、霜夜、片敷きの衣などの語を用いることによって、いっそう冷たく寂しいものとして印象深くしている。きりぎりすは現在のこおろぎを指すが、気温が下がるにつれて、温かい場所を求めて床下に移動する習性があるという。寝室でひとりこおろぎの鳴き声を聞くという状況がそのまま外気の冷たさを物語っているのである。
秋の寂寥として趣を詠むのは、作者の得意とするところであったが、この歌を詠む少し前に妻に先立たれているということを考えれば、実感がそのまま歌ににじみ出て、寂しさをより際立たせたのかもしれない。
This writer was another of the great Fujiwara family, and died in the year 1206.
The word kirigirisu, a cricket, is supposed to represent its song; the Japanese say that the chirping of crickets means cold weather.
[In the picture the poet is sitting up in bed with his arm on his pillow, listening to the crickets; and in the original illustrated edition underneath the verse is drown a cricket hiding in the grass.]
後京極摂政前太政大臣
ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん THE REGENT AND FORMER PRIME MINISTER GO-KYOGOKU
藤原良経(ふじわらのよしつね・11691206)。摂政九条兼実(くじょうかねざね)の子。法性寺忠通の孫。建久元(1189)年権大納言、同6年内大臣、正治元(1199)年左大臣を経て建仁2(1202)年12月に摂政となる。元久元(1204)年正月従一位、同年12月太政大臣となったが、建永元年3月、兇賊(きょうぞく)の槍に刺殺された。38歳。
俊成《歌083》に歌を学び、「新古今集」の撰に加わり、仮名序を書き、「み吉野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり」という巻頭の作者となる。家集「秋篠月清集」。勅撰歌は313首。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉前期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》・藤原家隆《歌098》・寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月16日日曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #090

※動画は後日投稿します。

090
千載・巻十四
Senzai(waka)-shu, vol.14
love
歌合し侍りける時恋の歌とて詠める──殷富門院大輔
at a verse competition
見せばやな
雄島の蜑の
袖だにも
濡れにぞ濡れし
色はかはらず
みせばやな
おじまのあまの
そでだにも
ぬれにぞぬれし
いろはかわらず
Misebayana
Ojima no ama no
Sode dani mo
Nure ni zo nureshi
Iro was kawarazu.
血の涙で色の変わってしまった私の袖をあの人に見せたいものだ。あの雄島の漁師の袖さえ、ひどく濡れても色までは変わっていないのに
The fisher’s clothes, though cheap, withstand
The drenching they receive;
But see! my floods of tears have blurred
The colors of my sleeve,
As for thy love I grieve.
袖を突きだして強い恨みを訴える
『後拾遺集』に見える源重之(みなもとのしげゆき)の「松島や雄島の磯にあさりせしあまの袖こそかくはぬれしか」を本歌としている。
雄島の漁師の袖さえもこれほどまでには濡れていないのに、と歌って、間接的に袖の色が変わるほどの自分の苦悩を訴えている。血の涙という表現は漢詩の影響を受けたもので、恋のつらさを表現するときによく用いられる。少々誇張した表現が多い歌だが、技巧に長けた独特の詠みぶりである。
The writher is said to have been one of the Fujiwara family, and to have died in the year 1210. Ojima is an island in the Inland Sea.
In the last line the word iro can mean both ‘color’ and ‘love’; so that the meaning is, the writer’s love will remain as constant as the color of the fisher’s clothes, even though drenched with salt water. In connection with this word iro, it may be mentioned that a crimson maple leaf, when sent by a lady to her lover, is a gentle hint that she wishes to see him no more; the meaning being, that as the color (iro) of the leaf has changed, so her love (iro) has changed also.
殷富門院大輔 いんぷもんいんのたいふ THE CHIEF VICE-OFFICIAL IN ATTENDANCE ON THE DOWAGER EMPRESS IMPU
生没年未詳、11311200頃の人。従五位藤原信成(ふじわらののぶなり)の娘。後白河天皇の第一皇女で、順徳天皇の養女となり、文治3(1187)年6月に、門院の号をたてまつられた殷富門院(亮子(りょうし)内親王)に仕えていた官女(大輔という)である。
勅撰集にとられた歌は「千載集」「新勅撰集」などに65首ある。家集「殷富門院大輔集」。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月15日土曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #089

※動画は後日投稿します。

089
新古今・巻十一
Shin-kokin(waka)-shu, vol.11
love
百首歌の中に忍恋──式子内親王
one of 100 verses of given theme of secret love.
玉の緒よ
絶えなば絶えね
長らへば
忍ぶることの
弱りもぞする
たまのおよ
たえなばたえね
ながらえば
しのぶることの
よわりもぞする
Tama no o yo
Taenaba taene
Nagaraeba
Shinoburu koto no
Yowari mozo suru.
私の命よ、絶えるならば絶えてしまえ。生きながらえていると、この恋を忍ぶことができなくなり、人に知られてしまうかもしれないから
The ailments of advancing years
Though I should try to hide,
Some day the thread will beak, the pearls
Be scattered far and wide;
Age cannot be defied.
忍ぶ恋のつらさに絶命を願う
「忍恋」の題で詠まれた。激しい恋心を歌い上げる名歌である。
いままで長い間この恋を隠してきたが、これ以上隠しきれない。生きていれば顔色に表れて世間に知れてしまう。それならいっそ命が絶えてくれれば……と頂点に達した強い思いを自虐的に表現することで、恋の切なさがより切実に伝わってくる。
「玉の緒」は魂を体につなぎとめておく緒のことで、命そのものを表す言葉である。『万葉集』のころに多く用いられた枕詞で、「長き」「短き」「絶え」「乱れ」などに掛かる。自らの命に叫ぶようにして訴えかけているところが、この歌のすべてといっても過言ではないだろう。
また、作者の式子内親王は定家との恋愛も噂される人物である。そのような背景を考えると、定家が式子内親王の歌のなかからこの「玉の緒よ~」を選んだことがとても深い意味を持つようにも考えられる。式子内親王はこのほかにも恋歌をいくつか残しているが、生涯独身であった。
The Princess was the daughter of the Emperor Goshirakawa, who reigned A.D. 1156-1158. In this short reign however, the country suffered from a very severe earthquake and a devastating civil war.
The second line is a play upon the two verbs tae, which are both pronounced the same, but which are written with different ideographic characters. The first couplet, taken literally, reads, ‘if the string of pearls (i.e. my life) break, I must bear it.’
[The illustration seems to show the Princess sitting down with a nobleman in attendance.]
式子内親王 しょくしないしんのう PRINCESS SHOKUSHI
生年未詳(1149という説も)、没年は1201。後白河天皇の第二皇女。平治元(1159)年に賀茂神社の斎院(さいいん)となり、准三宮(じゅんさんぐう)の位をうけたが、嘉応元(1169)年に病気のため任を辞した。
新古今集時代の女流歌人の第一人者で、俊成《歌083》、定家《歌097》と親交があった。中古36歌仙の一人で『式子内親王集』があり、勅撰歌は『千載集』などに146首ある。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉前期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》・藤原家隆《歌098》・寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月14日金曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #088

※動画は後日投稿します。

088
千載・巻十三
Senzai(waka)-shu, vol.13
love
「摂政(兼実のこと)右大臣の時家の歌合に旅宿逢レ恋(りょしゅくのこいにあう)」と云へる心を詠める──皇嘉門院別当
at a verse competition of given theme of love at traveling place at Minister’s house.
難波江の
芦のかり寝の
一夜ゆゑ
身をつくしてや
恋ひわたるべき
なにわえの
あしのかりねの
ひとよゆえ
みをつくしてや
こいわたるべき
Naniwa e no
Ashi no karine no
Hito yo yue
Mi wo tsukushite ya
Koi wataru beki.
難波江の葦の刈り根の一節のような、短い一夜の仮寝のために、この身を捧げてあなたをずっと恋し続けることになるのでしょうか
I’ve seen thee but a few short hours;
As short, they seemed to me,
As bamboo reeds at Naniwa;
But tide-stakes in the sea
Can’t gauge my love for thee.
一夜限りの恋物語
「旅宿逢恋」の題で詠まれた。かつて貿易港であった難波を旅と連想させる歌枕として取り入れている。難波は遊女のいる地としても知られており、そこから旅の男性との一夜限りの契りという背景も加えた。一晩という限られた逢瀬ゆえに鮮明に心に残り、一生それをかかえて生きていかなければならないのかと嘆く女心を切なく歌った。
技巧の面でも序詞・縁語・掛詞を駆使して奥行きのある歌に仕上げている。
This verse was written some time in the twelfth century; and Naniwa is the ancient name of Osaka.
There are several double meanings in this verse; line 2 and 3 can mean either ‘one section of a reed cut off between the joints’, or ‘one night’s sleep as short as a reed’. In the fourth line also, miotsukushi means a tide-gauge, as explained in the note to verse No. 20, but the whole line, taken as printed, reads, ‘How can I be already tired of thee!’ The contrasthere is between the length of only one section of a short reed and the long stake set up to measure the rise and fall of the tide.
[The illustration seems to show the lady to whom the verse was addressed.]
皇嘉門院別当 こうかもんいんのべっとう AN OFFICIAL OF THE DOWAGER EMPRESS KWOKA
生没年未詳。太皇太后亮源俊隆(みなもとのとしたか)の娘と伝えられ、崇徳天皇《歌077》の皇后、皇嘉門院(聖子・せいし)に仕えた。安元元(1175)年や治承3(1179)年の九条兼実の家の「右大臣家歌合」に加わっていたこと、のちに尼になったことが知られる。
勅撰歌は「千載集」などに9首ある。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月13日木曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #087

※動画は後日投稿します。

087
新古今・巻五
Shin-kokin(waka)-shu, vol.5
autumn
五十首歌たてまつりし時──寂蓮法師
presenting 50 verses
村雨の
露もまだ干ぬ
槇の葉に
霧立ちのぼる
秋の夕暮
むらさめの
つゆもまだいぬ
まきのはに
きりたちのぼる
あきのゆうぐれ
Murasame no
Tsuyu mo mada hinu
Maki no ha ni
Kiri tachi-noboru
Aki no yugure.
にわか雨が通り過ぎて、その露もまだ乾かない杉や檜などの葉に、もう霧が立ちのぼっていく秋の夕暮れであるよ
The rain, which fell from passing showers,
Like drops of dew, still lies
Upon the fir-tree needles, and
The mists of evening rise
Up to the autumn skies.
新古今の歌風を見事に表現した幽玄美
雨上がりの一瞬をとらえた、非常に平明な一首である。しかし、細部までしっかり描写された風景画を思わせるような、印象深い一首でもある。
夕暮れ、杉や檜などの常緑樹の林に降った通り雨が上がり、その露が乾かないうちに早くも霧が立ちこめてくる。そのわずかな時間の移り変わりを、視点はそのままに雨・露・霧という自然現象の変化によってとらえている。また、季節を秋としながらも、あえて紅葉ではなく「真木」という常緑の木を詠むことで色彩を抑え、霧をより鮮明に浮かび上がらせ、静寂に包まれた幽玄な世界を演出している。
作者の寂蓮は和歌の才能をかわれて藤原俊成(ふじわらのしゅんぜい)《歌083》の養子となった人物で、定家とともに御子左家(みこひだりけ)を代表する歌人であった。この歌もひっそりと静まり返った寂しげな雰囲気や、体言止めで余韻を残すあたりは、いかにも新古今風の和歌といえるだろう。
This verse is a good example of a picture verse, intended to call up the scene to one’s imagination. Jakuren was another of the great Fujiwara clan, and lived about the end of the twelfth century.
Murasame means ‘rain falling in showers, here and there’, [and the illustration plainly shows it raining on one side of the house only.]
寂蓮法師 じゃくれんほうし THE PRIEST JAKUREN
生年未詳、一説には11391202。俗名は藤原定長(さだなが)。俊成《歌083》の弟俊海阿闍梨(しゅんかいあじゃり)の子。俊成の養子となり、従五位上・中務少輔(なかつかさしょうゆう)になったが、のちに定家《歌097》などが生まれたため、承安2(1172)年ごろ俊成の家を自ら出て僧になって寂蓮と称した。
「新古今集」の撰者の一人に選ばれたが完成を見ずに没した。36歌仙の一人で、家集に「寂蓮法師集」があり、「千載集」などに107首はいっている。

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

鎌倉前期、八代集最後の勅撰和歌集
略称『新古今集』。1205年完成。20巻。歌数約1980首。後鳥羽上皇《歌099》の命で藤原定家《歌097》・藤原家隆《歌098》・寂蓮《歌087》らが撰び、上皇の親撰。幽玄・妖艶・象徴的ないわゆる新古今調をつくり、万葉・古今とともに三大歌風をなす。本歌取り、体言止め、三句切れなどが特色。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。





2017年7月11日火曜日

百人一首 100 verses by 100 poets #086

※動画は後日投稿します。

086
千載・巻十五
Senzai(waka)-shu, vol.15
love
月前恋と云へる心を詠める──円位法師
given theme of love in front of the moon.
歎けとて
月やはものを
思はする
かこち顔なる
わが涙かな
なげけとて
つきやはものを
おもわする
かこちがおなる
わがなみだかな
Nageke tote
Tsuki ya wa mono wo
Omowasuru
Kakochi-gao naru
Waga namida kana.
嘆けといって、月がもの思いをさせるのだろうか、いや、そうではない。それなのに月のせいにして、こぼれ落ちる私の涙であることよ
O’ercome with pity for this world,
My tears obscure my sight;
I wonder, can it be the moon
Whose melancholy light
Has saddened me to-night?
月のせいにした恋わずらいの涙
この歌は《歌023》の「月見れば~」と『伊勢物語』四段に見られる在原業平(ありわらのなりひら)《歌017》の「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして」を本歌として「月前恋」の題で詠まれたものである。流れる涙を今見ている月のせいにしようと思うが、実際は、恋のもの思いのために流れる涙である。月のせいに見せかけようとしても、つくろいきれない涙で恋のつらさを表現した。
西行の残した数々の名歌のなかから定家がなぜこの歌を選んだのかについては、よくわかっていないが、月・涙・恋などの題材が有心を追及する晩年の定家の好みに合ったのかもしれない。ちなみに西行と親交が深かった俊成《歌083》はこの歌を「心ふかく姿をかし」として高く評価している。
西行の歌には自然の景に自分の内面を投影するようなものが多い。また、僧の身でありながら恋歌が多いのも特徴で、出家の要因が高貴な人との許されざる恋であったとの説もある。
Saigyo was a member of the Fujiwara family, an eccentric monk, and a famous poet, who lived A.D. 1115-1188. He was once in attendance on the Emperor, when a bird by fluttering its wings began scattering the blossoms of a plum tree. The Emperor directed him to drive off the bird, but the priest, with an excess of zeal, killed it by a stroke of his fan. On reaching home his wife told him that she had dreamt that she was changed into a bird and that he had struck her, and this incident made such an impression upon him, that he retired from Court, and spent the rest of his life in the church.
西行法師 さいぎょうほうし THE PRIEST SAIGYO
11181190。俗名は佐藤義清(のりきよ)。康清(やすきよ)の子で、鳥羽上皇に仕えて北面(ほくめん)の武士となり従五位下、左兵衛尉(さひょうえのじょう)となった。一族の憲康(のりやす)の突然の頓死などで明日をも知れぬ命を思い、頓世を念じていた彼は保延6(1140)年1015日、自分にまとわりつく4歳の娘を突然蹴倒して家を出た。この夜から嵯峨で僧になった。法名は円位。西行と号した。各地を放浪。
中古36歌仙の一人で、家集に『山家集』『西行上人集』『聞書集』などがあり、勅撰歌は『千載集』などに252首ある。

千載和歌集(せんざいわかしゅう)

鎌倉前期、第7番目の勅撰和歌集。八代集のひとつ
1187年完成。20巻。歌数約1200首。後白河法皇の命で藤原俊成《歌083》が撰した。『金葉和歌集』『詞花和歌集』両集の新奇の風を否定し、古今的伝統への復帰を志し、清新な感覚に支えられた感傷的情緒性が目だつ。
  ──『日本史事典』

動画の見方、ブログの読み方などの説明をしましょう。
まず、朗詠音声はプロのもので、左大臣光永さん(http://ogura100.roudokus.com/)による朗詠です。
BGMとして使用させていただいた曲は、雅楽『平調 越天楽』というもので、クラシック名曲サウンドライブラリーさん(http://classical-sound.seesaa.net/)からダウンロードしました。
動画では多くの画像を組み合わせています。
以下の画像をご参照ください。
(クリックすると拡大画像がご覧いただけます。)
まず右上の画像を見てください。
これは動画中の和歌部分の画像です。
各記号の示すものは以下のとおりです。

A…作品番号 number of the verse
1…作者 poet
2…作者肖像画 portrait of the poet
『錦百人一首あつま織』勝川春章(1775年)"Nishiki Hyakunin-isshu Azuma Ori" by Shunsho Katsukawa (1775)/国立国会図書館(http://www.ndl.go.jp/)(※#002除く except #002
3…作者肖像画 portrait of the poet
『今様百人一首吾妻錦』永楽屋東四郎(江戸時代後期?)"Imayo Hyakuninn-Isshu Azuma Nishiki" by Toshiro Erakuya (late Edo era?)
C…出典 origin
D…部立 category(左下画像参照 see the image of left down
それぞれの色は平安時代女房装束のかさねの色です。
四季はそれそれの着用時期に合わせたもの、恋・旅・他は通年での着用の色。
E…詞書 description
F…イメージ画像 image picture of the verse
基本的に明記されていないものはすべてPhoto Libraryさん(https://www.photolibrary.jp/)の写真です。
歌に詠まれた事象がメインですが、時刻、時期、場所などは歌の内容とは異なる場合がありますので、あくまで歌の世界を堪能する助けとして見てください。
当然ながら歌の詠まれた当時の写真ではありません。
なかには現代社会が映りこんでいるものもあります。
なお、恋の部立などの象徴的なものに関しては、独断でそれらしいものを選んでいます。
G…歌意イメージ画像 image picture of the meaning of the verse
英語の解説書にあった画像ですが、題名・作者など一切不明です。
18世紀の木版画とありますが、著者のWilliam N. Porter氏も作者はわからなかったようです。
(英語では画像について説明されている歌もありますが、日本語はありません。)
Sentences in [ ] describe about the picture.

右側の画像はブログの表に関してです。
この画像に用いている色は各部分を区別するためのもので、特に意味はありません。
黄色のアルファベットは動画のものと対応しています。
詳細は上記を参照願います。
緑のアルファベットはブログのみです。
H…歌 verse
これなくしては成り立たないので、当然動画にも入れています。
左:漢字かな表記(歴史的仮名遣い) LEFT: Kanji + Hiragana (old writing)
漢字を使っているもの、かなを使っているもの、漢字も異なるもの、かなりのヴァリエーションがありますが、個人的に見て美しいものを選んでいます。
中:ひらがな表記(現代仮名遣い) MIDDLE: Hiragana (modern writing)
右:ローマ字表記 RIGHT: rōmaji
I…歌意 meaning of the verse
日本語:『一冊でわかる百人一首』吉海直人・監修(成美堂出版)のものを採用しています。
English: from "A Hundred Verses from Old Japan: a translation of the hyaku-nin-isshu" by William N. Porter (TUTTLE PUBLISHING, 1979, first edition 1909 by The Clarendon Press, London)
J…解説 explanation of the verse
同上
same as above
K…作者について about the poet
Sorry.
No English.
Some have description by Mr. William N. Porter in J section.

余談ですが、動画の和歌部分上下の千代紙柄、背景の和紙素材はAC Worksさんの提供による素材を使っています。







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